2008年8月25日月曜日

[Sevila:Spain→Tanger:Morrco]セビージャからタンジールへ

08/07/09(水)
[Sevila:Spain→Tanger:Morrco]

・セビージャからバスでアルへシラスへ
・船でモロッコ入国

7時頃起床。すっかり外は明るくなっていて、空も昨日に引き続き真っ青だった。

昨日まではグラナダに行こうかと考えていたのだが、予算のことなどを思い、結局、今日モロッコに入ることにする。

8時に朝食だったので1階のレストランに行くと長蛇の列。学生らしい若い男女らが100人近くいた。どんな朝食か楽しみにしていたのに、カウンターに置かれているものを見てがっくり。メニューはコッペパンのようなパンとチョコレートのかかったドーナツ、2種類のコーフレークのみ。あと飲み物として紅茶のティーバッグと牛乳、オレンジジュースが用意されている。

救われたのはパンなどはいくら食っても良かったこと。なので1日ぶん食いだめしようと頑張る。みんなの食べ方を見ていると、コッペパンは半分に切って開いた形にして備え付けられているトースターで焼き、いい具合に焦げ目がついたら取り出し、オリーブオイルやトマトを細かく刻んでドレッシングのようにしたものをかけて食べている。特にトマトの細かく刻んだものがうまい。トマトの品種が違うのだろうが、甘いトマトではなく、塩気が含まれていてこれがパンに合う。

結局、ドーナツを2個とパンを5個、コーンフレークを2杯食す。パンをいくつかもらっていこうかと思ったが、コッペパン自体に塩気があり、あまり好みではなかったのでやめる。

膨れた腹をかかえて部屋に戻り、しばし休憩。それから、いったん宿をでて、近くのATMでアフリカで使うためのユーロをおろす。セネガルなどではATMが使えるらしいのだが、もしものことを考えると現金で持っておくのが安心。大量の現金を持ち歩くのは危険という話もあるが、結局は運次第。南米ではカードで降ろすよう脅迫されたという話もあったし、結局は持ち歩いていようとなかろうと、悪い奴に出くわしてしまえば同じことだ。

お金の準備ができたところでチェックアウト。昨日歩いたところでは、バスターミナルまでは歩けない距離でないことが判明したので歩いていくことに。

途中の交差点で信号待ちをしている車の窓拭きをして稼いでいる女性が3人ほど。中南米ではどこの首都でも見た光景だったが、まさかスペインでも見るとはと驚く。なお、ホームレスらしき人は見ることなし。

10時過ぎの時点で街角の温度計は30度を示していた。川沿いの道をひたすら歩く。途中、1度休憩して40分かけてバスターミナルに到着。そして颯爽とチケットを買いに行ったら、なんとここからジブラルタルに行くバスは出ていなかった。もう一つのサンセバスチャンという広場にあるターミナルから出ていると言う。位置を教えてもらうと、なんと宿から歩いて15分ほどのところだった。

この暑い中歩いたのにとショックで、また30分近く歩く気力はわかず、バスに乗る。幸いなことにここの前からもう一方のターミナル前まで行くバスがあった。

C4番のバスに乗る。てっきりサンセバスチャンというバス停があるものだと思っていたが、それらしきところには停まらず1周して元のターミナルに戻ってきてしまう。所要時間50分ほど。途中、バスターミナルを示す看板が見えたから、どうもそこで降りないといけなかったよう。

バスは循環バスだったので2周目だからと改めてお金を払う必要はなかったのが幸いだった。今度はきちんとターミナル近くで降りることができる。

ターミナルに着いたのは12時。けっこう頻繁にバスは出ているだろうと思っていたら、ジブラルタル(のLa Linea)に行くバスは次は14時だった。しょうがないので、それを買って待つことにする。運賃20.2ユーロ(約3200円)。マドリッドからのバスと比較すると高い。

ベンチであれこれと考えていたら、どうも予定通りにジブラルタルに行ったりしていたら今日中にモロッコに入れないような気がしてきた。バス会社のおじさんに何時にジブラルタルに着くか聞くと6時だという。ジブラルタルからタンジールに行く船は、確かネットで調べたときは17時台はあったが、18時台は見なかった。イギリス領土のジブラルタルを経由してモロッコに行くつもりだったのだが、もし船がないとなるとジブラルタルで一泊しなければならなくなる。そうするとなんぼ安くても20ユーロは吹っ飛ぶので、そうなると予算的にイタい。

そんなわけで行き先を変更し、Algeciras(アルヘシラス)というスペインの端っこに行くことにする。ガイドブックのロンリープラネットによれば、アルヘシラスからは毎時間船があるとあった。もう一つ手前のTarifa(タリファ)からだと35分ほどでアルヘシラスよりも安く行けるとあったが、こちらは日に5本ほどとあったので、安全をみてアルヘシラスに行くことにする。

アルヘシラス行きのバスは別の会社も出しており、そっちは13時発だった。なので、キャンセルしようかとチケットを買ったバス会社の窓口に行くとキャンセルできないと言われる。ケチくさい。クソッと思いつつ、しょうがないので待つことにする。

