2008年6月12日木曜日

初雪、インディヘナの博物館

08/05/26(月)

・初雪
・ヤマナ博物館 

目が覚めたのはすでに明るくなってからだった。窓から外が明るくなっているのを見て、すっかり寝過ごしたことを悟る。時計を見ると予想通り9時を過ぎている。夜中に2度ほど目が覚めたけれども、これほどまで寝るとは。

特に遠出する用事もないので、午前中は宿にいることにする。10時頃、屋根をボトボト打つ音が聞こえてくる。窓から外を見ると、雨粒に混ざって白いきらきらしたものが見える。

そのうち屋根を打つ音は消えたが、雪がしんしんと降り始める。この調子で降り続けば1日で1mは積もろうかという勢い。

昼過ぎ、宿をでる。前の通りは新雪のおかげで滑りにくくなったが、そのぶん靴が湿る。例のごとくコレクティーボはすぐには来そうになかったので、雪の中、セントロに向かって歩く。一つ目のカーブを曲がると、それまではなかった風が急に吹いてくる。どうも風の通路になっているよう。真っ正面から雪が吹き付け来るから、目を開けるにも一苦労。

気温計を手に持ち、計っていたら2度まで下がった。手袋をしていないので、あっと言う間に手の感覚がなくなる。

左手に持ってた温度計を右手に持ち変えよう立ち止まっていたところ、脇をコレクティーボが通り過ぎる。ああああ、また30分近く待たねばならない、などと思いながら、とにかく次の停留所まで歩く。停留所まで行くと小屋があるので、そこで風はよけられるからずいぶん寒さもやわらぐ。

10分ほどでコレクティーボが登場。1.5ペソを払って乗り込む。

中心部の入り口で降りる。まずは近くの博物館に行こうと思い、そちらに向けて歩く。が、途中、レストランがあったので、そこに入る。小さいレストランだったので地元の人向けかと思ったが、でてきたメニューには英語が併記されていて、値段もけっこうする。なので、表の看板にあった18ペソのわりかし安いMenu del dia(今日のメニュー:ランチメニューみたいなもの)を頼む。

Menu del diaというメニューは南米では一般的にあり、ボリビアなどではたいていスープとパンとメイン、デザートというセットだった。アルゼンチンもそんなものかと思っていたら、でてきたのは、パンとラザニアみたいな料理だけ。まだでてくるだろうとしばらく待っていたが、何も出てこないので諦めて代金を払って出る。

それから気になっていた博物館に行く。MUSEO YAMANAという博物館で、パタゴニアのいわゆる先住民のことを紹介しているところ。

入場料10ペソ(約400円)。博物館は3室しかなく、最初の部屋はいわゆるグレイトジャーニーの説明。ここに最初に住みついた人々は、ベーリング海峡を渡って南下してきた人と太平洋の島から船で来た人とがいるらしい。

説明文はスペイン語と英語の併記なので、わかりやすい。

次の部屋はヨーロッパ人の進入をテーマにした部屋で、いわゆる大航海時代に使われた船のルート及び、その後の征服の過程などを簡単に図示している。

その部屋の半分と最後の部屋が先住民族の紹介。ここらあたりTierra del Fuegoには3つの民族がいて、ある民族では釣りはもっぱら女性の仕事だったらしい。女性は釣りに海に出て、男は陸地で狩りなどをしていたらしい。

また、衣服はふんどし程度で、家も縦穴式住居に近いような簡単な家に住んでいたという。それでどうやって冬をしのいでいたのか、とても不思議。

この民族の血をひく人たちは、今でもここらに暮らしているらしい。

先住民に関する本が数種類あったので、英語の本を1冊購入。また、ウシュアイアの歴史をまとめた本もあったので、それも買う。いつ読むのやら。また荷物が増えた。

それから郵便局に行く。郵便局に入ってすぐのところにはアルゼンチンの切手が展示されているコーナーがあった。マラドーナが活躍したワールドカップ大会の優勝を記念したものから、アルゼンチンの特徴的な風景や景色の切手、ボデガ(ワイナリーみたいなところ)の風景の切手、それから南極やペンギン、アザラシなどの切手など、コレクションとしても面白そうなものがある。

なので、コレクションとしていくつか買おうかと思い、窓口の人に言うと、ないと言う。3種類しかここでは扱ってしないらしく、博物館に行けばあるというようなことを言う。

じゃあ、またブエノスアイレスででも買えばいいかと思い、必要なぶんだけ買い、出る。

その後、本屋に行く。行ってみたら15時前だというのにお昼休み。午後は15時半からだという。相変わらず雪は降り続いており、メインストリートにはほとんど人通りがない。

そんなメインストリートの角っこで、このまち唯一の屋台が営業していた。チリでもずいぶん見た豆菓子とポップコーンの屋台で、足踏み式(なんのためかはわからない)になっているらしく店のおじさんはずっと足踏み代を踏み続けている。

こんな雪の日に、かつ人のいないところで商売するなんてと感心し、一袋豆菓子を買うことにする。1袋2ペソ(約90円)。

15時半を待って本屋に行く。さすがに観光地の本屋ということで、ロンリープラネットも中南米はほぼそろっている。

本棚を見渡して目をひいたのがチェ・ゲバラの本の多さ。2棚ぶんおそらく20種類ほどあり、写真集から分厚い単行本まで、英語とスペイン語それぞれの本が並んでいる。さすがにゲバラの出身国ということか。英語の本でゲバラの南米旅行について書いた本があったので、つい気になり、買ってしまう。55ペソ(約2000円)。2005年にアルゼンチンで出版された本のよう。

4時も近くなったので、宿に戻る。ここまで雪が降り、風が吹くとさすがにあまり外にはいたくない。

さっさと宿に帰り、あとは宿でのんびり。腹は減らないので晩飯は昨日に続きなし。今日、新たに2人、客が増える。一人はバイクで来たという人。ブエノスアイレスから3000kmほどを8日かけてきたらしい。

Fin

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