ダルエス着かず、きりん、ゾウ、シマウマなど(タンザン鉄道3日目)
08/09/14(日) 晴れ
[Zanbia→Tanzania]
・とろい列車
・国立公園、野焼き
・きりん、象、シマウマ
ザンビアのカピリムポシからタンザニアのダルエスサラームに向かうタンザン鉄道3日目。
車内で配られたブランケットにくるまって寝ていた。夜と朝方はやや冷える。
明るくなった6時すぎに起きだして、窓を開けて外を眺めてみる。なんだか景色が流れていく速度が遅い。体感時速では30km程度。山がちな地帯を走っており、線路もくねくねと曲がっている。眼下(進行方向左手)は急峻な谷になっている。地形的に厳しいところを走っているから遅いのだろうと思うのだが、それにしても遅すぎるように感じる。
地図を取り出し、現在地を確認してみる。地形と線路の曲がりくねりや昨日通った駅などからおおよその位置は見当がついたのだが、もしこれが当たっているとすれば今日中にはとてもダルエスサラームに着きそうにない位置にいる。まさかと思いながら地図をおく。
時刻表では目的地のダルエスサラームには今日の9時頃に着くとあった。どうせ遅れるであろうことは計算に入れていたのだが、それにしたってせいぜい数時間程度、遅くとも今日の夕方くらいまでには着くだろうと、根拠はないのだが思っていた。昨日も地図で居場所を確認し、遅れていることはわかっていたのだが、一晩経てばけっこう近くまで行けるかもしれない、などと淡い期待を持っていた。が、どう見ても今日中にはとても着きそうにない位置にいる。
とは言え、ぼくの見込みが外れている場合もあるし、これからギューンと加速して目的地に着いてしまうようなこともなきにしもあらずだから、今日中には着くであろうという希望は捨てずにいることにした。
昨日同様、外を眺めることに時間を費やす。
停車した駅ではこれまでと同じように乗客をあてにした物売りの人たちが窓下にやってくる。アジ程度の大きさの焼き魚を売っている人がいたので、2尾買う。なかなかうまい。
そのほかバナナやトマト、鶏の唐揚げなどを売る人がまわってくる。バナナは一房なんてケチな量だけでなく、一軸とでも言うのだろうか、房がたわわにぶらさがっている軸(木で言えば枝というか幹というか)ごと売り歩いている人もいる。重さで言うとおそらく20kgくらいはありそう。どれも緑色をしているから調理用のバナナなのだろう。
売り子の人は鮮やかなアフリカンデザインの腰巻き式のロングスカートをはいた女性から、Tシャツにジーンズ姿の10才に満たない男の子まで年齢層は広い。
途中、沿線に見える集落の中には、草(藁?)葺きの屋根に木造の家ばかりが並ぶ集落もあれば、ブロックや煉瓦を積み上げてトタン屋根にしている家が並ぶところもあり。
鬱蒼とした熱帯雨林などは見えず、サバンナ的な草がさらさらした風景が多い。川があればそこで泳いで遊んでいる子どもたちや洗濯をしている女性の姿を見たりする。
外の景色を眺めているうちにあっと言う間に昼は過ぎる。
午後になって草っぱらに木がポツポツ生えているという典型的なサバンナ地帯に入る。どうも国立公園に入ったらしい。同室のおじさんや若い男も窓際に座って動物探しが始まる。
そこへシマウマを発見。あっと言う間に見えなくなる。おじさんは部屋の窓から進行方向左手を見張り、ぼくは通路の窓から進行方向右手を見張る。それで何か見つけたときには教えあうのだが、その声を聞いて窓辺に行ったときにはすでに遠くに小さな姿が見えるだけということもしばしば。なので右の窓から見るか左の窓から見るかが重要な別れ道になる。
最初は左手の方が比較的よく見れた。シマウマや鹿みたいな生き物などはわりと見ることができる。と言っても20~30分くらいに何かの動物1群(だいたい数頭)を見るといった程度。
ぼくは右手の窓をずっと張っていたのだが、ときどき食べられた残骸なのか、何かの動物の頭骸骨や大腿骨らしき太い骨が転がっているのを見る。
公園内では野焼きもやっていて、一部では煙がもうもうと立っていた。
最初のうちはおじさんは何か見つけると呼んでくれたのだが、そのうち飽きたのか教えてくれなくなる。ふとおじさんの方の窓を見たときキリンが数頭歩いているのを見たが、おじさんはこちらにはまったく教えてくれず。
しばらく何の動物も見えない時間があった。もう日もだいぶ傾いてきていたから動物もどっか寝場所にいったのかと思っていたところへ、象を発見。列車に驚いたらしく尻をこちらに向けてドタドタと走って逃げていく後ろ姿だけが見えた。キリンはときどき見える。やっぱり首が長い。キリンが走る姿も見たが、これが意外に速かった。ライオンの類はまったく見ることはなし。
そうして動物ウォッチングをしているうちに暗くなる。
夕方になってもダルエスサラームには着かず。暗くなると外には何も見えなくなるので、ベッドで横になり、到着を待つ。そのうち居眠り。寝てしまう。
Fin
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