2011年3月4日金曜日

[diary]キョーネウルゲンチからウズベキスタン入国

キョーネウルゲンチからウズベキスタン入国

2009/01/19(月) 晴れ 日中10度近く
[キョーネウルゲンチ:Turkmenistan→Nukus:O'zbekiston]
※レート:1米ドル=1400スム(ホジャイリとヌクスのバザールの闇両替にて)

・キョーネウルゲンチからウズベキスタン国境へ
・英語を話す職員、長い荷物チェック
・乗り合いタクシーで国境からホジャイリへ
・ホジャイリのバザール兼バスターミナルにて
・ホジャイリからヌクスへ移動
・ヌクスの宿、バザール

トルクメニスタンのキョーネウルゲンチ。バスターミナル近くのボロ宿。ぼったくり宿にて。

なぜか3時頃に目が覚める。なので、しばらく書き物。

9時になってようやく出発の準備。9時20分頃部屋を出る。鍵は壊れたままだったが、修理代などを請求されることはなかった。

歩いてすぐ近くのバスターミナルへ。そこから国境に行く乗り合いタクシーに乗れるとガイドブックにあったのだが、いざ聞いてみるとここからは車はないと言われる。どうもバザール近くから車はでているらしい。教えてくれた人がバザール行きのマルシュルートカを捕まえてくれ、さらに運転手にぼくのことを伝える。

車に乗り込む。運賃2000モナト(約15円)。

舗装状態の悪い道をがたごと走り、15分ほどでバザール近辺に到着。運転手は車を止め、ぼくに国境行きのタクシーはあれだと指さし教えてくれる。

マルシュルートカを降りて、通りを渡り、タクシーのそばに行く。運転手がすぐに「タモージニャ(国境)?」と聞いてくるのでうなづき、運賃を聞いてから荷物をトランクに詰める。運賃15000モナト(約100円)。

客が4人集まったところで出発。

予想していたよりも国境はずっと近かった。バザールをでて5分ほどで国境に到着。荷物を受け取ってから運賃を払う。時刻は10時過ぎ。

歩いてトルクメ側のイミグレへ。入国時と同じく、ここでも税関申告書を書かされる。また入国時にもらった入国カードをここで回収される。荷物のチェックはなし。わりとすんなりと出国できる。

そこから20mほど向こうにウズベキスタンのイミグレがあった。歩いてそちらに行く。イミグレの建物に入る。入国スタンプは簡単に押してもらえたのだが、荷物チェックが長かった。

片言の日本語を知っている係官が英語で話しかけてくる。なぜ日本語ができるのか尋ねると6年ほど前に日本に行ったことがあると言う。ならばさっさと通してくれるかと思ったのだが、そうはいかなかった。彼は荷物の中身を見たいから全部中身を出せと言う。たいていは荷物の中身は入れたままでチャックを開けてちらちらとのぞき込む程度で終わるのだが、彼はそうではなく全部出せと言う。しょうがないので、机の上にリュックの中身を全部出す。

彼はいちいちそれをチェックする。特に本やパンフレットなどはいちいちめくったりしてチェックしている。後から来た客は先に行ってしまうので、ぼくだけがそのようなチェックの対象になっているようだった。彼はのんびりとチェックをする。

その作業が終わるのを待っていたら、彼のボスらしい人が現れ、カメラを持っているかと聞いてくる。カメラを見せるとちょっと貸してくれというふうにぼくの手から取り、パソコンで作業をしている女性の写真を撮ったりする。まったくのんきなもんだ。

結局、荷物のチェックに30分以上費やす。特に何もなく、また荷物をリュックの中に詰め直す。ちなみに大きめのウエストバックをウィンドブレーカーの下に隠していたのだが、驚くことにそれには気づかず、チェックされなかった。

やっとのことでウズベキスタン入国。イミグレを出たところに乗り合いタクシーが待っていたので、それに乗る。もちろん乗る前に運賃を確認。乗客が4人集まったところで出発。

国境から延びるまっすぐな道を行くと正面に小高い丘が見えた。そこには無数の建築物があり、一目でそれが遺跡であることがわかる。これだけの密度でそれなりの形を留めている遺跡は珍しい。ガイドブックによればこの遺跡は古代都市ミズダル・ハーンの遺跡らしい。ティムールに滅ぼされたと言われ、残っている建築物は12~14世紀に建てられたものらしい。建物は霊廟やモスクなど。またその隣の城塞跡は紀元前4~3世紀に作られたものらしい。車から降りてゆっくり見てみたい気分になるほど、ここの遺跡は充実していた。

国境から最寄りのまちホジャイリまでは20分ほどだった。タクシーはホジャイリのバスターミナル兼バザールの駐車場に止まる。運賃を払おうと運転手に10000モナト札を2枚渡すと、彼は釣りをくれない。15000モナトだろうがと言ったが、札を握ったままこれでいいなどと言う。乗る前に確認したのにバカじゃないかと思ったが、バカな奴を相手にするのも疲れるので、カネモチの太っ腹なところを見せつけてやろうと5000モナト(約30円)はあきらめる。やれやれ、こういう奴がいるから移動は疲れる。

