アゼルバイジャンビザを入手
2008//12/25(木) 曇り
[Tbilisi:Geogia]
※レート:1米ドル=90円、1ユーロ=128円
1米ドル=1.66ラリ、1ユーロ=2.3ラリ
・『アガスティアの葉』
・アゼルバイジャンビザをゲット
7時過ぎに目が覚める。外はまだ薄暗い。部屋はいつもの通り冷えている。
電気をつけて本を読む。青山なんとかという人が書いた『アガスティアの葉』という文庫本。宿にあったので読む。内容はインドのサイババの話やアガスティアの葉という予言書の話。いわゆるトンデモ本なのかどうかはよくわからない。著者は東大の物理学出身でインドのヴェーダの研究をしていたよう。サイババの名前は聞いたことがあったが、この本を読んでどんな人(人なのか?)かが多少わかるが、サイババが起こす奇跡の話や予言の話は実際体験してみないとにわかには信じがたいので何とも言えない。結局は”ものは考えよう”ってことか? インドに行って確認してみたくなるが、サイババの奇跡を目の当たりにするのはけっこう難しそう。
なんて思いながら本を読んでいるうちに昼になる。部屋はもちろん冷えたまま。布団をかぶっていないと寒い。改めて上布団を眺めてみるとそのカバーはビリビリと裂かれたように破れている。あの子猫のせいなのかもしれない。部屋にはぼく一人。誰かの荷物があるが、荷物だけ置いてどっかに行っている模様。
宿を出る。外はときおり青空が見えることがあるけれども基本的に曇り空。雲があれよあれよと流れていく。
まずはトビリシの鉄道駅に行く。ロータリーに並ぶ果物などの露店を眺めながら駅舎まで歩く。
駅舎は現在改装中の模様で、外壁などにシートがかぶせられたりして、さらに即席の板壁には改装後の駅イメージの絵が書かれたポスターが何枚も張られていた。それによると現在は殺風景なトビリシ駅は将来、ショッピングモールを併設したちょっとおしゃれな場所になるらしい。イメージ図にはショッピングモールを軽やかに歩く人々の姿が描かれたりしている。
その図が醸し出す雰囲気は今、駅周辺に広がっているごたごたした露店市とはまったく合い入れないような雰囲気で、本当にこんな駅を作るのかとつい訝(いぶか)ってしまう。物にたとえれば汚れ一つないハイヒールと泥が跳ねた長靴という感じ。将来的には駅の再整備をきっかけに現在あるごたごたした露店市をきれいさっぱりなくすとか、あるいはそれらを屋内施設に移動させるとかと考えているのでは?
6年前(2002年)来たときには駅の再整備のポスターなどなかったので、この数年でどっかからカネが入るようになったのだなと感じさせる。これも革命のおかげか? アメリカに接近したおかげか?
さて、駅に来たのはアゼルバイジャンのバクー行きの列車の情報を入手するため。バスを乗り継いで行くとだいたい1500円くらいで行けるらしいので、こっちの方が安いのだが、アゼルバイジャン側の国境の警官にカネを取られたという旅行者の話が情報ノートにあったので、そんな面倒なことは避けたいなと思い、列車で行こうかと考えていた。
切符を売っている駅構内はさっぱりした作りで、窓口が10番程度まであるほかは、ベンチがあるのみ。キオスクも何もない。液晶テレビタイプの電光掲示板が何カ所かに設置されていて、発車予定の列車の時刻などが表示されているが、グルジア文字のみのためわからない。
どの窓口にもいろいろ張り紙がされていて、そのうちのいくつかは時刻表や運賃表のように見えるのだが、これまた文章がグルジア文字のみなのでまったく読めない。
窓口に張られている紙の様子から国際列車の切符を扱っているらしい窓口があったので、そこに並んでいたおじさんに「バクー?」と訪ねる。そしたらそのおじさんは”そうだ”というようなことを言う。たまたま英語ができる人だったので、英語でバクー行きの列車の運賃と発車予定時刻を知っているか尋ねると、自分は知らないから窓口の人に尋ねてくれると言う。
窓口の女性におじさんが尋ねたところ、明日バクー行きの列車があり、16時50分発で運賃は43ラリ(約3000円)らしい。お礼を言って駅を出る。
それから露店市(バザール)を通って、この間も行ったカフェ(食堂)に昼飯を食いに行く。カフェの入り口にはこの間と同じように子豚を丸々そのまま売っている肉屋さんがいた。木製の机の上に内臓を取り除いた子豚を数等仰向けにして並べて売っている。
薄暗い店内に入り、カフェのスタッフにロシア語で何があるか尋ね、まだ頼んだことのない名前の料理を頼む。なんとかという名前の料理はスープ料理で、トマトベースのスープに豚か何かの内臓が入っていた。これにパンがついて2.5ラリ。
食べているとぼくから見て左斜めのテーブルに座っていたおじさんがなにやら話しかけてくる。だいぶ酒を飲んでいる様子。どこから来たのかとロシア語で聞いてくるので、ヤポーニャと応えるが、おじさんはどうも聞き取れないようで何度も聞き返してくる。酔っぱらっているのだろうと、無視して食べていると店の人が透明の液体が入った100ml程度の小さなコップをぼくのテーブルに運んできた。てっきり水かと思ったら、店の人はさっきから話しかけてくるおじさんを方を指さし、あの人から、というような仕草をする。
