2011年3月7日月曜日

[diary]ウルムチからカーシー(カシュガル)へ

ウルムチからカーシー(カシュガル)へ

2009/02/18(水) 晴れ
[Urumqi→Kashgar:China]
レート:1米ドル=6.8元=91円

※時間は自治区の時間

外から聞こえてくる金属音が耳につき、まだ暗い5時過ぎ(新彊時間)に目が覚める。カンカンという高い音からするとスコップか何かで路面の氷を割る作業をしているらしい。

しばらく物書き。

明るくなった7時半頃、荷造りをしてチェックアウト。今朝は雪は降っていない。霧もかかっていず、どちらかと言えば晴れに近い。

宿のすぐ近くのバス停から44番のおんぼろバスに乗る。通勤時間なのかバスはほぼ満員。通路にもたくさんの人が立っていたので乗れるか危ぶんだが、無事乗り込むことが出来る。

15分ほどで長距離バスターミナルに到着。中に入り、チケット売場の窓口でカーシー(カシュガル)行きのチケットを1枚と頼むが”没有(メイヨウ;ない)”と言われる。どういうことだ?と思いながら、昨日の案内係のおばさんを探す。昨日言っていたとおり、確かに今日もいた。おばさんに声をかけると、ちゃんとぼくのことを覚えていてすぐに案内してくれる。チケット窓口とは違う方向に行くので、どこに行くのかと不思議に思っていたところ、おばさんは一人のおじさんに声をかける。そのおじさんはぼくの荷物を持ち、一緒に来るよう言う。中国語であれこれ話しかけられるが、まったくわからず。

構内にある荷物チェックの機械にリュックを通し、待合室を素通りしてバスが並ぶ駐車場に出る。そこから歩いて100mほどいったところに小さな小屋が並んでいるところがあって、そこに連れて行かれた。中に入るとバスを待っているらしいおじさんがいる。どうもここがカーシー(カシュガル)にバスを走らせている会社のオフィスらしい。そこでバス代を払う。235元(約3500円)。やっぱり高いなぁ。24時間ほどかかるにしてもこんなに高いのはトルコ以来かもしれない。

ザラ紙のチケットに出発時刻らしいものが記載されていた。「12:00」とあるので、これは北京時間かと聞くとその通りだと言う。現在、新彊時間の8時過ぎ、北京時間の10時過ぎ。まだ2時間ある。ガイドブックには1時間ごとにバスがあるとあったから昨日は時間をチェックしなかったのだが、こんなことならもうちょっと宿でのんびりしていてもよかった。

しばらく時間があるので、荷物をそこに置いてバスターミナルの外の店に買い出しに行く。まだ食べていなかった当地のナン屋に行ってナンを買う。ピザ生地のように平たい円形をしているのは中央アジアと同じ。それ以外に見た目あんパンのような形をしているものもあったので、それも買う。ナンは直径30cmほどのピザ生地タイプのナンが1枚1元(約15円)、あんパンタイプの小さいのは1個0.5元(約7円)。

近くに蒸かしたばかりの包子(パオズ)を売っている店がいくつもあったので、そのうち1軒で包子(パオズ)を2個買う。ミニ肉まんサイズで1個0.7元(約8円)。

飲み物はあえて買わず。

またさっきのオフィスに戻る。オフィス内の待合いスペースの壁には禁煙と中国語で書いた紙があり、そこには吸った者は罰金10元とあった。しかし、室内はたばこ臭い。バスを待っている客の一部が吸っているし、何よりバス会社のおじさん方が吸っている。さすが中国。

中国語の本などを見たりしながら待つ。

新彊時間の10時過ぎ、北京時間の12時過ぎ、バス会社のおじさんがカーシーに行く客に声をかけ、荷物を駐車場にある車に乗せるように言う。おじさんはぼくのところに来て、ぼくのリュックを軽く蹴り、外に持っていくよう言う。人の荷物を足蹴にするとはこのオヤジまったく躾がなってない。

