辺見庸『もの食う人びと』角川文庫、1994=1997
バングラディシュのダッカで残飯の残りを食べる話。ソ連の新兵の栄養失調による死、チェルノブイリの話、択捉のごぼうとふきの話、そして韓国の従軍慰安婦だった人の話。それからエチオピアのコーヒー原産地近くの村での話。どれも印象的だ。
353
辺見が中国人の古老から聞かされた言葉
「見えない像を見なさい。聞こえない音を聞きなさい」
365
船戸与一の解説から
「わたしたちはなぜ意味を欲しがるのか? あらゆる事象に意味を付加しなければならないとどうして考えてしまうのか? おそらくわたしたちは気づいている。意味は秩序を形成する。意味づけを怠れば世界は混沌としてしまうからだ。混沌が怖いのか? そうだ。怖い。それは秩序の崩壊なのだ。憎んでいても軽蔑していても秩序さえ存在していれば、わたしたちの価値観に揺るぎはない。」
2008.5.6 ラパスにて
YOHKOSOに置いていく
2 件のコメント:
ふうさん、アンネのバラ友です。
辺見さんの「もの食う人々」を海外旅行中に
読むと、ひと味、印象が異なるでしょうね。
日本を出発して、丸五ヶ月(約150日)、
いろいろな食事を体験されましたね。
食料自給率39%の日本で、厚生労働省の
仕掛けたメタボ・ブームにダマされないようにしながら、「いかに生き・いかに食べるべき」かを考え直しています。
こんにちは。しばらく更新してないので心配してましたが、元気そうですね。
「もの食う人々」懐かしいです。
でも大学生の時に日本で読んだときは、
ただ文字だけを追っていたように思います。
旅に出て本を読むっていいですね。
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