さて、まずはウズベキスタンのオカネがないので両替屋を探してバザール内を歩く。でかいリュックを背負っていることもあり、店の人や若い男たちがこちらを見て、何かごちゃごちゃと噂している。

適当にぶらついても見つからないので、その辺のお店のおばちゃんに両替屋の場所を教えてもらう。言葉ではよくわからなかったので、指さした方向に向けて歩く。

バザールはごちゃごちゃしていてなかなかよろしい。人出も多く活気がある。道はキョーネウルゲンチのバザールと同じくぐちゃぐちゃ。もっと寒ければ凍っていてちょうどいいのだろうが、暖かいから雪が溶けてべちょべちょになったのだろう。イランで買ったブーツが役立つ。

おばちゃんに教えてもらった方に行くが見あたらない。なので、近くのばら売りのお菓子屋のおばちゃんに聞くと、そこの旦那が出てきていくら両替したいのかと聞いてくる。20米ドルと言うと、携帯電話で誰かと話し始める。したら2階からでっぷりとしたおじさんが降りて来る。この人が両替してくれるらしい。1米ドル=14000モナトで両替。

菓子屋のおばちゃんにロシア語でありがとうと言って去ろうとしたら、なぜかおばちゃんは店で売っていたナン(円形のパン)を2枚ビニール袋に入れ、くれる。買い物をしたわけでもなく、こちらからお願い事をしたのにパンをくれるなんて、と感激する。ありがたくいただく。ここのバザールの人はわりとフレンドリーで歩いていたらたまにどこから来たのかと尋ねる人あり。

バザールの一角にもうもうと炭火の煙が立っている地帯があったのでそこに言ってみる。シャシリク屋が並ぶ一帯で通路でパタパタと串を焼いている。

朝飯も食っていなかったので、ここで飯を食うことにする。適当に指さして牛肉らしき串を注文。テーブルには透明の液体が入っている瓶があり、その液体には唐辛子やニンニク、胡椒の実(?)、セロリなどが浸けられていた。周りでシャシリク(串焼き)を食べている人を見てみると、この透明の液体を串にかけて食べている。なので、ぼくもそれを味見をしてみると透明の液体は酢だった。

まもなくして肉片が5つほどついている串2本が小さなパン切れと一緒に運ばれてくる。焼きたてということもあり、うまい。肉もうまい。酢をかけて食べるといっそう美味い。チャイもただでこれで2300スム(約150円)ほど。安いことは安いが、2本食べたくらいでは腹はたいして膨れないのがネック。

とりあえず満足したので、バスターミナルの方に行き、ヌクス行きのバスを探す。適当に尋ねるとすぐに見つかる。

車内にはすでに乗客が乗り込んでいたので、ぼくも乗り込み、席を確保。出発を待っていたら車内にサモサ売りのおばちゃんがやってきたので、サモサを1つ買う。お値段200スム。

12時40分にバスは発車。運賃400スム(約30円)は距離を考えると安い。

腹にものが入ったからかしばらくしたら眠くなり、寝てしまう。

14時前にヌクスに入る。近くに座っていたおばちゃんにヌクスホテルはどこにあるのかと尋ねると、降りる場所を教えてくれ、そこから別のマルシュルートカに乗るよう言われる。降りたところから別のマルシュルートカに乗ると、バザールで終点となり、そこでおろされた。

歩いていたら闇両替のおじさんたちが声をかけてくる。バザール用に立派な建物が建てられているが、その外側(つまり道ばた)にもいろんな物を売る人が集まってきていてなかなか活気がある。

まずは宿探しと地図を見ながらホテルヌクスに向かう。安宿などでおんぼろな小さい建物を想像していたのだが、これがまったく反対の様相をしていた。ホテルはこのまち一の高さではないかというくらいの高層ビルだった。これは高いんじゃないかと受付に行ってみると案の定外国人は一番安くて25米ドルとあった。安くならないか聞いたが、受付の女性はにこりともせず首を振るだけ。安いところはないかと尋ねたらホテルタシュケントが安いというので、そちらに行ってみる。

そこから歩くこと15分ほど。こちらもそこそこ立派な近代的な建物だった。受付の若い女性はモンゴル系東アジア人的な顔立ち。英語を話すのに驚く。宿代を聞くと3人の相部屋で1泊10米ドル朝食付きだと言う。なので、ここに泊まることにする。パスポートを見せ、レギストラーツィアの髪をもらう。

そして階段を上り、3階の部屋へ。

部屋には2人の男がいた。一人は金髪のオーストラリア人、一人はウズベキスタン人のおじさん。おじさんは部屋の中でもたばこを吸っている。

おじさんがロシア語で話しかけてくる。どこから来たのか、ロシア語はわかるかなど。おじさんはそこにいるオーストラリア人はぜんぜんロシア語がわからないとやや不満げにぼくに言う。当の彼は寝ている。