荷物を持っていったら持っていったで、車にはすでに入りきらず、また待合いスペースに持って戻ることになる。すでに出発時刻なのにバスが現れない。

結局バスが現れたのは新彊時間の11時前だった。バスの荷台にリュックを詰め込み、バスに乗り込む。バスに乗り込む前にチケットは回収される。

バスは中国製の寝台バス。中国ならでは乗り物でこれが初体験だ。

車内にあがる前に運転席横で靴を脱ぐ。脱いだ靴を入れるビニール袋は用意されていたので、それに靴を入れて中に入る。

寝台バスの名前のとおり、車内には完全に横になって寝れるベッドが備え付けられている。それも2段ベッド。両側の窓沿いと通路を挟んで真ん中に1列ずつの計3列。バスの車体にあった数字によれば合計39人が乗れるらしい。

添乗員らしい男の人が、ぼくにここに座れ(寝ろ)というようなことを言う。指定された席(ベッド)は左手中程の窓側の2段目のベッド。

持ち込んだ小さなリュックと靴は、どこにも置く場所がないので、ベッドのどこかに置かざるを得ないことになった。他の人を見ると足下のスペースなどに置いている人が多い。

ベッドに上がると天井がすぐそこ。というより頭を上げて座れない。だから結局横になるのが一番楽な姿勢となる。

ベッドは幅70~80cmほど、長さ180cm程度。頭の部分は盛り上がっており、その下に後ろの人の足が入るような設計になっている。つまり、前の座席の頭の部分は後ろから見ると空洞の箱のようになっていて、そこに足を突っ込むようになっている。

アフリカのように長距離バスが多いところでもこのスタイルのバスがあればずいぶん楽になると思うのだが、問題はベッドのサイズが合わないであろうこと。横幅はぼくでもちょっと窮屈に感じるくらいしかない。腕を体の脇にくっつけた状態でやっと入るくらいしかないから、アフリカのおばさんたちでは確実にあふれ出る。北部ヨーロッパ人にすると今度は長さが足りない。要は完全にアジア人的体型を前提とした設計になっている。

またベッドにはちゃんとシーツが敷かれており、掛け布団も用意されている。なので、寒くはない。

一度寝てしまうと寝返り以外は身動きが取りにくいので、寝たきりになってしまう。

13時過ぎ、予定より1時間遅れでバスは発車。

車内前方には2つテレビが備え付けられていた。1つは1段目に寝ている人たち用、もう1つは2段目に寝ている人用で、上下の段それぞれの高さに合わせて設置されていた。

発車するとさっそく映画が上映される。ジャッキーチェンが主演の映画。

ウルムチのまちを外れるとあたりは緑のない景色になる。岩山の間をくねくねと走る。たまに平地が見えるが砂利状だったり、土漠状だったりする。緑はない。

ジャッキーチェン主演の映画が2本続けて流れる。いずれも吹き替えはウイグル語。3本目はジェットリー主演の映画。その途中、バスは食堂前に停車して休憩。緑気のない土地の中をまっすぐ走る道路の脇には車の修理屋や食堂、営業しているのかどうかわからない旅館などがポツポツある。

食堂に入る人は誰もいず、みなその裏に歩いていく。そこには便所があったが、男はみなその周りの大地の上で用を足している。座り込んで大きいのをしている人もあり。足下にはその残骸が多数有り。

雪はまったくなく、気温もそれほど低くない。10℃近くはありそう。

30分ほど休憩してまた発車。さっき途中で消えた映画はそれで終わりらしく、新たに別のDVDが始まる。ウイグル人の歌手や役者達による歌や芸で、どこかのホールで上演されたものを録画したもののようだっった。

ぼくは寝る。

夕食休憩はなかったよう。寝ている間にあったのかもしれないが、その場合は気づくと思うので、なかったということにする。

その後も寝る。

Fin

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