2011年2月6日日曜日

[diary]マシュハドからサラフスへ

マシュハドからサラフスへ

09/01/14(木) 晴れ
[Mashhad→Sarakhs:Iran]
レート(マシュハドの両替屋にて):1米ドル=10000リアル

・マシュハドのバスターミナルで寝る
・マシュハドからサラフスへバスで移動
・バスの中でパキスタン人と
・サラフスのまち

空港のようなマシュハドのバスターミナルの一画で寝ていた。屋内施設は24時間開いていて暖房も効いている。だからそこまで寒くはないのだが、横になっているベンチが金属製のためだろう、寝ていると時折冷たく感じて目が覚める。寝袋をベンチの上に敷いて寝ていたけれども寝袋自体が寒冷地用でないこともあり、ぐっすり眠ることはできない。

5時頃、ベンチが時折揺れ、足に何かあたるので、なんだ?と思い、足の方を見るとぼくが足を伸ばしていた先に一人若い男が寝ている。他にもベンチは空いているだろうに、なんでこんなスペースに入ってくるんだ? なんだか気になるので起きる。荷物を背負ってトイレへ。

トイレはきれいに掃除されていて、洗面所ではお湯もきちんと出る。さすが聖地のバスターミナルだ。

まだ夜は明けていないので、明るくなるまでベンチに座って待つ。そこへ昨晩尋問してきたひげの警備員(というか警官?)がやってきて、握手。彼は同僚2人を伴っていて、彼らにジャポネがどうのとぼくのことをしゃべる。そして”コジャー(どこ)?”とどこに行くのか聞いてきたので、”サラフス”とまた答える。すると、車を運転する仕草をする。他の仕草も含め判断すると、どうもサラフス行きのバスターミナルまで送ってくれると言っているらしい。それでしばらくここで待てというようなことを言って、どこかへか歩いていってしまう。

一旦トイレに行って戻ってきたが、彼らはいない。送ってくれるようだったが、彼らが信用できるかどうかはわからない。大丈夫そうなんだけど、相手が3人いるっていうのが気になるところ。

結局、7時近くになってすでに外も明るくなっているので、彼らを待つことなくターミナルを出る。今日は昨日と違って快晴。雪をかぶった山々が美しい。夜はずいぶん冷えていたようで、植え込みには霜が見え、水たまりには薄く氷が張っている。

ターミナルを出て、タクシーが行列を作っているところに行くと運転手等が声をかけてくる。サラフス行きのバスターミナルまでの運賃を聞くと「2ヘザール(トマンが省略されていて、額面は2万リアル)」と言う。昨日、ここのターミナルの人に聞いたときはここからタクシーで1万リアル(約100円)で行けると言っていたので、却下。するとすぐに15000リアルに落ちるが、やはり却下。バスで行くことにする。

市内バス乗り場に行ってチケット売場で「テルミナル サラフス?」と聞くと、窓口のおじさんは顔をしかめて”あっちだ”みたいな仕草をする。よく意味がわからない。

バスの運転手に聞いた方が早いかと思い、停まっていたバスの運転手に”テルミナル サラフス?”と聞くと乗れと言うような仕草をする。

バスのチケットを買っていなかったが、なぜかタダで乗せてくれる。バスはすぐに出発し、レザーシャーの霊廟方面に向けて走る。昨日乗ったバスでは右に曲がった交差点で左に曲がったので”ぼくの発音が悪くてテルミナル・サラフスと言葉が通じていなかったか”と心配になるが、急いでいるわけではないので、どうなるか待つ。

大回りしてレザーシャーの霊廟近くの通りまで来たとき、バスが止まり、運転手が降りるように合図する。そしてイラン語でなにやら後の方を指さして言う。

意味がわからなかったが、バスを降りる。バスの後の方を見ても代わりのバスがあるわけではなかった。まったく状況が理解できないので、もうタクシーに乗ってしまうことにする。

通りを走ってきたタクシーに右手で合図する。白髪交じりのおじさん。口元には髭。「テルミナル・サラフス」と言って、昨日バスターミナルの人にイラン語で書いてもらった文字を見せる。そして「チャンデ(いくら)?」と聞く。おじさんの言い値は15000リアル(約150円)。まぁいいかと思い、乗り込む。

昨日のバスが通った道とは違う道を走るので、大丈夫かなぁと思ったが、方向としては合っていたので到着を待つ。運転手が選んだ道は空いていて、車はすいすいと走る。正面には太陽。

10分ほどでテルミナル・サラフスに到着。近くまで来ると運転手のおじさんは「タクシー? アフトブス?」と聞いてきたので「アフトブス」と答えると、バスターミナルの入り口まで丁寧に乗せて行ってくれる。荷物を降ろし、15000リアル(約150円)を払い、「ヘイリー マムヌーン(ありがとう)」と言って別れる。

壁で囲まれたバスターミナル内の駐車場にはバスが10台ほど止まっていて、どれもおんぼろ。どのバスにも乗客は乗っておらず、エンジンもかかっていなかった。人が集まっているチケット売場らしいところへ行き、チケットを買う。

窓口の人に向かって「イェキ(=1) ビリェート(=切符) サラフス」と単語を並べる。それから「チャンデ(いくら)?」と値段を聞く。すると窓口のにいちゃんはピースサインをするので2万リアル(約200円)かと思い、2万リアルを渡す。窓口のにいちゃんは、ぼくに名前を聞いてきて、その名前をチケットに書き込む。

