2009年7月1日水曜日

[diary]ムワンザからルワンダ、雨のキガリへ

ムワンザからルワンダ、雨のキガリへ

08/09/23(火) 晴れのち曇り、雨
[Mwanza:Tanzania→Kigali:Rwanda]
※レート:1米ドル=1150タンザニアシリング
※レート:1米ドル=550ルワンダフラン

・明朝に出発
・ビクトリア湖を越えて
・窮屈なバス
・ルワンダ入国
・懐かしい風景、千の丘の国
・雨のキガリ、宿探し

ルワンダ国境方面行きのバスは朝が早いからと前日からバスに乗り込み、バスの中で夜を明かす。車内はたいして暑くはなかったのだが、蚊がうるさく、何度か目を覚ます。刺されもした。

まだ日が昇っていない5時ごろ、まわりがバタバタとうるさくなる。座席に横たえていた体を起こし、状況確認。どうやら客がどんどん乗り込んできているようだった。座席はすでに取っているから座れない心配はないんだけど、リュックも持ち込んでいたからそれが邪魔だった。なので運転手らしき男に声をかけ、荷物はどうしたらいいか聞くとそのまま持っていろと言う。ぼくのリュックは小学3年生くらいの子と同じくらいの丈と重さがあるからそれを置いているだけで1人分の座席を占領してしまうことになる。網棚にでも上げることができればいいのだが、あいにく幅がありすぎて網棚に乗らない。車内がガラガラならば隣の座席においていてもいいのだろうが、次から次へと人が大きな荷物とともに乗り込んでくるからそうするわけにもいかない。しょうがないから前に抱えて座ってみたが、これは脚に負担がかかっていまいち。なのでリュックを背負ったままのスタイルで座席に座ってみると、こちらのほうが楽。だが当然リュックが座席の面積のほとんどを占めてしまうので、尻を乗せられるのは前部の10cmほどしかないためバランスが悪い。幸いなことにとでも言うのだろうか、このバスの座席の間隔は狭く、リュックを背負った状態で椅子に座ると膝小僧が前の座席の背中にあたってしまう。おかげで前にズルズルずれるのを膝で止めることができる。傍(はた)から見れば前の座席にピタッとくっついているように見えるだろうが、リュックに背中を押されながら膝で後方へと押し返すことでバランスが取れるというような状態で座ることができた。

バスは客を満載したところで発車。外はまだ暗い。どうもバスの荷台は使えないようで乗客はみな荷物を車内に持ち込んでいる。当然大きな荷物は置くところがないから通路にあふれ、さらに人も座席以上に乗せるから荷物同様通路にあふれ、荷物の上に座ることになる。

バスは舗装された道を走る。そのうちだんだんと外が明るくなる。

1時間ほど走ったところでバスはスピードを落とす。休憩かと思って前方を見たらフロントガラスの向こうには湖。道は途切れている。その代わりフェリーが泊まっていて、どうもそれに乗り込むらしい。アルゼンチンのマゼラン海峡のようにバスごと乗り込むのではなく、人はひとまずバスから降りるが同じフェリーに人もバスも乗って湖を渡るという手順になっていた。湖手前で乗客はみなバスから降りて、歩いてフェリーに乗り込む。時刻は6時半過ぎ。乗船が完了すると船は離岸。客のほとんどは船前方の甲板にあるベンチに腰をかけて外を眺めたり、ビスケットなどをつまんだり、おしゃべりしたりしている。ちょうど湖面から陽が昇ったばかりで朝の日を浴びるのが心地よかった。

この湖は広い。端がどこなのか見えない。湖には丸木舟で移動している人や網を使って魚を取っている人たちを少しだが見る。30分ほど船でのゆったりした移動を楽しむ。

着岸してバスに乗り込むと窮屈な時間が再び始まる。けっこうきつい体勢で座っているにもかかわらず、眠ることはできてときどきうとうとと眠くなり、寝込んでしまう。今回は舗装された道ばかりを走っているからこの間みたいに砂が車内に舞い込んでくるということがない。

