2008年9月22日月曜日

[diary]カサブランカからアガディールへ

[diary]カサブランカからアガディールへ

08/07/15(火)
[Casablanca→Agadir:Morocco]

・マラケシュで変心
・アガディール泊

カサブランカ3泊目。
7時過ぎに起床。昨日まで泊まっていた宿と違って窓があるから朝日が入ってきて、気持ちよく起きられる。

7時半過ぎに宿をチェックアウト。歩いてCTM(国営バス)のバスターミナルに行く。メディナの中はまだ目覚めていない。わずかに掃除をしている人が数人。カフェなどもまだ空いていない。

メディナを出たら、それなりに人通りがあった。すでに開いているカフェでは一服しているおじさま方がいる。この人たちはいったい何をして食っているのだろうかと気になる。だいたい一服しているのは日本で言えば60歳以上の年齢に見える人が多い。

ターミナルでマラケシュ行きのチケットを買う。ちょうど8時半発のがあった。料金85ディラム(約1200円)。別途荷物代が5ディラム(約70円)。

腹の調子はまだ戻らないが、腹が減ったので朝飯代わりにクッキーを買う。パンを買おうかと思ったが、店のカウンターに袋にも入れられず、ケースに入れられることもなく、他の商品と並んでそのまま置かれていているので、今の腹の状態では衛生的によろしくないと思い、お菓子の方にしてみる。バナナ味のクッキーは10ディラム(約150円)。高い! この間買ったものは半額くらいだったのに、とパッケージの製造元をよく見てみると、Made in Brazilとあった。輸入品じゃ、高いのも当たり前か。

バスは予想通り出発予定時刻から20分ほど遅れて出発。さっきまで寝ていたのに、バスに乗ると眠たくなり、寝てしまう。これはいったいどうしたものか。

目が覚めると地平線が広がる中を走っていた。舗装された片道1車線の道。舗装状態はよい。両脇に見える大地は畑なのか、それともただの荒野なのか判別がつかず。何も植わっていないのだが、機械か何かで耕した跡のようなものも見える。人はいない。

そういった緑のない土地がしばらく続くと、たまに緑が出現する。また、土で造られているしい家々もたまに見える。それから羊を30頭くらい連れている人の姿もときおり見ることがあった。

カサブランカを出て約4時間後の12時半頃、それまでの閑散とした景色が急に変わり、煉瓦色の建物が建ち並ぶ通りに入る。ショッピングモールらしいところも発見。どうやらマラケシュにはいったよう。これまでほとんど見なかったスーパーマーケット形式の店も1軒発見。マンションらしき建築中の建物があちこちにある。電車の駅も新装中のよう。

バスはCTM専用のターミナルに着く。予想では、ガイドブックの地図にあるメディナ近くのメインバスターミナルに着くと思っていたのだが違った。ついたのは電車の駅の近く。ここから安宿があるメディナまでは数kmはありそう。

とりあえず到着した場所の周辺に宿がないか探して歩く。歩いた範囲では宿は三ツ星のホテルが1軒あるのみ。やはり移動しないと行けないよう。駅の前を通る大きな通りを市内バスが走っていたからそれにでも乗れば、メディナに行けそうだったが、なんだか宿を探すのが面倒になる。

よって予定を変更。またCTMのターミナルに戻り、移動することにする。Agadirというさらに南の大西洋沿いのまちには一日8本ほどバスがあるとガイドブックにあったので、とりあえず南下することにする。

チケットの窓口でアガディール行きのチケットを頼むと17時15分発のチケットでいいかと聞かれる。3時間近く待たねばならないようだが、荷物を預けてその間ぶらぶらしようと、それでOKするが、チケットを買った後に、荷物を預けるのは出発30分前からと言われる。しかも、ターミナル内には別に荷物を預けられる場所はない。

なぜ中南米では普通にある荷物預かりのサービスがここにないのか? 荷物代と称して荷物を載せるのにはカネを取る仕組みを持っているくせに、客がバスを待つ間に荷物を預かる仕組みを持たないのが不思議だ。思いつかないのか、ニーズがないのか、あったものがなくなったのか・・・。コインロッカーくらい置いとけと思うが、このコインロッカーもすぐれて”先進国”的なもののようで、スペイン以外ではほとんど見なかったようにも思う。

荷物を抱えて38度ほどある外を歩く気にはなれず、結局待つことにする。そう言えば、さっき周りを歩いたときに郵便局があったと思い、行ってみるが閉まっていた。

しょうがないので、またターミナルに戻り、待合室でブラジルで買ってもらった数独をしながら待つ。待合室に無料で飲める水が置かれているのが、目新しい。

待っている間、アガディール行きのバスは何本もあった。聞いたらどれも満席だと言う。ちなみにやりとりは英語。なお、お店で買い物する際にフランス語を使ってみたところ返事は英語という場合が多々あり、フランス語にそんな言葉があったかと首をひねってしまうこともあり。できるならばアラビア語がベストなんだけどな。

出発30分前になったので、荷物を預ける。何も食わないのも悪いかと思い、ターミナル前に並んでいる雑貨店に行き、そこで鉄板で焼いていた長方形の薄いパン(インドのナンに似ている)を買う。5ディラム(約70円)。焼いているおばさんにフランス語で値段を聞いたが、フランス語を解さないのか、店にいる若い男の子を呼び、その子にぼくの相手をするように言う。彼は多少英語を解した。多少なりとも英語を解する人がいる割合は、中南米とは比べものにならないくらい多いように思う。

それから1.5リットルの水を買う。この水の値段がどこで買っても6ディラム(約80円)。他の国では店によってちょっとずつ違ったのに、これは意外だった。統一価格で売られているのか?

