2009年10月8日木曜日

[diary]ホデイダからタイズへ

ホデイダからタイズへ

08/10/22(水) 晴れ
[Hodeidah→Taizu:Yemen]
※レート:1米ドル=200イエメンレアル、1ユーロ=270イエメンレアル

・魚市場へ
・ホデイダの旧市街
・ホデイダからタイズへ

6時前に起床。エアコンもあったが、扇風機だけで十分涼しかった。昨晩洗濯した靴下などもちゃんと乾いている。

7時前に宿を出て魚市場を見に行く。ある情報では6時頃行くのがベストとあったのだが、そこまでの気力はなかった。

宿の裏手の通りには大きな布地をすっぱりかぶって寝ている人が10人ほど。まだ開いていない商店街を歩き、紅海を目指す。7時になったばかりというのに、いくつかの食堂的カフェは開いていて例の揚げパンのようなものを揚げている。そうしたパンとチャイを食べている人たちの姿も多い。ちなみに男ばかり。

登校中の子どもたちは、ぼくを見つけるとしばらくこちらを凝視しながら歩く。みな制服を来ていて、女の子は黒ではなく、地味なカーキ色のブルカを来ている。小さな女の子(6~8歳)は髪の毛を出している子も多い。『歩き方』にはここでは色鮮やかな民族衣装がみれるなんてあったが、そんなものを着ている人は見ない。サナアと同じく黒のブルカを頭から足の先まで着ている人の方が多い。

魚市場には20分ほどで到着。アラビア語に並んで英語でそれと書いている看板が入り口の門の脇にあり、通りを挟んで向かいは露店街になっていた。

門を入ると右手奥に屋根が見える。まずはそちらに行く。屋根の下はコンクリートの打ちっ放しの床。排水設備は整備されていて、わりと清潔だった。さすがにピークは過ぎたのか思ったよりも人も魚も少ない。

プラスチックケースに魚が陳列され、一部では大勢が集まり、品の競り合い、取り合いになっている。が、全体的には落ち着いた雰囲気。ここでも親がここにいるのか、少年たちが働いていて、魚を運んだりしていた。
送信者 yemen


鰯やあじらしき魚、飛び魚のような細長い魚、かつおなどいわゆる光もの系が多い。一部赤鯛のような魚もあり。エイやヒラメのような平べったくでかい魚もあり。さらに鮫も。頭がT字になっている鮫も1匹(尾?)売られていた。
From yemen2


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貝や蟹、いか、タコは屋根の下では見ることはなかったが、いかは屋根の外で一人のおじさんだけが売っていた。おじさんの手は墨で真っ黒。
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市場を歩いているとどこから来たのかとアラビア語で聞かれる。5~6人の人に聞かれる。この地の観光地ということでか、すぐに日本人とわかる人もいたが、基本的には中国人か韓国人かと聞かれ、日本人だというと珍しそうな反応をする人が多かった。

敷地の一角にはバラック的な食堂があり、そこで魚をさばいていたので魚が食べられるかと思い、店主に聞いてみたがまだ準備中のようで食べることはできず。

市場の脇では揚げ物を売っているおじさんたちがいたので、朝飯代わりに食べてみる。一つはお好み焼き的なものでニラが混ざった揚げ物。1つは小さなジャガイモを揚げたもので、なぜかこれの”がわ”は赤かった。それぞれ揚げ物は1個10リアル(約5円)。大きさは親指と人差し指で円を作った程度と小さい。タレが3種類ほど用意されているのでそれに浸けて食べる。まぁまぁうまい。

食べていたら英語のできるおじさんが話しかけてくる。日本から来たというと日本人は「goo」だと言う。さらにぼくが揚げ物をパクパク食べているのを見て、油ものだし、タレは辛いから朝食としてはあまり腹によくないから食べるならちょっとだけにした方がいいと忠告してくる。

