2009年10月20日火曜日

[diary]タイズをぶらり

タイズをぶらり

08/10/23(木) 晴れ
[Taizu:Yemen]
※レート:1米ドル=200イエメンレアル、1ユーロ=270イエメンレアル

目が覚めたのは明け方の5時。しばらく部屋で書き物をする。

10時ごろ、宿を出て、宿前の細い路地を下っていき、幹線道路に出る。角を左に折れて街中の方へと歩く。まだ開店時間には早いようで通り沿いにある店は閉まったまま。

辺りを見渡せばここタイズの中心部はちょっとした谷間になっていることがわかる。小高い山に挟まれているのだが、いずれも緑はなく地肌がむき出しになっている。人家はその山の中腹辺りまで建っている。サナアの旧市街と同じく建物の色はほとんど同じだから統一感はあるが、ところどころ瓦礫となっているところもあってなんだか全体的にまちが老朽化しているように見えてしまう。

15分ほど坂を下っていくと中心部に出た。分厚い鉄板で作られた店の扉がところどころ開いている。靴屋や女性向けの服屋、アクセサリー屋や日用品店などが隙間なく軒を連ねている。そうした店に加えて露店も路上に姿を見るようになる。こちらもまだ商売の時間ではないようで、まだブルーシートに覆われている。

そこから100mほど歩くと門にたどり着いた。年季の入った壊れかけの門。これがスーク(市場)の入り口らしい。
From yemen2


さすがにスークだけあって、ここらは人でいっぱい。頭にターバン、上はジャケットで下は足首まである腰巻というスタイルのおじさんやジーパンにシャツという日本と変わらない格好をした若い男たち、それから頭の先から足元まで黒のアバヤで覆った女性たちが各々買い物に精を出している。

売られているのはバナナやブドウなどの果物のほか、チーズやパン、服、ターバン、調味料、香辛料などとにかくいろいろ。
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例のごとくスークの中の道はくねくねと曲がっており、どこがどうつながっているのかわからない。先が見えない道を歩くのは楽しいので、入り組んだ道をふらふらと歩いてまわる。細い路地にはパン焼き工房や小さな食堂があったり、ブリキのような金属を使った加工屋などもあったりする。

ガイドブックによればスークの西側の山の上の方に城のような建物があるらしい。高いところからまちを眺めるのも乙かと思い、スークを離れて適当に坂道を登っていく。あたりはまったくの住宅街で四角い家が沿道に並んでいる。道幅は3mほど。車やバイクが行き交う。歩いてると小学生くらいの子どもたちと遭遇。カメラを手に持っていたからか「スーラー」と写真をせがまれたので写真撮影。写真を撮ると子どもたちは散っていく。
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まちが一望できる程度の高さまで上ってきたものの、目的の城とやらはどこにあるかさっぱりわからない。まぁ、特に行きたかったというわけでもないので城はやめてしばらくまちを見下ろしたら、また適当に歩いて街の方へと下る。
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街へと下ってから乗り合いタクシーの乗り場を探しに行く。明日はモカコーヒーの名前の由来でもあるモカのまちに行くつもりなので、そこへ行くタクシーを今日のうちに見つけておかなければいけない。

ガイドブックに大まかな乗り場までの行き方は乗っていたので、それに従って探す。まずは幹線道路に出て道行くライトバン型のミニバスを捕まえる。乗り込む前にモカに行きたいんだが、と片言アラビア語で伝える。乗れという合図があったミニバスに乗り込む。

ミニバスは下り道を行く。しばらく乗ると沿道が賑やかになる。小さな市場のようになっている場所があり、そこは人でいっぱい。その様子を車窓から眺めていたら、そこを通り過ぎてから1分ほどでミニバスは停車。ここが終点らしい。運転手にモカ行きのタクシー乗り場を聞くと、あそこだと指差して教えてくれる。運賃を払おうとしたら、なぜか一緒に乗っていた客がぼくのぶんも出してくれる。これでバス代をごちになるのは2度目。ありがたや。