おじさんの方を見ると、機嫌良さそうにこっちを見てコップを持って”飲んで”というような仕草をする。一応、頭を下げて礼を言うが、あまり嬉しくない。匂いを嗅いでみるとやっぱり強烈なアルコール臭がする。ウォッカと思ったがおじさんがチャチャ(地酒の一種)と言っていたからそれなのだろう。
一口飲んでみたが、強~烈。40度は固い。かといって割るものはないし、そもそも飲みたくないし。
おじさんがまたもやどこから来たのかというので、ヤポーニャとまた応えると、おじさんは”カンボジア? ベトナム?”などと訳のわからんことを尋ねてくる。おじさんの隣のテーブルにいた若いにいちゃんが、”ヤポーニャ”と言ってようやく正しく理解する。
その後も何度も”飲め、飲め”というような仕草をしてくるが、無視。なめるだけでも十分すぎる。ってなわけで9割近く酒は残して席を立つ。
店内には3~4人で酒を交えながらおしゃべりしているおじさんグループが2~3組ほど。
近くの通りからバスに乗り込む。運賃一律0.4ラリ(約30円)。
申請したときには木曜の16時に来るよう言われていたものの、ためしに1時間早く行ってみる。15時過ぎに大使館に行き、ビザを受け取りに来たと伝えると、担当の男性は「パスポート」と言う。パスポートを渡すと彼は英語で、1時間後に来るように言う。というわけで結局早く行っても駄目だった。
なのであたりをぶらぶら。このあたりは大使館街になっているようでイスラエルやトルコなどの大使館がすぐ近くにある。また高級住宅街なのか建てられたばかりらしいきれいなマンションがぼろぼろになっているアパートと向かい合って立っている。
大きい道路を渡って反対側に行くと、そちらも住宅街。商店がいくつかパラパラとある。Wi-Fiポイントと書いたカフェもあり。
1時間を散歩することでつぶし、また大使館に戻る。16時15分前に大使館に戻ると、すでに一人並んでいた。警備の若い警官となにやら話していたが、こちらにも話しかけてくる。どこから来たのか、何をしに来たのか、日本で何をしているのか、これまで何カ国旅行したかといったことを英語で聞いてくる。彼はトルコ人でここで心理学を勉強しているらしい。アメリカにも1年語学留学のような形で住んでいたらしい。
質問は警官もしてくるが、彼は英語が分からないので、そのトルコ人が通訳した。若い警官は終始こちらを見ながらにやにやしていて、ぼくが質問に答える度に、彼ら二人でなにやら話し、笑ったりするので、こちらとしてはなにやらバカにしているのではと勘ぐってしまい、気分が悪い。トビリシでは歩いているだけで、10代後半程度の男の子、女の子らがこちらを見て、くすくす笑ったりする(男で髪が長くて髭が伸びているのは笑いの対象になるよう。あと東アジア人であることも関係してそう)ので、その警官もその類だろうと思ってしまうのだった。
16時を過ぎても大使館は開かない。ぼくの後にやってきた人がなぜ開かないのかと警官に聞いたところ、担当の人が出かけているとのことだった。
しばらくして担当の人が車に乗って帰ってくる。それからさらにしばらく待ってようやく16時半を過ぎた頃に呼ばれて中に入る。ビザ担当の彼は、いきなり「レシート」と言う。ビザ代を振り込んだことを証明するレシートを出せとのこと。しかし、前回来たときに今日振り込む銀行などを教えると言っていたから当然そんなものは持っていない。なので、持っていないと言うと、彼はあっさり「40ドルと5ラリ」と言う。
なので、彼に40米ドルと5ラリ(約350円)を渡す。40米ドルがビザ代で5ラリが手数料らしい。宿の情報ノートによれば銀行で振り込むにしても1米ドルほど手数料がかかり、しかも大使館が指定している振り込む作業をする銀行はここから離れているらしいから、自分で振り込み作業をしても大使館と銀行を往復するバス代と振込手数料を入れれば、2ドルはかかる。だから5ラリの手数料を取られてもまぁいいやと思ったけど、実際は自分の懐に入れているのではと思う。
ビザは今日から1ヶ月有効のビザ。
ということで、ようやくトビリシでやらなきゃいけないことが終わり、アゼルバイジャンに行く準備終了。
またバスに乗って戻る。一旦宿に戻った後、ネット屋に行く。アゼルバイジャンは物価が高いらしいので、まだ安いグルジアで情報収集。イランのトルクメニスタン大使館の営業時間やトルクメビザ情報、中央アジア情報などをネットで検索。日本語が読めて1時間1.2ラリ(約80円)。
日本で言えば今日はクリスマスだが、トビリシでは店などにサンタクロースなどの飾り付けはされているものの、それらしい雰囲気はあまりない。日本ではたいていなんやかんやでクリスマスソングを聞いたりするが、それがここではほとんどないからかもしれない。それに、夜になると人通りも少なくなるし。
暗くなった19時頃、歩いて宿に戻る。
宿ではさっさと布団に入る。宿に誰かが置いていった文庫本を読む。手がだんだんと冷たくなり、意識も薄らいでいき、そのうち眠りこむ。今晩も他に客なし。一人だった。
Fin
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