2009年9月22日火曜日

[diary]ジプチに入国

ジプチに入国

08/10/12(日) 晴れ
[Diredawa:Ethiopia→Djibouti Villa:Djibouti]
レート:1米ドル=176ジブチフラン=100円

・2時起き、4時発
・国境、わけのわからない検問
・久々の海
・汚い住宅街、アリババ
・ヨーロッパ的&アラブチックな中心街
・高い物価

エチオピアはディレダワの朝。というか、まだ夜中の2時に目が覚める。2時半に携帯電話でアラームを設定していたのにそれよりも早く起きる。ここのホテルはここ数ヶ月ではかなりいい部類に入るのだが、まぁ、それだけのカネ(1泊100ブル≒1100円)を払っているから当然かもしれない。この宿賃もここ数ヶ月では最高額だし。そんないいところに泊まったのに朝2時起きなのが悲しいところ。もちろん今日ここを離れなければいけない理由などないのだが、かと言ってもう1泊ここにいる気分にもならないから、結局はしょうがないのである。

さて、ちょっと早く目が覚めてしまったのだが、ここでもう30分あるからと二度寝をしてしまったら終わりだと思い、思い切って体を起こし、完全に起きる。眠い。

荷物の支度をして2時半には宿を出る。外は真っ暗。部屋を出れば外へとつながる中庭だから鍵はほったらかしで部屋を出る。

昨日、バスを予約した宿の前の通りにあるバスの事務所まで歩く。通りに出れば明かりがついているのはそこだけだったので、すぐにわかった。ずいぶん人が集まっている。すでにこうした客を相手に商売をやっている人もいる。

バスの事務所に行き、チケットを買う。ジブチの首都であるジブチシティまでバス代は130ブル(約1500円)。チケットを手にしたらすぐにバスに乗り込む。座席は決まっていないようだから適当に窓際の席を占拠。外にはいくらか明かりがあったのだが、車内は真っ暗。すでに客は半分以上乗り込んでいて、話し声などなんやかんやと声が飛ぶ。

3時前にバスに乗り込んだのに、出発はしたのは結局4時。この待ち時間の意味がわからない。

ヘッドライトの明かりだけを頼りにバスは走る。当然、車窓からは暗闇しか見えない。というわけで、寝る。

6時にもなれば外はすっかり明るくなる。ようやくどういうところを走っているのかがわかる。辺りには緑はなく、半分砂漠のようなところをバスは走っている。ちょうどケニアからエチオピアに行くときに通ったあの国境地帯に風景が似ている。沿道には時折らくだが現れる。また、やはりナイロビからエチオピアに行くときに通った沿道で見た木の枝で骨組みを作って布などを張って作った半球型の家なども見る。

8時すぎ、前方右手に大きな屋根が見えてくる。周りは相変わらずベージュ色の砂の世界。そんな中にぽつんとある大きな屋根とくれば国境に違いない。

バスはこれまで走ってきた舗装された幹線道路からはずれ、右に曲がり、その大きな屋根のほうに行く。やっぱり国境の施設だった。でも、その屋根の下で何をするわけでもなく、バスはその屋根近くにあるコンクリート製の四角い事務所の前まで行って停車。ここがイミグレらしい。
送信者 djibouti


送信者 djibouti


通常なら一人ひとりがイミグレの窓口に行って、そこで手続きするのだが、ここでは乗客みんなのパスポートをイミグレ側がいったん全部集めて、早く終わった人から返却するというやり方だった。すぐに手続きは終わるかと思いきや、これがなかなか終わらない。15分ほどしてもパスポートが戻ってくる気配がないし、他の乗客もめいめいトイレに行ったり、バスの乗客を目当てにチャイを売りに来た人たちからチャイなり朝飯になるようなものを買って、その辺に腰をかけて待っている。

ぼくもトイレにと思って行ってみたが、これが描写する気にならないくらいひどいところだったので、その辺で済ます。暇だったし、まだ何も口にしていなかったので、チャイ売りの女性からチャイを1杯買う。チャイ(ミルクティー)は1杯1ブル(約10円)。女性は魔法瓶らしい水筒にチャイを入れて持ち歩いていて、それをコップ代わりの空き缶に入れて売る。空き缶はフルーツか何かの空き缶らしく円柱形で縦に長く、缶切りで開けた蓋もついたまま。チャイが熱いため、当然入れてもらった缶も熱く、持って飲むのも一苦労。もちろんこの缶は要返却。ちなみにこの時点で、ここに着いてから1時間が経過していた。まだパスポートは戻ってきていない。
送信者 djibouti


