2009年10月30日金曜日

[diary]サナアで休息 再び

サナアで休息 再び

08/10/30(木) 曇り、夜は雨
[Sana'a:Yemen]
※レート:1米ドル=200イエメンレアル、1ユーロ=270イエメンレアル

・部屋こもり
・結婚式

夜が明けてしばらくした後、起床。

今日もたまりにたまっている書き物をすることにする。同室の彼は朝の旧市街を見に行くと7時半頃部屋を出ていく。ぼくは近くの食堂街に朝食のパンを買いに。ややくぼんでいるが平たい鉄板の上で、薄いナンのようなパンが焼かれていたので、それを3枚購入。1枚30リアル(約15円)。それから、その近くで揚げパンのようなものを売っている店があり、そこがけっこう繁盛していたのでその揚げパンも買ってみる。日本で言うとカレーパンをカラカラにしたような感じで、カレーパンのような形に膨れているが、中は空洞。しょうがっぽいような味と甘みがあるので、そのまま食べてもうまい。これは朝食の定番のようで、その辺でおじさんたち(女性はいない)はその揚げパンとチャイを食べている。

部屋に戻り、書き物。テレビを付け、BBCを流しっぱなしにしていたのだが、ニュースではコンゴの内戦やパキスタン北東部での地震、ソマリアやカブールでの自爆テロ、米軍によるシリアへの越境爆撃、アメリカ大統領選、メジャーリーグのワールドシリーズ、ブリティッシュ連邦内でのクリケット大会、特別番組としてのロシア・グルジア戦争のことなどが繰り返し放送される。番組の合間にはコマーシャルが流れ、南アフリカやインド、カタールそれぞれの政府が作成しているらしい観光CMなどが流れる。

昼前、旧市街に近い野菜スーク(市場)に昼飯を食いに行く。市場と言ってもここの場合は整然と立ち並ぶ建物の間の間の通り沿いに50軒ほどの野菜屋、果物屋、煙草屋(タバコの葉を乾燥させたものをそのまま売っている)、甘味屋、ふかしたじゃがいも屋、小さい丸っこいパン屋、カート屋などが並んでいるだけで、規模は小さい。アフリカの市場とはぜんぜん違って、こちらは市場と言うよりもちょっとした露店街という印象の方が強い。

送信者 yemen3


タバコの葉↓
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ケバブ↓
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どこで食おうかとうろうろしていたら、甘味屋の少年(おそらく15~18歳くらい)が店の中から声をかけてくる。
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店に行ってみると、ショーケースの中には半径30cmほどの円形のトレイが4枚ほどあった。それぞれの中身は見た目で言うと、シフォンケーキのようなものやプリンみたいなもの、それから蜂の巣を集めたようなものなど。蜂の巣を集めたような物が入っているトレイにはミツバチが20匹ほど寄ってきていた。
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せっかくなので、シフォンケーキみたいなものを食べてみる。これが大量の水分を含んでいてケーキという感じではない。味とトレイの様子から推測すると、焼いたパウンドケーキにひたひたになるくらいに蜂蜜を薄めたジュースをかけているっぽい。蜂蜜屋はいくらでもあるから、もしかしたらその辺から余った材料を仕入れて作っているかも、などと食べながら推測してみたりする。ちなみに値段は日本で言う1ピースぶんがだいたい50リアル(約25円)。

