2011年3月7日月曜日

[diary]和田からカーシーへ逆戻り

和田からカーシーへ逆戻り

2009/02/23(月) 晴れ
[和田→Kashgar:China]
レート:1米ドル=6.8元=91円

※時間は自治区の時間

・行き先変更
・バスでカシュガルに戻る

朝方、まだ暗い頃、バンバンと板に何かを叩きつけるような音がして目が覚める。そういえばすぐ向かいに料理屋の調理場があったから、そこで麺か何かを打っているのかもしれないとぼーっとした頭で思いつつ、布団に入り続ける。

布団をかぶっていないと朝は肌寒いくらいだった。暖房器具(お湯を常時通しているやつ)を触ると冷たかったので、どうも暖房が機能していなかったよう。

新彊時間の7時過ぎに起きる。ルートをどうするのかの結論が出ていなかったので、ガイドブックの地図を眺めながらまたしばらく考える。そして8時前に荷物はおいたまま宿を出て近くのバスターミナルに行く。

そして、クルム行きのバスチケットを買う。160元(約2500円)。結局、クルムまで行ってウルムチかトゥルパンに行き、そこから西寧を目指すことにした。そちらの方がバスの本数が多く、時間的なロスが少ないし、途中泊まることになっても宿が多いだろうから安く済むだろうと考えてのことだった。

チケットを買った後、宿近くの食堂で朝飯。食堂にはいるとストーブの上で温められている黄色いお粥のようなものがあったので、それを指さして頼む。見た目からはかぼちゃのお粥かなと想像していたところ、味は肉の出汁がかなり効いていた。牛肉らしい。ニンニクをあげたものも入っているらしい。お粥というよりも米の粉をお湯で溶いたような触感だった。どんぶりに1杯で2元(30円)。

それから両替をしに中国銀行に行く。中国に入って以降、両替する頻度が高くなった。バスに1日乗るとすぐに3000円くらい飛ぶので、あっという間に1万円がなくなってしまう。この点についてはイランが恋しい。イランでは12時間の移動でもせいぜい600円程度だったが、ここはその2.5倍はする。

中国銀行はまちの中心部にあった。まだ朝が早いということで人通りも少ないし、店も開いていないが、ここの中心部もウルムチやカシュガルと似た雰囲気。広い車道に広い歩道、目立つ看板、四角い店並び。この地は玉(石)が名産ということでその玉屋さんがずらっと並ぶ通りもあった。

中国銀行でのレートは1米ドル=8.67元だった。ここの窓口の人も丁寧で感じはよい。横から割り込みしそうなおじさんがいたが、ちゃんとぼくの方を先に受け付けてくれたし。

両替してからまた宿に戻る。歩きながらルートのことを考えていたが、クルムルートでも西寧に金曜日までに着くかやや不安になってきた。クルムまで20時間かかるから、火曜日にクルム着で、その日のうちに行けてもウルムチ、トゥルパンまで、水曜日に列車がとれればいいが、取れなかったらバスを乗り継いで西寧まで行かないといけない。特に面倒なのはバスで移動する場合甘粛省では保険料を払わないといけないらしいこと。甘粛省ではバスのチケットを買う際には保険の加入を確認されるらしく、加入していないとチケットを売ってくれないらしい。しかもその保険が30元(約450円)もするというからバカらしい。鉄道で移動できればいいが、途中駅から乗るのは至難の業だったりすることもあるらしいし・・・ということを考え出したら、結局、カシュガルで待った方が安く、確実だという結論になる。

というわけで、行き先をカシュガルに変更。宿が安かったら今日もここに泊まっても良かったが50元(約750円)じゃ高い。

バスターミナルに行ってチケットの変更を頼むとなんと変更手数料に30元(約450円)かかると言う。1泊の宿代ほどもするとは予想外だった。高すぎる。あんたら変更って言ったってパソコンのキーボードを押すだけだろうが。それに発車直前でもないだし。まったくがめつい。とそんなふうに、30元という値段を聞いて一瞬ひるむが、ビザは安全第一というわけで涙を飲んで変更手数料を払う。やれやれ判断ミスは高くつく。