バスは14時ちょっと前に入ってきた。例のごとく自分でリュックを荷台に積み込む。

バスはすぐに発車。市街地を抜けると塩を作っているらしい塩田を発見。マドリッドからセビージャまでの道とは違って、けっこうくねくね曲がる。例のごとくしばし休眠。

起きるとバスは放牧地のようなところを走っていた。起伏がわりと大きい地帯で、車窓から見える牛はがっちりとしている。

そのうち風車が現れる。道路の両脇に広がるひまわり畑や放牧場の中に風車が100基ほど。どれも勢いよく回っている。牛は風車の傍らでのんびりしている。風車の音で牛がビビらないのかと思ったが、バスの窓は開けられないため風車の音を聞くことはできず。

この辺りは一大風力発電地帯になっているようで、新たに見えてきた山の際にも風車がドドドンと建てられていた。おそらくこの1帯だけで300基はあるんじゃないか? ひまわりもバイオ燃料対策なのか?

そのうち前方に海が見えてきて、白い砂浜の向こうでウィンドサーフィンをしている人たちがぎょうさん見える。そしてTarifaに到着。意外にもタリファは海岸リゾート地のようなところで、しゃれたホテルがいくつかあり、現在建設中のホテルも数軒あった。ここで何人か客が降りる。

バス停から船乗り場が近いならここで降りて船を確認し、もしなければまたアルヘシラスに行く方法も考えていたのだが、船乗り場は近くに見あたらなかったためおとなしくアルヘシラスまで行くことにする。

タリファから峰を越える。峰にかかると右手に地中海が見え、海上を進むフェリーや貨物船の姿が見えた。アフリカ大陸も見えるのかと期待していたのだが、空は晴れているものの、海上は白く煙っているためまったく見えず。

17時半前、ようやくアルヘシラスに到着。ターミナルを急いで出て、海の方に向かう。緩い下り坂を歩いていくと、船乗り場を示す看板がいくつもあり、それに従っていくと無事船のチケットを売っているオフィスに着いた。しかし、そのオフィスに入ろうとしてみると、なんと閉まっていた。そこへここの社員らしき男性が来て"It's close."と言う。えーっ!と思ったら続けて”You have to go behind the park."とあっちを指さしながら言う。そのオフィスを出てみると、オフィスの裏手(海側)には駐車場があり、その向こうには白い建物が建っていた。どうもそこでチケットは買えるらしい。

早足でそちらの建物に向かう。”チケット売場”とスペイン語と英語で書かれているマークを頼りに歩いていくと、無事、チケット売場を発見。5社ほど船会社の窓口があり、その中から次の便が早い時間にあり、少しでも安いところを選び、チケットを買う。

窓口の女の人にTangerまでのチケットを頼むとパスポートの提示を求められ、それを元に彼女はパソコンに情報を打ち込み、チケットを発券してくれる。料金は44ユーロ(約7000円)。高いなぁ、もう。談合していそうな値段だ。

出発は1時間後の18時半。1時間近く時間がある。船乗り場の場所を聞き、そちらへ向かう。途中の通路にはトラベルエージェントのオフィスがいくつかあった。両替商もあり。

船の搭乗口は通路でつながっている別の建物の2階だった。1階にネット屋があったので、そこでネットを少々。30分1ユーロ。

18時前に搭乗待合室に移動。チェックインするための窓口があり、そこでさっき買ったチケットを見せると、飛行機と同じように搭乗券をくれる。それを持って待合い所のベンチで待つ。

待合い所には50人以上の人が船を待っており、女性の中にはベールをかぶっている人も多い。聞こえてくる言葉はアラビア語。子ども連れの人も多く、きゃっきゃと遊んでいる子たちの声が聞こえてくる。

18時半になって入り口が開き、まずはスペインの出国手続き。モロッコのパスポートを持っている人は、簡単に通っていた。ぼくの番が来て、係官にパスポートを見せると、”Japan!"と言って、スペイン入国のスタンプを確認した後に出国スタンプを押してくれる。そして”アリガトウ”とぎこちない日本語を言いながら手渡してくれる。

そこから通路を歩いて船へ。船の入り口でチケットのチェックあり。船の中はなかなか豪華で、ソファで囲まれた机がいくつもあり、免税品店もある。船に入るとすぐの売店のカウンターのようなところに入国カードが置かれていて、みなそれを取っていたので、ぼくもそれを1枚とる。アラビア語と英語の併記。

ぼくはデッキにあがろうと船内をふらつく。そしたら、なんだか入国手続きをしているらしい部屋を発見。あわててそちらに行き、列に並ぶ。

2001年に富山からウラジオストクに行ったときも船に乗るときにそれらしき手続きをしたことを思い出す。が、そのときは旅行会社の人が一緒だったからそんなことがあったこともすっかり忘れていた。