と、突然雨が降り出す。それほど強くはないが小雨というには大粒の雨。すぐにびしょ濡れになるというほどではなかったので、そのまま歩いてタクシー乗り場の方へと行く。そこには路肩にセダンタイプの車が数台停まっていて、運転手らしきおじさんたちが手持ち無沙汰そうにあたりでおしゃべりしていたりする。車に近づいていくと一人のおじさんがやってきたので、その人にモカに行きたいのだがとまた片言アラビア語で聞く。するとここではなかったらしく、あっちに行けと指差して教えてくれる。

指差した方は道路を挟んで反対側。そこにも同じように車が停まっていた。そこに行ってみるが、今度は運転手らしき人がいない。しょうがないのですぐ目の前にあった食堂の人にモカに行きたいんだがと伝えると、その車だ、と言うように指さす。

あたりを見回しているとしばらくして一人のおじさんがやってくる。「モカ?」と車を指差しながらおじさんに聞くと、そうだと言うように頷く。そして、乗れというような仕草をする。ぼくはそれを遮って明日行くんだと伝え、運賃がいくらかだけを聞く。おじさんによればモカまでは500レアル(約220円)で行けるらしい。

とりあえず用事は済んだので、近所で腹ごしらえ。路上で鶏モツを売っている露店やきゅうりを売っている露店があったので、そこでちょっとつまみ食い。鶏モツは例のように茹で上がったレバーや心臓や砂肝などが平皿にざっくばらんに置かれており、それを唐辛子などが入っている香辛料の粉につけて食べる。代金は後払いの自己申告制。1粒50レアル(約25円)程度。それからきゅうりは、直径3~5cmくらいある太目のものが売られていた。皮は適当に削られており、縦に従事に切れ目が入れられた状態で、塩水らしきものがかかっている。15cmほどの長さのものが一本20レアル(約10円)だった。
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またミニバスに乗って中心部へ戻る。ミニバス代は20レアル(約10円)。適当なところで降りたら、そこの路上でスイカを切り売りしているおじさんがいたのでスイカをくらふ。スイカは細い切れ端が1つ10レアル(約5円)。そこから歩いてさっきも行った市場にまた行く。

歩いていたらだんだんと道路に水が増えてくる。さっきの雨はたいして強くなかったのだが、排水路がきちんとできていないのか、車道と歩道の段差の部分に水が集まり、一筋の流れを作ってしまっている。当然、路上で商売している人はやりにくい。ある人はズボンの、というか、腰巻のすそをすねくらいまで上げた格好で商売している。また歩道にまで商品を張り出して陳列している店がわりと多いのだが、こうした店もビニールシートみたいなものをかけたりして、商品がぬれるのを防いでいる。

お昼も近くなってきたので、適当に通りがかった店で昼飯にする。昼飯は細長い長粒米の米とあまり辛くないカレーのようなものを食べる。御代は200レアル(約100円)。お店はけっこう繁盛していて人がひっきりなしに入る。
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それからまた市場周辺をふらふら歩く。歩いていたら「Hello!」と声をかけて人がちらほら。もちろん声をかけてくるのは男ばかりである。

適当なところで宿へと向かう。

それから、モカに行った後、明後日にはここからアデンに行く予定なのでアデン行きのバスが出ている場所を探しに行く。これもガイドブックを参照しながら探す。意外に宿から近いところにバス乗り場とタクシー乗り場がったので、そこでそれぞれ料金を聞く。料金は大差がない。ただバスの方が出発時間が決まっているし、車内は禁煙だから気持ちよく予定をたてて移動することができる。問題は本数が少ないことだが、とりあえずはバスで行くことを前提に予定を立てることにする。

その後、近所のネット屋でネットを見たり、あたりをふらついてから宿に戻る。そして明日モカに行く準備をしてから就寝。

Fin

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