計6個食べて腰を上げるとそのおじさんは飲み物がいるだろうと自分の屋台に行き、飲み物を売りつけようとするので、「ラー、ラー(No,no)」と言って断る。

魚が食べてみたかったので、市場を出て向かいにあった食堂に行ってみる。店の人は冷蔵庫を見せ、どの魚がいいかと言ってくる。赤鯛のようなものを指さすと700リアル(約350円)だというので、やめ石鯛のような冴えない色の魚500リアル(約250円)を頼む。

しばらくして料理が運ばれてくる。出てきたのは焼き魚とホブズ(ナンのようなパン)だけ。魚は唐辛子ソースを塗って焼かれたようで赤みがかっている。鱗も取らずに焼いており、皮は黒こげ。身を食べてみるが、可もなく不可もなく。ホブズは直径60cm以上あってでかい。焼きたてはうまいのだが、冷えると堅くなってあまりよろしくない。
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ホブズ代込みで500リアルかと思っていたところ、代金を払うときにホブズ代として70リアル(約30円)徴収される。やっぱり魚は高い。

その後、旧市街をふらつきながら帰る。サナアと違ってコンクリート作りの味気ない建物が多い。が、通りは入り組んでいて、これはアラビア的。

ここでもやはり小さな子どもたちがぼくを見つけると、いったんは逃げ、友達を呼んでもう一度見に来る。

街角の写真を撮っていたら6歳前後の少年3人が「スーラ」と言って写真をせがんでくるので記念撮影。さらに一緒にあるいていた姉弟も最初は断ったのだが、その様子を見てか、撮ってほしいというので記念撮影。
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さらに途中で出会ったおじさん(60代後半)も撮ってくれというので、子どもらと一緒に撮影。

子どもらと別れて歩いていたら、後ろから来た若い男が声をかけてきて、アラビア語で何か言いながら自分が持っていた三角包みの揚げ物を1個くれる。じゃがいもとキャベツを炒めたものが入っていてなかなかうまい。イエメンではこうした通りすがりに何かをもらうということが多い。初日にはジュースを2杯おごってもらったし、昨日は同じ車に乗っていた人にチャイをもらったし、今日はこれだし。

歩いていたらミニマーケットのような広場にでる。
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そこでスモークチーズをおじさんが売っていたので、1かけら買う。20リアル(約10円)。見た目は外側がスモークチーズそのものの色で内側はカマンベール的。さっそく食べて見ると、水気が多く、口の中に水分があふれる。しかも、めちゃくちゃ塩辛い。塩辛並みにからい。思わず顔をしかめる。これはパンか何かと食べないと、とてもじゃないがチーズだけで食べるには塩分がきつすぎる。
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商店街を抜け、スーパーで水を買う。レジにいた商店主らしい男性はぼくに出身を英語で聞いてくる。日本人だと応えると日本人は「good」だと言う。聞くとここでは中国人、韓国人、フィリピン人、インド人(たくさんいる)は見るが日本人は見ないと言う。そして、この店に来た日本人はぼくが初めてだと言う。それからぼくに名前を聞いてきて、さらに自分の名前を名乗る。彼の名前はモハメッド。モハメッドという名前の男は、イエメンに来てからもう3人目くらいになる。

それから宿に戻り、12時まで昼寝をしたりして過ごす。

12時に宿をチェックアウトし、バス会社へ移動。待っている間ちょっとだけ『コーラン』を読む。ここでもおじさん2人が話しかけてくる。アラビア語なので出身の話くらいしかわからない。アラビア語ができればきっとイエメンはもっと面白いだろうに、とどこででも思うことをまた思う。

バスは13時と聞いていたのだが、実際に出発したのは13時半頃。座席は勝手に座っていいスタイル。眠くなり寝てしまう。

目が覚めるとだだっ広い平地をバスは走っていた。土漠のような木がちょろちょろっと生えている以外は不毛の大地。かと思うと突然何か穀物らしきものが植わっている畑が現れる。この水の少ない地域で長年農業を続けてきた技術の中にはアフリカでも使える技術があるのではとふと思う。