宿が許せば夕方のバスに乗ろうかと思ったが、宿のチェックアウトは新彊時間の10時というので、午前中のバスに乗ることにする。1時間後の発車。

なので気になっていたことがあったので、20分ほどネット屋に寄ってから、宿に戻って荷物をまとめてチェックアウト。バスターミナルに行く。

ゆるい荷物チェックを受け(というかスルーだったんだけど)、駐車場に泊まっていたバスに乗り込む。今回は荷物代を請求してくる輩はいなかった。

しかし、バスに乗り込んでから何か足りないことを思い出す。手荷物を確認するとガイドブックを入れた袋がない。あっ!と思い、バスを降り、さっきのネット屋に行く。ネット屋の受付に行くと受付のにいちゃんがすぐに気づき、ぼくの袋を取り出し手渡してくれる。

それから再びバスに戻ったところ、今度はMP3プレーヤーがないことに気づく。あっ!と思い、ホテルに戻る。幸い部屋は掃除中でドアが開け放たれていた。朝方でかけるときに枕の下に隠しておいたMP3プレーヤーを無事発見し、バスに戻る。

まったくカシュガルに来て腹をこわして以降、忘れ物、紛失ものばかりだ。しょうもないことで時間とカネを失う。

バスは予定通りに新彊時間の10時40分頃、発車。今回は中頃の席だった。ただ通路側だったので、後ろの方の席で空いているところに移動。

これで運転手のタバコの煙を吸わなくて済むと思っていたら、今度は後ろの客が吸い出す。頻度は少ないもののいらつく。中南米やアフリカではタバコを吸う人自体が少なかったから煙を気にすることもなかったけど、中東以降がひどい。特にイスラム圏がひどい。男の喫煙率は少なく見積もっても8割くらいはいってるんじゃなかろうか。ただ、カフカスは気にならなかったな。

今日も空は曇っているのでヒマラヤがある方を眺めてみても山の形すら見えない。

当然ながら昨日と同じく砂漠時々まち。波間をかき分けて走るボートのようにバスは上下に揺れる。今日の運転手の方がスピードを出すので、たまに腰が座席から浮くほど。そんなときには、客の一部が「おぅ!」と驚きとも非難とも聞こえるような声を出す。

砂漠の脇でトイレ休憩あり。トイレはもちろんないので、男も女も広い空の下、しゃがんで用を足す。幸い砂漠の起伏で隠れることができるので、直接見る/見られることはない。

今回は昨日よりも1時間早く10時間でカシュガルに着く。新彊時間の21時過ぎにカシュガルのまちに到着。この間も泊まった宿にバスと歩きで向かう。

ドミはまた一人で使えるだろうなと思っていたら、意外にも日本人女性旅行者が一人泊まっていた。

宿に戻った後、近くのウイグル人の店で食事。これまで食べたことのないものをと思っていたが、時間が遅いためかラグマンと餃子しかなかった。なのでラグマンと餃子を注文。ラグマンは大で4元(約60円)、餃子は10粒ほどで2元(約30円)だった。どちらも味は良い。

腹が膨れたところで宿に戻る。

宿で同室の日本人とおしゃべり。日本語でおしゃべりをするのはキルギスのビシュケク以来、約20日ぶりだ。

彼女は中国4回目らしい。聞くとあまりの物価の変動についていけない、と言う。以前来たときよりもたとえば北京の地下鉄の値段が2倍になっていたり、宿代も高くなっていたりと本当に高くなったらしい。中央アジアから来たぼくとしては食い物が特に安いなという印象だったので、そうなのだと感心する。

また人民のマナーもずいぶん良くなったらしい。以前であれば列車やバスの中では、通路で子どもは小便したり寝ころんだりするし、タバコは普通に吸っているし、ひまわりの種の食べかす(殻)などは床中にあふれているしと、まぁ、噂通りの汚さだったらしい。しかし、それが今回来てみると列車の中でタバコは数人はいないし、ひまわりの種の殻も床に捨てたりしなくなっていたという。それを聞いて、やはりオリンピック前に一度でも中国に来ておくべきだったと思う。

そんな話をべちゃべちゃして、夜中すぎに就寝。

Fin

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