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それから30分ほどしてようやくパスポートの返却が始まった。ぼくはここらの人間ではないからか早くに戻ってくる。パスポートを受け取ったらバスへ。

バスはぼくらが待っている間に屋根のある方へと移動してしまっていた。なので、その屋根のあるところへ歩いていく。バスは3台ほど止まっていた。バスの屋根に載せていた荷物を見ればどれが自分が乗ってきたバスかわかるだろうと、それぞれのバスの屋根を見回してみたが、なぜかあるはずの荷物がない。そこで屋根の下のコンクリート打ちの床を見てみると一角に荷物がどさっと無造作に置かれているところがあった。なので、そこまで歩いて行き荷物を確認。ぼくのリュックも降ろされていた。荷物の山の隣には1台のバスが止まっていたので、リュックを持って乗り込もうとすると、近くにいた運転手らしい男が乗るのを制する。ジブチシティに行きたいのだがと英語で言うも、どうも通じていないようでただ首を振るだけ。ちと困る。

しょうがないので、他に止まっているバスを回ってジブチシティに行くかどうか適当に聞くが、どれもいまいちの反応。どうしたものかと思いながらも、まだパスポート待ちをしている人たちの中にジブチシティに行く人がいるだろうと思い、その人たちの動きを待つことにする。
送信者 djibouti


同じバスに乗ってきた人たちのパスポートチェックが終わったところで、また一緒にバスに乗り込む。8時半ごろにここに着いてから既に2時間近くが過ぎようとしていた。

バスはまた舗装された一本道を走る。辺りには相変わらず緑がない。まったくない。標高が下がってきたようで、徐々に暑さを感じるようになる。エチオピアは標高が高いところが多いから、アジスアベバにいるときも涼しかった。ケニアも大して暑くなかったから、暑いと感じるのは久しぶりだ。
送信者 djibouti


順調にバスはとばす。もちろん信号も何もない。

12時になってもバスは止まることなく走り続ける。このままノンストップでジブチシティまで行ってくれると早く着くなと思っていたら、突然渋滞が現れ、バスは速度を落とす。そして、道路わきの簡易食堂の前で停車。昼食休憩かと思いきや検問だった。再び乗客全員がバスから降りる。警察の格好をした男たちがバスに乗り込み、複数の乗客が持っていたカート(葉っぱの嗜好品。噛むと覚醒作用か何かがあるエキスが出てくる模様)の束を取り上げ、バスの外に持っていく。取られた乗客は警察に言い寄っているが、警察は強い態度で聞く耳を持たない。言葉がわからないので、なんでこんなことが起きているのかわからない。

乗客の中には食堂で食事を始める者もいれば、ずっと警察に食いついている人もいる。ぼくはやや離れて彼らのやり取りを眺める。

30分以上、そのゴタゴタで待たされる。結局は、警察側が乗客から取り上げたカートを返してことは終わった。結局、なんだったのか?

再びバスは走り出す。なだらかな下り坂に入り、遠くに建物が見えるようになる。もしや紅海が遠くに見えるのではと目を凝らすが、まだそこまでは近づいていないよう。

暑さはさらにきつくなり、だんだんと真夏のような空気になる。あたりは相変わらず半分砂漠のような風景。

検問を抜けてからしばらくすると遠くに海が、その手前にはジブチシティが見えてくる。1時間後、バスはジブチシティに入る。コンクリート製の背の低い四角い建物群の間をバスは抜けていく。車の量がいきなり増える。乗客のうち何人かは途中で適当なところで降りていった。

例のごとくガイドブックを取り出し、窓から見える景色や道路名と地図とを照合させ、現在地を割り出す。ジブチシティは海に面しているから方角が定めやすい。が、いまいち現在地がわからない。まっすぐ進むと予想していた通りからバスが右へと曲がり思わぬ方向へ行きそうだったので、慌てて席を立ちここで降りる旨をバスの運転手に伝える。荷物を受け取って下車。


さてさて、宿はどっちの方か? ガイドブックの地図を見ながら歩く。暑い。こんなに暑いのは久しぶりだ。これまでずっと20℃台だったのに急に30℃台にあがった模様。

近道をしようと住宅街を抜ける。同じような型のコンクリート製の四角い家が碁盤の目のように並んでいて、その間の道は幅3mほどある。なぜかその道が異様に汚い。ごみで埋め立てて作ったのかと思ってしまうくらい、路面にごみが落ちている。落ちているというよりもそもそも未舗装の道だからそれらが車や人に踏まれて舗装材のようになっている。雨が降ったのか、それとも排水施設の問題なのか、ときおり水溜りがあるのだが、これがまた緑色だったり、油のようなものが浮いていたりして汚い。なんなんだ、これは?