バスは休憩なしでがんがん走る。昼を過ぎるとお客が降りることがときどきあり、そのときは集落のバスターミナルなどで止まる。

そろそろルワンダ国境に近いんじゃないかと思いながらもどこで降りればいいかは自分で判断つかない。あたりは林や畑ばかり。

14時半ごろ、沿道に平屋の商店などが10軒ほど並んでいるところに差しかかる。同じバスに乗っていた白人カップルが降りる準備を始めたからもしかしたらここがルワンダ国境に近い村かと思い、周りの人に尋ねる。すると隣のおばちゃんがここだと教えてくれる。通路も荷物や人でいっぱいだからバスから降りるのに一苦労。なんとか降りるとすぐにタクシーが待ち構えていて、国境に行くのかと尋ねてくる。ちょうどバスから降りた人が数人おり、その人たちも国境に向かうふうだったのでその人らと一緒にタクシーに乗る。運賃は事前に尋ねたところ3000シリング(約300円)。けっこう高いけど、まぁいいかと思い乗り込む。

タクシーは舗装されている道をかっとばす。あたりはこんもりとした山と林。

国境までは30分ほどかかった。予想よりも遠かったので3000シリングもありかと考え直す。国境についてタクシーを降りたところで支払いをし、国境のイミグレに向かう。あたりは山ばかり。人気のあまりない国境で今一緒に乗ってきた人以外でこの国境を通っている人はいない。車やトラックも見ない。

まずはタンザニアの出国手続き。出国カードを書き込んでパスポートと一緒に提出。数分で終わる。

そこから大きくカーブしている道を歩き、ルワンダ側のイミグレに向かう。途中、短い橋があり、左手奥には幅はないが水量たっぷりの迫力ある滝があった。滝の底は水しぶきに煙って見えない。

カーブを左に曲がって上り坂を歩いていくと上りきったところにルワンダのイミグレがあった。ルワンダもビザが必要なので、ここでビザを買う。ビザ代がなかなか高く60米ドル(約6000円)もする。ちなみに米ドル払い。6日間の宿代相当だから旅行者によってはビザ代を理由にルワンダを避けたという人もいた。ビザを取得するための用紙を記入し、入国カードも書いてパスポートと一緒に提出。こちらもすんなりと手続きは済む。ここから首都のキガリに行くバスはないかと係官に聞いたら、その先でバスに乗れると教えてくれる。

係官が言ったとおりイミグレの建物から50mほど向こうに歩いたところに大型ワゴンのバスが止まっていた。運賃を聞くとキガリまで2000ルワンダフラン(約400円)と言う。バスを降りてから国境まで300円もしたのに、こっちはずいぶん安い。それに車体も車内もきれいで乗り心地が良さそう。ルワンダフランは持っていなかったので、とりあえず座席だけ確保して、出発までにはまだ間があるというので両替しに行く。国境の両替屋でタンザニアシリングを両替。両替したお金で運賃を払う。こちらは前払い。

ルワンダフランも手に入ったし、朝から何も食べていないので何か食い物がないかと辺りを見渡すが、物売りが一人もいない。珍しい。まぁ、移動の途中でどっかに止まればそのときに物売りの人が来て何か買えるだろうと思い、とりあえず辛抱する。

16時前にバスは出発。どれくらい標高があるのかわからないが、窓からの景色はなかなかいい。千の丘の国とルワンダは呼ばれたりするようだが、まったくその通りでこんもり低い山や丘がいくつも連なっている。さらに目を引いたのが、それぞれの丘にきれいに畑が作られていること。どの畑も一枚一枚の面積は小さい。しかし、よく手入れされている。日本の山間部の景色によく似ているのに驚く。

車は快調に舗装道を走る。沿道には土壁にトタン屋根の家やコンクリート壁にトタン屋根、レンガ壁にトタン屋根の家などが見える。また一部ではテントを見る。難民か何かなのだろうか?