チケットをぼくに渡してから彼はお札を見せながら2000リアルはないかという仕草をするので、それを財布から取りだし渡すとお釣りをくれる。2万リアルかと思っていたが11000リアル(約110円)だった。

ぼくは出発時間を聞こうと時計を指さし、尋ねる。すると彼は”11”と紙に書いて見せる。

現在の時刻は7時40分。11時までにはまだ3時間以上ある。これなら何も急いで来る必要はなかったと思いながらベンチに腰掛ける。そして朝飯代わりに昨日買ったみかんを食べる。隣に座っていた女性は英語の学習本を開き、発音の練習をしているのかぶつぶつ言いながら、もくもくと勉強していた。

11時までどうするかなぁと思いながらみかんを食べていたら、1台のバスが動き出し、チケット売場近くのベンチに座って待っていた客たちが一斉にそのバスの方に向かって動き出す。

チケット売場近くのベンチが空いたのでそちらに移る。ドンとベンチに腰掛けたら、バスの方から運転手らしき人が「サラフス」と言いながら歩いてくる。あのバスはサラフス行きらしい。

乗り込んでしまえばこっちのものだと思い、その運転手らしき人にチケットを見せると一瞥して、バスの方に行くよう促す。乗れるらしい。

運転手らしいそのおじさんは、バスの荷台のドアを開け、そこにリュックを入れるように言う。荷台はまったく掃除されていないようで薄く土ぼこりが積もっている。ゲッと思いつつもリュックを入れる。

さてバスに乗り込もうかとしたらおじさんが、仕草で荷物台に5000リアル(約50円)よこせというようなことを言ってくる。イランで荷物代を請求されるなんてなかったので、「ノーノー」と言うとあっけなくおじさんは諦めた。

バスはほぼ満席状態。空いていた一番後ろから2番目の席に座る。と、座席が壊れているらしく、傾く。窓も掃除されていないため汚い。

座って待っていたら窓口でチケットを売っていたにいちゃんが乗り込んで来てチケットの確認などをしている。ゲッと思ったが、チェックされても何もなく、そのまま乗ることに。う~ん、あの”11”はなんだったのだろう? チケットにも”11 -”とあったからてっきり発車時刻と思っていたのだが、よくわからん。まぁいいや。

バスは8時過ぎに発車。やっぱりこれまで乗ってきたバスと比べると、外観がおんぼろなだけあって動きが硬い。

ぼくの隣には兵役中らしい若い男が座る。それでなにやら話しかけてくるのだがイラン語なのでよくわからない。そこへ後から英語で話しかけてくる人がいた。ヒゲモジャの男が2人。一人はイラン人っぽいが、一人はモンゴル系。二人とも英語が片言以上にできるので、おかしいなと思っていたら二人ともパキスタン人だった。

彼らは絨毯ビジネスでイランに来ているらしく、年齢は20代半ば。ぼくに近い方に座っていた人はいろいろ聞いてくる。何をしにイランに来ているのか? どこを旅行しているのか? 年齢は? 結婚は? 子どもは? いくつの言語を話せるか? などなど。

彼にいくつ言葉を話せるのか尋ねると4つと言う。パキスタンの言葉であるウルドゥー語、英語、イラン(ペルシャ)語、アラビア語、マレーシア・インドネシア語(これは1つとしてカウント)。

パキスタンでは学校では外国語は何を習うのか尋ねると英語とアラビア語だと言う。英語はほとんどの人が話せるらしいが、アラビア語はそうでもないらしい。

そんなことを話していたら、彼がまた質問してくる。よく聞き取れなかったので、聞き直すと彼の質問は日本は原爆をいくつ持っているのかという質問だった。この質問は初めて。なので日本は原爆を持っていないと伝える。”We don't have atomic bomb.”と英語で言ったのだが、”We”を主語にすると「日本は~」と日本語で答える場合とは違った印象を受ける。

彼はぼくの答えを聞いて、”それならアフガニスタンと同じだ、アフガニスタンも持っていない”と言う。

彼にパキスタンは原爆をいくつ持っているのかと尋ねると、彼は3つと言い、付け加えてイランは2つだと言う。イランて対外的には核兵器は持っていないって言ってるんじゃなかったっけ? と思うが、これは後で要チェック。

外の景色はうっすらと雪が積もっている農地あるいは草も大して生えていない原野が続く。意外にも山は見えない。高圧電線がずっと遠くまで続いている。

沿道に集落を見ることもほとんどない。

パキスタン人の二人は途中で降りる。道が枝分かれしているところだったが、辺り集落らしきものは見えなかった。

バスはまだまだ走る。

隣に座っていた男が、身振り手振りで日本のお金を見せて欲しいというようなことを言ってくる。見せると欲しがるだろうなと思いながら、持っていた硬貨を見せると案の定欲しがる。1円玉と50円玉、100円玉、500円玉を見せたのだが、50円玉が気に入ったらしくこれをくれというようなことを言い出す。これから先の旅先でも現地の人に見せるネタとして50円玉は取っておきたかったが、やけに熱心に欲しがるのでやることにする。

マシュハドを出てから約3時間たった11時すぎ、バスはサラフスに到着。

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