やがて山肌を露出した峻険な山々が左手に現れ、さらに行くと両脇が山になる。
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車内ではエジプト映画(と思われる)が上映されているのだが、これがエジプトと中国を舞台にしたドタバタのコメディ。鞭髪(べんぱつ:漢字が違うような)の髪型をしたカンフー使いが出てきたりする。

途中、いくつかの町や集落を経由して17時頃、目的地のタイズに到着。バス自体はまだ先のアデン行きだったため、ここで降りたのはぼくを含め2人だけ。しかも、自分で気づかなければ乗り過ごすところだった。大きなまちに入ったなと思ったので、隣のおじさんに「タイズ?」と聞いたところそこだと判明。運転手にも添乗員にも最初に荷物を預けるときにタイズだと伝えていたのだが、まったく覚えていなかった。

さて、バスを降りたのだが、バスはターミナルなどではなく、ただの道ばたで停まったので、ここが町のどのへんなのかわからない。あたりの雰囲気から中心部ではないことは確か。すぐ近くに新しそうなホテルがあったので、とりあえずそこに行ってみる。値段を聞くと1泊2000リアル(約1000円)。1泊だけなら泊まるのだが、ここには3泊ほどの予定なので、もっと安いところがいい。

道路にかかる看板はアラビア文字オンリーなので、ガイドブックの地図と照らし合わせることもできない。しょうがないので、だいたいの勘で安宿があるという方向に向かって歩く。

大きな通りまで行き、その通り沿いに歩く。その通りは交通量も多く、店も建ち並んでおり、幹線道路であることは間違いなかった。とりあえず地図にあるスーク(市場)に行こうと人にスークの方向を聞いて、そちらの方面に歩く。

タイズは標高が高いのでホデイダのように暑くはないのだが、一方で坂が多い。おかげで20分も歩けば汗が滴り落ちてくる。スークもなかなか現れない。

そこへまたひとつホテルがあったので、そこに入って値段を聞く。1泊3000リアル(約1500円)。さっきより高い。断り出ようとしたらいくらなら出せるかというので1500リアル(約800円)と言うと、部屋を案内してくれる。なんとエレベーターがあり、それで3階に行く。部屋に入ってみると、どうもリニューアル中の部屋でベッドは木の外枠だけで布団がない。テレビがないのはいいとしてもベッドに布団がないのはちょっとなぁ。寝袋があるからそれを使う手もあるが、それだとすれば1500は高い。ってなことで、結局、ここも却下。

さらに歩く。上り坂を前傾姿勢になりながら上る。だんだん日が暮れてくる。未だに地図上のどこにいるのかがわからない。当てもなく、とにかく歩いているとイエメニア航空を発見!たしかこれは地図に載っていたと思い、見てみると安宿街はすぐ近くだと判明。そこから歩いて5分足らずで目的の宿に到着。フロントに行くと、なぜか非常に歓待してくれる。英語は通じなかったが、2つのベッドがある部屋で1000リアル(約500円)だと言う。扇風機などはないが、トイレ、シャワー、テレビ付き。窓もあるのでそれで手を打つ。

パスポートを一時取られ、彼らはデータページとイエメンビザのページをコピーして後、返してくれる。

荷物を置いて外にでる。宿のあたりも商店街になっていて、服屋や電話屋、食料雑貨屋、八百屋などがあった。イエメニアがあった大きいとおりまで行くとネット屋も3軒ほどあり。食堂も10軒ほどあったので、そのうち声をかけてきた店で飯を食う。豆の煮込みとホブズで200リアル(約100円)。イエメンでは最安値の食事となる。それにしても魚がつくとこの3倍にもなるなんて、ぼられているようにしか思えない。
From yemen2


8時を過ぎても店は開いていて、人通りも多い。帰り道、みかんを売っていた若い男からみかんを買う。夏みかんのようなもの2個で150リアル(約80円)。輸入品だからなのか高いような気がする。

宿に戻ってからはのんびりして寝る。

Fin

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