その後、その2軒隣で炭火を使って焼き鳥で言うツクネのようなものを竹輪と同じような要領で焼いている店があったので、そこで買い食い。具体的には挽き肉を菜箸大の太さの鉄(?)の棒に細長く張り付け、炭火の上で焼いていた。値段を聞くと4本350リアル(約175円)。なかなか高い。直径は3cmほどで長さは10cmほどだからたいして漁も多くない。でも、試しに食べてみる。食べ方は、そのままでもうまかったが、店のおじさんはトマトをひいたペーストをそれと一緒に出してきたので、トマトのペーストを付けて食べるのがここの常識のよう。味はつけてもつけなくてもどっちもうまい。肉はまさにツクネのような感じ。わりと簡単にできそうな商売だが、この店の他に同じような店は見なかった。
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それからやっと本格的に昼飯を食う。まだ行ったことのない店でいつものように人が食べているものを指さして注文。またもサルタ。でもうまいから良しとする。
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食事をしながらすぐ目の前のバナナ屋の様子を見ていた。このスーク(市場)にはバナナ専門店が多い。イエメン産のバナナのようで、バナナを陳列する台代わりになっている箱にはそれと示す英語が書かれている。目の前のバナナ屋のおじさんは「ミア(100)」(おじさんが発する言葉の中で、ぼくがわかるのはその単語くらいしかなかった)などと大きな声をあげて懸命に客寄せをしている。

そこへ一人の女性客が来て、おそらく値段などを聞いているのだろう、おじさんとバナナを見ながらあれこれと話している。そのとき、様相からしておそらく路上生活をしていると思われる一人のおじさんがそのバナナ屋にやってきて、話している二人の脇で大量に陳列されているバナナの中から1本のバナナをもぎり、そのまま去っていった。店のおじさんと話すこともなければ、カネも払うこともなく。

ぼくの目には店のおじさんはそのおじさんの存在には完全に気づいているようだったし、おじさんの行為は目の端に入っているように見えた。でも、店のおじさんは見過ごした。

その後すぐ今度はボロい服をまとった13~15歳くらいの少年がその店にやってきて、同じようにさもその店の主かのようにバナナを1本もぎって持っていこうとした。それも店主のすぐ横で。これまたおじさんはその少年の行為を黙認するのかと思いきや、店のおじさんは少年の腕をつかみ、激しくバナナを返せというようなことを言っている。少年の方は少年の方で、おじさんになにやら言い返している。そして、結局店のおじさんはその少年からバナナを取り返すことなく、解放した。

同じようなことは1週間ほど前、サナアのハサバという地区にある市場でも見た。足どりもだいぶ弱っているような老女が、ナツメヤシを売っている露店の前を通りがかったとき、その山の中から1粒ひょいとつまみ、ポケットに入れた。ナツメヤシは親指と人差し指で円を作ったときの円程度には大きいから、取ったことははっきりとわかる。そのときも店の人はじっとそれを見ていたわけじゃないけど、黙認しているようだった。

これらの行為もやはりコーランの教え?

食事後、バナナと干しぶどうを買って宿に戻る。干しぶどうはおじいさんが風呂敷に山盛りにして売っていて、小さな缶詰の缶1缶いくらという具合で売っている。そのおじさんは薄い黄緑色のものと濃い青色のものを売っていたので、それぞれ半分ずつ買おうと思ったのだが、ちゃんとアラビア語が通じず、青い方だけおじさんは1缶分すくい、使い回しの黒のビニール袋に入れてぼくに手渡す。1缶300リアル(約150円)と予想以上に高かったが、まぁ、いいかと。その干しぶどうは種ありの干しぶどうで、味は変に甘すぎずよろし。

宿に戻ってまた書き物。

夜は同室の人に誘われて、別室の日本人旅行者と会わせて4人で食事に行く。近くによいフライドチキン屋があるらしい。

さてそこに行ってみたところ、同じ宿に泊まっている別の日本人旅行者がバラバラに来て、ほぼ全員集合状態になってしまった。店は通常より客の入りが良いようで、そのためか材料不足らしく、いつものような量ではなかったよう。お子様ランチで使うようなプラスチックのプレートにフライドチキンが2かけら、フライドポテト、チリソース、サラダが盛られて300リアル(約150円)。やっぱり目新しくない料理を食べるというのはおもしろみがない。
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食事後はバラバラ帰る。帰って後は書き物と同室の人がこれからアフリカに行くのでアフリカ情報の提供。

Fin

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