住宅街の道があまりに汚いので車が走っている広い通りにいったん出て、その道沿いを歩く。歩いていたらすれ違うバスの中から若い男が顔を出し、こちらを見て「アリババ!」と大きな声で言う。これが噂に聞いていたアリババ攻撃らしい。

リュックを背負って歩いているとすぐに汗が噴出してくる。30分ほど歩いて目的の宿を無事に発見。ガイドブックでは最安値の宿だったが、宿泊代を聞いてみると5000ジブチフラン(約3000円)。エチオピアと比較すると5~6倍も高い。フロントのにいさんのうちの一人は英語が出来たので、その人に言って部屋を見せてもらう。部屋はエアコン付の8畳ほどの広い部屋。トイレとシャワーは共同。トイレとシャワーが共同でこの値段なんて信じられないのだが、フロントに聞いてもこれが一番安いらしい。値下げ交渉もしたが、これで十分安いと向こうは言い張る。他に宿の当てがあるわけでもないので、一晩だけここに泊まることにして、部屋に案内してもらう。

部屋に荷物を下ろし、しばし休憩。30分ほど歩いただけだが、かなり汗をかいた。天気がとてもいいので、シャワールームで簡単に洗濯をしてからまちに繰り出す。

中心街までは歩いて10分ほど。まずは両替をしなければいけない。今日は日曜日だから開いてないかなと不安に思いながら中心部へ行くと、両替屋に限らずほとんどの店が閉まっていた。それでも1ヵ所は開いていたので、そこで両替する。

中心街はヨーロッパ調の建物で統一されていて、掃除も行き届いており、その一帯だけは見た目にも美しい。ただ、どういうことなのか、道端にらくだがいた。
送信者 djibouti


送信者 djibouti


中心街の南側にバスターミナルがあり、その周り一帯がアラブ調の市場街になっていた。野菜・果物市場ではさまざまな野菜や果物が無造作に陳列され、路上には食べ物の屋台や布や服、葉タバコなどの露店が並び、とても賑やか。ジブチはイスラムの国ということもあり、夕方にはモスクからアザーン(お祈りの時間を知らせる呼びかけ)が聞こえて来る。女性はほとんどが頭から腰くらいまでブルカのようなものと足首まであるロングスカートを着ている。ただブルカと言っても中東のように真っ黒なそれではなく、モロッコと同じくアフリカンカラーの見た目にも鮮やかな柄のものを着ている人が多いから、なんとなくまちの雰囲気が明るい。ちなみに男性はスラックスのようなズボンに半袖のTシャツなど、まぁ適当な格好をしている。男性だけ見るとイスラム的ではない。
送信者 djibouti


暗くなるまで3~4時間ほど歩き回る。夕方暗くなったところで道端の食堂で夕食。地元の食をと思っていたのだが、ちょうど歩いていた通りには魚を焼いて出すだけとかスパゲッティとかあまり物珍しくない料理を出すところしかなかった。せっかっく海のある国に来たからと、魚でも食べようかと思い、魚料理店に入ったところどの魚がいいかと冷凍庫を見せられ、その中の小ぶりのを指差したらそれだけで500円近くするというので辞めた。結局、人がそこそこ入っている食堂でスパゲッティと肉炒めみたいなもののセットを食べる。お値段は300フラン(約190円)。値段のわりに量は多いのがうれしい。スパゲティはピリ辛のミートソース。麺はちょっとやわめ。

なんだかありきたりのものにしかありつけなかったので、食後、近くに並んでいた屋台を見て回る。その中で珍しいものを売っているおばちゃんがいたので、そこで売っているものを注文。それは牛乳の中に穀物の何かを入れたもので、どちらかというとデザートのようなものだった。でも、デザートというには甘さが足りない。食べた感触だと中に入っていた穀物は麦の粒っぽい。ジブチはアラビア語かフランス語だから聞こうと思っても、こちらの言語能力が低すぎて文字通りお話にならない。だから実際はどうなのかわからない。

19時過ぎごろ、宿にいったん戻る。宿の人に近くにネット屋があるか聞いたらあるというので、近くのネット屋に行く。ネット代は1時間300フラン(約190円)。エチオピアやケニアの2倍の値段だがそこそこ速い。ネットでジブチの安宿情報やイエメン大使館の場所などを探す。

その後、ホテルに戻り、適当に就寝。

Fin

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