荷物をベッドの横に置くとおじさんは自分のペットボトルの水をプラスチックのコップについでぼくに差し出す。ちょうどのどが渇いていたのでありがたくいただく。

一息ついたところで部屋を出る。まずは両替をしなければいけない。バザールに向かう。その途中、インターネットと書いた看板を出している店があったので寄ってみるが、今はつながっていないとのことでネットできず。

バザールに行き、路上の闇両替で両替。彼の言い値は1米ドル=1400スム。こちらは1米ドル=1500スムでと言ったが、相手は飲まず1450だと言ってくる。面倒なのでそれでおれると、結局くれたのは1400スムで計算した額。またもや最初に確認した合意は無視される。なんなんだ。こっちも突っ込めばいいのだが、相手にするだけ疲れるし、そこまで損しているわけでもないので、気づかぬ振りしてカネを受け取る。最後に彼は握手を求めてくる。わけがわからんが握手してやる。

それからバザール見学。バスなどが走る広い通りから見るとバザールは体育館のような建物だけのように見えるのだが、実際にはそこだけではなく、その裏のスペースもバザールになっていた。テントスタイルの店もあればプレハブスタイルの店もある。もちろん屋根なしの台だけという店もあるし、荷車や乳母車に品物を並べて売っている人もいる。バザールの規模はそこそこ大きい。

屋内の店舗はとてもきれいだが、電気が少なく暗い。屋外の店舗はごちゃごちゃしていていいのだが、道がべちゃべちょで気をつけていないと足下が危ない。

大型の電化製品以外はたいていのものがそろっていた。絨毯や皮のコート、長靴、革靴、子どものおもちゃ、靴下、下着、薬、携帯電話などなど。食べ物もサモサ屋の他、食堂がいくつかあったので、そのうちの一軒で飯を食う。ラグマンを注文。すいとんのような、ほうとうのような太めでやや平たい麺に油が浮かんだ肉汁スープ。麺は歯ごたえがなく物足りないが、味はなかなかよい。

青果売場ではじゃがいも、人参、ひょうたん系の形をしたかぼちゃ、緑大根、キャベツ、白菜(悪くなった外側の葉を剥ぐ作業をしながら売っているおばちゃんたち多数)、干し魚(でかい魚から鮭のような魚、それからアジ程度の大きさの魚までさまざま。香りがよい)、みかん、メロン、赤りんご、青リンゴ、牛乳(ペットボトルをリユースしている。ビニールカバンに牛乳の入った1.5リットルなどのペットボトルを何本も入れて売っているおばさんが多い)、チーズ(数種類ある)などなど多数。

メロンを売っているあるおじさんは切り身にして売っていたのでひとかけら買って食べる。腐ってとろけている部分をさけ、良さそうなところを選んで食べる。これが甘くてうまかった。ひとかけら500スム(約30円)。

それから夜食用に干し魚を1尾買う。体長25cmくらいの中くらいの魚が2500スム(約150円)だったので、それを買う。それから総菜コーナーで春雨サラダと牛モツがメインのサラダを買う。それぞれ200g程度で600スム(約40円)、1500スム(約100円)。総菜売場にいるおばちゃんの中には韓国人のように見えるおばちゃんが数人いた。もちろんここでもチムチ(キムチ)は売られていた。

それからリンゴを1kg1500スム(約100円)、牛乳500ml500スム(約30円)、水1.5リットル600スム(約40円)などを買って帰る。

バザールをぷらぷらしていて思ったのが、けっこうモンゴル系の顔立ちをした人が多いな、ということ。トルクメは日本人や中国人に多少似てはいるものの、モンゴル系ほど丸っこい顔ではなかった。こちらは丸く平べったい顔をした人がよく目に付く。

部屋はたばこ臭いので廊下にあったソファに座り、早いけど買ってきた総菜を食べる。春雨サラダは日本のそれと同じ味。久しぶりの味になごむ。牛乳は牛乳の味だった。

しばらくして部屋に戻る。部屋の暖房は強烈に効いていて暑い。窓を開けて調整しないといけないくらい。相部屋ということもあり、書き物をするのは気が引けたのでガイドブックを見たりして過ごす。

おじさんはテレビを見ている。

ちょっと居眠りをして目が覚めたとき、テレビで映画が始まった。タイトルが「Little Tokyo」だったのでおじさんと一緒に見ることにする。舞台はロサンゼルスのリトルトウキョウ。ちょうど1年前に行ったところなのでなんか懐かしく思う。映画は80年代くらいに作られたのか、登場人物の服装などが古くさい。

ストーリーはリトルトウキョウに根を張っているヤクザとそのヤクザに親を殺されたアメリカ人警官との対決話。アメリカ人警官が二人でヤクザのグループに乗り込み、やっつけてしまうまでを描いている。指詰めのシーンや日本刀を振り回したり、手裏剣を投げたり、相撲取りがやくざの一員だったりとよくあるパターンが映し出される。ある意味おもしろい。

結局最後まで見て、ようやく眠りにつく。

Fin

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