2008年6月28日土曜日

池澤夏樹『マシアスギリの失脚』

池澤夏樹『マシアスギリの失脚』新潮文庫、1993=1996



110
「文化は異種の文化との接触によって内容を複雑化し、威力を増す。政治が異物をなにかと排除して統一性の中に力を求めようとするのとは対照的であることを、マスアスは早い段階で悟ることになる。」

224
「酔っぱらいというものは最も進化した平和的な動物である」

256
「進んだ資本主義では製造者でも消費者でもなく、間に立つ者がすべてを決めるという原理を彼はここで学んだ。物資でも思想でも、大事なのはいつも流れの中流あたりに身を置くことだ。」

353
「異国に行って異国の文化を学ぶ者にとって、究極の目的は、あなたはまるでイギリス人そのものだと言ってもらうこと。この自己滅却と変身の願望。これを措いて留学の喜びはない」」

参考文献
矢内原忠雄『南洋諸島の研究』1935
松岡静雄『太平洋民族誌』1941
松岡静雄『ミクロネシア民族誌』1943
高岡熊雄『ドイツ内南洋統治史論』1954

2008.5.6 ラパスにて
YOHKOSOに置いていく

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