予想通りバスは予定通りには出発せず、約1時間遅れの18時前に発車。満席。運賃は100ディラム(約1500円)プラス荷物代5ディラム(約70円)。

マラケシュのまちを抜けると、道路の両脇には畑が広がっていた。ぶどうやオリーブなどが見える。ビニールマルチを使っている畑もあり。

青々としている畑の隣がまったくの土漠のような空き地だったりする。畑はずっと同じところで造られているのか、それともこうした空き地のようなところも時期がくれば使っているのか? よくもこれだけの耕地で食えるものだと思う。モロッコの食料自給率はどれくらいなのか?

19時半前に夕食休憩。立派な建物の前でバスは止まる。食事代わりにここでビスケットをまた買う。2種類で7ディラム(約90円)。アラビア文字が袋に書かれているものはモロッコ産のようで、わりと安い。

同じバスに乗っている若い(おそらく10代後半)の男二人組は盛んにデジカメで写真をとりあっている。バスの車内では携帯電話で動画(映画のようだった)を見たりしていたから、けっこうな金持ちの息子らなのかもしれない。ちなみに一人が持っているデジカメは、えー!と驚いてしまうくらい分厚いソニー製のカメラ。ちょっと気になる。

30分ほど休憩した後、再出発。外は気温も25度くらいで、風が吹いていて心地よかったのだが、バスの中はちとくさい。冷房は効いているが、窓は開けられないスタイルになっているからか、微妙に空気がくさい。

21時前に日没。途中、乗客を降ろすために停まった小さなまちでは、道ばたに人々が出ていて、それぞれ何をするともなく、座り込みおしゃべりなどに興じていた。子どもたちも外に出てきていて、走り回って遊んだり、何人かでおしゃべりしたりして過ごしている。バスが止まると子どもたちが寄ってきて、中にはバスの中をしげしげと見つめる子もあり。

バスは山がちな地帯を走る。ただ、山はどれも低く、道も曲がりくねっているというわけではなく、多少起伏があるだけでこれまでと道の状態は変わらない。

暗くなると外を眺めていてもあまり変化がないので、うとうと。

そうしているうちにバスはアガディールに到着。22時半頃だった。ここでもまた予想していたところに着かず。バスの運転手に聞いても近くに宿はなく、タクシーで行かないと行けないらしい。また、面倒なところに来たなと思い、バスがあればさらに南下しようとまた予定を変更。

ここは共同のバスターミナルのようで、ターミナル内には10近いバス会社があった。そのうち6割くらいはアラビア文字のみで行き先を書いているので、まったく読めず。ふらついているとどこに行きたいのかと英語で聞かれるので、南のまちのTantanだと言うとCTMの窓口を指す。

この時間でもバスはあるらしい。なお、カサブランカなどには夜行バスがあって、それにこれから乗ろうと言う人たちがターミナル内には数十人いた。

CTMの窓口には誰もいない。なので、ちょっとターミナルの外に出てみる。確かにホテルらしき建物はない。ホテルどころか店さえも4軒ほどがあるのみ。ぶらぶらしているとタクシーの運転手が声をかけてくる。英語ができるかとまず聞いてきて、どこに行きたいのかと聞いてくる。中心部までいくらか聞くとフィフティと言う。15なのか50なのか確認するため持参している電卓で確認。すると50ディラム(約700円)の方だった。運転手は中心部まで5kmほどという。5kmで50ディラムなんて高すぎる。1泊分の宿代に近い。おっさんは英語を話す=怪しいので無視してまたターミナルに戻る。戻る際、おっさんが引き留めようと声をかけてくるが、無視。

CTMの窓口の前で待っている人がいたので、一緒に待っていると20分ほどして職員が3人やってくる。発車するバスの乗客チェックなどをしていたよう。それにしても一人くらい窓口に置いとけよな。

タンタン行きのチケットが欲しいというと、なんと満席。まったくついていない。

しょうがないので、ここで宿をとることにする。再びターミナルの外に出てタクシーを探す。客待ちしているタクシーが10台ほど。さっきとは違う人が声をかけてくる。値段を聞いてもなかなか言わないので、何度も聞いて25ディラムというのを聞きだし、それでOKする。さっきのおっさん半分。だいたい外食1食分。

運転手に行きたいホテル名を伝える。10分もかからずに到着。目的の宿がある一帯には6軒ほど宿が集まっていた。最初に行った宿は満室で泊まれず。次に行った宿も、その次に行った宿も、さらにその次、またのその次も満室。ようやく空きがあった宿も最後の1室で、値段は180ディラム(約2000円)。3泊分の宿代なのだが、他に選択肢がないのでここに泊まることにする。

さすがに高いだけあって部屋はすばらしい。ダブルベッドが1つとシングルベッドが1つあり、シャワールームと洋式便所が部屋内にあり、バスタオル、トイレットペーパー付き。これで石鹸もあればベストだったが、これはなかった。テレビもあったので、久々(ブエノス以来)にテレビを見る。アラビア語のニュース番組やドラマ、フランス語の映画、BBCなどが見れた。BBCを見ていたら日本で漁師たちが燃料代高騰に対するデモをやったとのニュースが流れる。

これまた久しぶりにシャワーを浴び、洗濯をして就寝。

Fin

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