2011年1月4日火曜日

[diary]アレッポからイスタンブールへ(1日目)

アレッポからイスタンブールへ(1日目)

2008/11/30(日) 晴れ
[Aleppo:Syria→Turky]
※レート:1米ドル=47シリアポンド、1ユーロ=59シリアポンド

・郵便局
・バスでイスタンブールへ
・トルコ入国に2時間半
・立派なオトガル
・メルセデスベンツと香水サービス

夜中、寒くて目が覚める。半袖Tシャツに薄手のブランケット一枚という装備で寝ていたのだが、足先が冷えて眠れない。前回泊まったときはこんなに寒くなかったのに、今晩が寒いだけなのか、それとも部屋がまずいのか。結局、その後熟睡できずに朝を迎える。

明るくなって見ると同室の人はどこかからか毛布を調達してきていて、それにくるまって寝ていた。

8時過ぎに荷物を積めた段ボール箱を持って郵便局に行く。シリアから出すと安いと聞いていたので行ってみたのだが小包約9kgで約80米ドルは、別に安くはない。平均的。船便にしようかと思ったら船便はないと言われる。さらに窓口の男性は、あとから来た客が何か尋ねるとそちらの対応ばかりしていて、こちらの手続きが進まない。たいして安くないし、この職員に付き合っていると1時間はかかりそうだったのでここから送ることはやめる。

荷物を持ち帰って、またリュックの詰め直し。やれやれ。

9時半頃、イスタンブール行きのバスチケットを買いに行くが、バス会社のオフィスはまだ開いておらず、無駄足となる。さらに荷物の輸送代として両替していたシリアポンドが余ることになったので、これを再度米ドルに両替しに行くが、やはり両替屋もまだ開いておらず無駄足に終わる。

11時前にまたイスタンブール行きのバスチケットを買いに行く。2500シリアポンド(約5300円)。

それから再度両替屋に行く。米ドルの買値は47.15シリアポンド。

やっと出発に当たっての準備が終わる。宿に戻ってしばらく書き物。

12時前に宿を出てバス会社のオフィスに移動する。そこで『コーラン』を読みながら発車を待つ。30分ほど待った頃、バスに案内される。案内されたバスはたいして良くもなく、かと言ってひどくもないが、ちょっとがっかりという程度のバス。

乗り込んだ客数は7人。たったそれだけの人数なのにバスは予定通り13時ちょっと過ぎに発車。夜あまり眠れなかったその反動なのだろう、バスに乗るとあっと言う間に寝てしまう。暖房が効いていたのも眠りをそそる一因だった。

発車して1時間ちょっとした14時10分、国境に到着。国境が近くなるとバスの添乗員がぼくの席まで来て、出国税が550シリアポンドかかるということを札を店ながら告げる。言葉はアラビア語。
From syria 2


国境に着くとバスの添乗員に促されて一緒にまずは出国税を払いに行く。そこで領収書をもらってからパスポートコントロールの窓口へ。入国と違って出国手続きはスムーズ。簡単にシリアを出国。

一度バスに乗り込んで、5分ほど走った後にトルコ国境に到着。アラビア文字からトルコ式アルファベット文字の世界に変わる。
送信者 Turky


トルコのパスポートコントロールは、これまでのように一つの建物の中に窓口があってそこでするのではなく、日本の高速道路の料金所のようにいくつかゲートがあってそれぞれバスが入ったところに係官がいるボックスがあってそこで行う形式だった。係官にパスポートを出すとヒューレットパッカードのパソコンにあれこれと情報を入力し、スタンプを押してくれる。質問や入国カードもない。

予定通りトルコはすんなりと入国と思いきや、バスに戻ってからが長かった。荷物のチェックはともかくとして、この国境ではバスの車体自体のチェックまであった。チェックは2つの方法でなされ、一つは係官が乗り込んできて彼らの目で車内のあちこちをチェックする方法で、もう一つは空港などでの乗客の金属反応をチェックするあれのバス版とも言うべきものだった。

ある建物内にバスを乗り入れ、乗客も運転手もみなバスから降りて誰も乗っていない状態にした上で、巨大な移動式の枠がバスの前から後ろまで移動し、なにかをチェックする。建物の壁には、医療施設などで放射線の危険性を示すときに使われるようなマークが張られてあったので、放射線のようなものを使ってチェックしているようだった。

トラックやバスを1台1台そうしてチェックするのだが、そのチェックする機械の数が少ないため、順番待ちに時間がかかる。

結局、そうしたチェックが終わって国境を離れたのは17時過ぎ。シリア側の国境に着いてから3時間近くが経ち、空には細い三日月と一番星が見えていた。

トルコに入国してから1時間足らずの18時50分。アンタキアのオトガル(トルコ語でバスターミナルのこと)に到着。バスの添乗員が降りるように言う。どうもここで乗り換えのよう。

バスを降りて案内されるままオトガルの中にある一つの窓口に行く。そこで改めてイスタンブール行きのバスのチケットをもらう。出発は約1時間後の19時。チケットを見ると40トルコリラとあった。やっぱり通しで買うと高かったみたい。10米ドル以上損したかも。

バスの時間が来るまでオトガル内で過ごす。このオトガルはメキシコのバスターミナルを思い出させるような近代的な建物で、最近作られたのかとてもきれい。床にはゴミ一つ落ちていない。ただ便所を利用するには0.5トルコリラ(約30円)も払わねばならない。
送信者 Turky


2階には食堂とネット屋あり。さらに絨毯が敷かれた1画があって、そこでは女性たちが座り込んでおしゃべりをしていた。見た印象ではモンゴル系がちょっと入ったような顔つきの人が多い。これまでのアラブ地域とはまた違う地域に入ったように感じる。

外に出てみるとあたりは灯りもたいしてないのでここは郊外のよう。

ベンチで書き物をしていたらバス会社の人に呼ばれる。バスの乗車が始まったとのことだったので、荷物を持ってバス乗り場に移動。

荷物にはタグが付され、出発前に乗客の確認がなされる。

バスの車体はメルセデスベンツ。それも中古ではなく新品のよう。内装は黄色を基調としたデザインでなかなかよろしい。加えて乗客がこれまた10人程度しかいないため、二人分の座席が使えてらくちん。すばらしい。

バスは19時ちょっと過ぎに出発。道路もよく整備されているようで揺れが少なく、エンジンも小さい。辺りはもう暗くなっているため、車窓からは家々の灯りが見えるだけで他はほとんど何も見えない。

車内の電光掲示板を見ると外気温は12度。車内は眠れないほど寒いのではと密かに心配していたのだが、幸いなことにエアコンがきちんと機能していて杞憂に終わった。

出発してからしばらくして添乗員の若い男性が客席を回って香水を数滴ずつ配って回る。手で受け取り手に塗ったり、人によっては顔にパタパタつけたりしている。

それからまたしばらくして飲み物サービスがある。プラスチックのカップに入った水や熱いコーヒー、紅茶、ジュースなど数種類が希望によって配布される。

車内正面のテレビではビデオではなく、テレビ番組が流される。クイズ番組やお笑いコント番組が放送されていて、こんな番組を見るのはかなり久しぶりだなと感じる。
送信者 Turky


21時過ぎ、検問のためバスは停車。軍人の格好をした人が一人乗り込んできて、乗客のIDをチェック。その後、入れ替わりで犬を連れた警官が乗り込んでくる。麻薬犬のようで、通路を臭いを嗅ぎながら歩き回る。10分足らずで検問のチェックは終了。バスはまた走り出す。

Fin

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