30分ほど待って、ようやく入国審査終了。特に質問もなく、すんなり終わった。

そうしてからデッキに出て、出発を待つ。しかし、これがまったく出ない。

1時間過ぎても出ないので、デッキのベンチに横になって待つことにする。すると気が付いたときには、いつの間にか船は出ていて、港はだいぶ遠くなっていた。

岸から見たときと同じように海上はあまり見通しは良くない。風にあたっているとだんだん冷えて来たので、正面左のデッキから後部のデッキに移動する。

後部のデッキには30人くらいの客がいて、めいめいのんびりしていた。

右手には太陽。離岸から1時間。ガイドブックによれば1時間ほどでモロッコに着くはずなのだが、岸はまだ見えない。太陽はいよいよ傾いてきて、しばらくすると海の向こうに沈んでしまった。

予定では18時半に出れば20時頃にはモロッコに着き、そうすれば明るいうちに宿を探せると見ていたのだが、完全に予定が狂ってしまった。出発に2時間もかからなければ、ほぼ予定通りだったはずなのだが。

結局船が着いたのは暗くなってしまった後、22時過ぎだった。船がアルヘシラスを出たのは20時半頃だったから1時間半ほどかかってのモロッコ入りだった。

モロッコに着いたもののまた降りるのに30分ほど待たされる。入国手続きは終わっているから何か手続きがあったわけではないのに。

船を下りたところから無料バスが出ていて、船のターミナルまで連れていってくれた。ターミナルでは荷物のチェックがあるが、機械を通すだけで質問も何もなし。

歩いていたら15歳くらい子が”ニーハオ、コンニチハ”と声をかけてくる。そして、”ビューティフル”とここと下を指さしながら言う。一緒にいた姉らしい女の子はぼくに”トウキョウ ビューティフル?”と聞いてくるから、”ノー”と答えると”モロッコ、ビューティフル”と言う。きっとそうなのだろう。

ターミナルの建物から出ると、ぼくを見たタクシーのおやじが遠くから手招きしながら寄ってくるので、無視して逃げる。両替所がタクシー乗り場の裏にあったので、そこで両替。こんなに遅くまで開いているなんてすばらしい。1ユーロ=約11ディラン。

そこで20ユーロほど両替する。さて、次は宿。ロンプラを見る限りでは歩いてでも行ける距離なのだが、まちの雰囲気がどうなのかがわからない。危ないのか危なくないのか。いろいろ考えて、念のためタクシーで行くことにする。若いあんちゃんに声をかけ、宿の住所を見せると5ユーロと言う。日本にしたって相当高いが、いちいちごねるのも面倒だし、小さなユーロがなかったので、それでオッケーする。

走り出してすぐに別の客2人を乗せる。港の入り口を出たら、すぐそこが繁華街でレストランなどはまだ開いていた。人通りも多く、雰囲気もよし。宿がある通りまでは10分足らずで到着。運転手はここだと言うが、泊まる予定のユースホステルのマークがない。しかし、住所ではここだというので、タクシーを降り、その住所の宿に行き、受付のおじさんにスペイン語で聞くと英語でユースホステルは移転したと言う。場所を聞くが、ここにはないと言う。

あいや、と思い、ここの宿の値段を聞くとさっき両替した20ユーロぶん以上の金額だったため却下。別を探す。

歩いていたらすれ違いざまにおっさんが、ホテルを探しているのかと聞いてくる。他にも安いホテルがあるといって言い寄って来る人が数人。面倒くさい。頼んでもないのに、ぼくの前を歩き、こっちこっちと案内するあんちゃんが登場したので、適当に見つけた宿に入って値段を聞く。最初はディランで言われたためなんぼかなと考えていると15ユーロ程度と言うので、予定よりも10ユーロばかし多い出費だが、夜も遅いのでここにする(後に3倍ほどぼられているであろうことに気づく)。

2階の部屋を案内される。ベッドが一つと机、あと洗面所が着いた9畳ほどの部屋。ヨーロッパと比べては悪いが、値段の割にぼろい。中南米で言えば5ドルくらいのところだ。

宿代150ディランを払うと手持ちのディランがなくなったため両替しにまた港に行く。歩いて15分ほど。港までは繁華街だから23時をすぎたこの時間に歩いていても寂しくない。

両替所はまだ開いていたので50ユーロぶん両替する。戻ってきて、広場に出ていた屋台をのぞく。何を食べているのかと思ったら小さな巻き貝だった。小鉢に20個ほどの貝が盛られている。うまそうだったので1つ頼む。レモンに刺されていた安全ピンを右手に持ち、それで中のものをひっかきながら食べる。貝の身自体は小さくなんだかヌルッとしたなめくじのようなものだったが、スープが絶品だった!正直、驚く。香辛料がきいたぴりっとした透明に近いスープで、後味もさっぱりしていてキレが良い。なかにはスープだけを飲んでいく人もいる。値段は3ディラン(約50円)。これはお得だ!

それから雑貨店でバナナと1.5リットルの水を買う。合わせて10ディラン(約150円)。スペインに入って以降、水はすでに3日足らずで4リットル近く飲み干している。

レストランもまだ開いていて、料金を見てもだいたい400円くらいで食えるようだったが、明日の移動に備え、飯は食わず。揚げた魚などがあったから食べてみたかったけれども、また海辺のまちに行くので、それまでお預け。

明日の朝飯のつもりで買ったバナナだったが、腹が減ったので宿で食ってしまう。

そして2時頃就寝。

Fin

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