途中、乗客を乗せたり下ろしたりするためにいくつかのまちでバスは止まったのだが、不思議なことにバスの乗客を狙った物売りがいない。おかげでこちらは食べ物を何か買いたかったのだが買えず。

地図で見る限りではこの国はとても小さい国だから国境からキガリまでもそうたいして時間はかからないだろうと見ていた。明るいうちにキガリに着けるのではと期待していたのだが、18時を過ぎても着く気配がない。車は何度も上り下りを繰り返す。

淡い期待もむなしく日は暮れてしまい、しばらくすると前方にビルなどが建て込み明かりがついている地帯が見えてくる。フロントガラスには雨粒が落ちてくるようになり、そのうち強い雨になる。

坂を下ったらキガリの中心部だった。近代的なビルがちょこちょこ見える。雨合羽を着たバイクタクシーがバンバン走り、道を走る乗用車の数も格段に増える。

バスは中心部に入り、また坂道を登って縦横に走っている道をちょこまかと走り、終点のバスターミナルにようやく着く。移動日に雨なんて最悪だと思いながら、リュックに雨よけカバーをかけ、とりあえず辺りをふらつく。どこに着いたのかよくわからないので、バスが通ってきた道と人の流れを見ながら商店が集まっている中心部にいく。もう20時近くだから中心部の店は閉まっているのではないかと思っていたが、意外にどの店も開いていて買い物客も多い。ルワンダには安宿はないと聞いていて、実際ガイドブックに載っているのものも1500円以上するところばかり。地元の人は安いところを知っているかもしれないと適当に店で聞いたりするが、意外とみな知らない。しょうがないのでタクシーに聞いてみると安いところはあるという。なので乗せていってもらったら20米ドル以上もしたので却下。時間も時間だし、雨も降っているので安宿探しはあきらめガイドブックに載っている中で一番安い宿に向かう。

中心部からタクシーで5分ほど。あたりにはあまり店がない。ホテルのフロントを見る限りではちょっと高級そうだったが、とりあえず1泊だけでもと思い、ここに宿を取ることにする。タクシーから荷物をおろし、タクシー代を払う。タクシー代は2箇所回ったからと3500ルワンダフラン(約700円)もとられる。

フロントで一番安い部屋に泊まりたいというと、別館に連れて行かれる。別館は本館から30mほど離れていてまったく別のところにあった。こちらはモーテルのような作りの宿で、駐車場に面して部屋が数部屋あるだけ。部屋の内部は10畳ほどあり、けっこう広い。トイレ・シャワーつき。だが建物自体はちょっと古くなっていて、フロントも何もないのでセキュリティ面ではちょっと不安な点あり。

部屋に荷物を置いて、まずは食料を買いに行く。近くには安食堂がなかったので、食料品店でパンや牛乳などを買って部屋で食べる。買い物に行った店の店主は中国人で、どこから来たのかなどと英語で尋ねてきた。さびしい夕食をとった後、シャワーを浴び、濡れたカバーや靴などを早く乾くように部屋の中に干してから就寝。静かな夜だった。

FIN

1 件のコメント:

アンネのバラ友 さんのコメント...

アンネのバラ友です。

小学三年生程度の大きさの荷物を背中に、バス座席での移動、なかなか大変でしたね。

フェリーに乗って湖を渡るところの描写はいいですね。湖面から陽が昇ったばかりで朝の日を浴びるのが心地よかった。写真がありますか。
 湖には丸木舟で移動している人や網を使って魚を取っている人たちを少しだが見る。30分ほど船でのゆったりした移動。いいですね。

ルワンダのビザ代が60米ドル(約6000円)。確かに高いですね。6日間の宿代相当とは!

窓からの景色。「千の丘の国とルワンダは呼ばれたりする」日本の山間部の景色によく似ているのに驚く。
*写真がありますか。