2008年12月30日火曜日

[diary]ベイラへおでかけ

ベイラへおでかけ

08/09/04(木) 雨→曇り
[Chimoio←→Beira:Mozanbique]

・雨
・ベイラまでの道で
・モザンビーク第2の都市ベイラ
・警察チェック
・海辺の市場、海岸でトマト交易
・路上生活者たち

7時過ぎに起床。外からは雨音がする。今日はここからバスで3時間ほど海側に行ったベイラというまちを見に行こうかと思っていたが、雨はけっこう強い。しばらく様子を見る。

8時頃になって雨が弱まった。ベイラまでは200kmあるからあっちは晴れているかもしれないし、アフリカで一日中強い雨が降り続けることもないから、予定通り出かけることとする。

鉄道駅前のバス乗り場に歩いて行き、ベイラ行きのバス(モザンビークでは近距離のバスをシャパス;Chapasと呼ぶ)を探す。マイクロバスと大型ワゴンの2種類があり、客が集まっている大型ワゴンを選択。一番後部の座席は3人用シートなのに4人詰め込まれる。

座席はすぐに埋まり、バスは発車。

1時間ほどでInchopeの交差点につき、そこで数人客が降りる。車が止まると一斉に物売りの少年等が窓の近くに集まってくる。パンやジュースなどを売る子が多い。南アフリカからそうだったが、ここは缶ジュースをけっこう売っている。銘柄はファンタとコーラとスプライトというお決まりの品。ペットボトルであれば容器を再利用できる(市場で売られていたりもする)のだが、缶だとそれができない。アルミ缶がお金になるということもないようで、缶ジュースを飲んだ人はぽんぽん窓から缶を捨てる。日本ではペットボトルより缶の方がリサイクル率が高かったはずだが、この様子ではこちらでは逆になっているよう。

沿道には集落がときどき現れる。こちらも家は藁葺き屋根に土壁。円形と長方形の家が基本。

市が開かれている集落もあり、そこは人の出も多い。車はそうしたところで人を乗せたり、降ろしたりしながら走る。そして、そのたびに車の周りに物売りの人がぐわっと集まる。ぼくは一つのところでゆで卵を2個買う。値段は1個5メティカシュ(約20円)。ぼくの左となりの窓際に座っていた少年は、ぼくが卵を食べ終わると暗黙の了解のように閉めていた窓をすっと開け、外に捨てるよう指で合図をする。

沿道には小学校や中学校もときどき現れる。50m四方ほどの校庭では、子どもたちが何やら遊んでいる。

1時間くらい走った頃に運賃が集められる。ドアの開閉&客引き&集金担当の人がそれぞれの行き先を聞いてカネを集める。運賃は150メティカシュ(約600円)。

てっきりこのワゴンでベイラまで行けると思っていたら、沿道の比較的大きな集落前で止まり、同乗のおじさんがここで終わりだと教えてくれる。乗るときにベイラに行きたいと言ったし、150メティカシュも払っているのに、なんだなんだと思いながら運転手にベイラまで行くと伝えたはずだがと言うと、前に止まっているワゴン型バスを案内され、これに乗れと言う。

このワゴンもすでに9割ほどの席が埋まっていて、すぐに発車する。運賃を聞くと75メティカシュ(約300円)。さっきの150メティカシュと合わせるとかなり高くなる。おかしいなと思っていたら、結局、追加料金は請求されず、ベイラまで行くことができた。

乗客を降ろすために止まる度に車の周りにはいろんな物売りが集まってくる。ぼくはあるところでオクラを売っていたので一袋ぶん(500gくらい?)を購入。値段は10メティカシュ(約50円)。

そうした途中立ち寄ったりした集落の小さなで売られているものは、トマトがまず多い。今が季節なのかもしれない。それからバナナもぎょうさんある。その他、パイナップルやパパイヤ、赤・青りんご、ゆで卵、ファンタ、スプライト、コカコーラなどなど。

平地が多く、遠くまで見渡せる。

ベイラには12時過ぎに到着。まちの中心部に近い一つの通りの道ばたがバス乗り場になっていて、そこに車は止まった。

あたりには商店や露店などが並んでいる。

地図を持ってきていなかったので、適当に人の流れを見ながら中心部に向けて歩く。人の流れに乗って歩いていると細い道に入り、小さな橋を渡った。どぶ川のような幅2m程度の川にかかる橋で、歩行者専用の橋。橋の幅も3人並んで歩けばいっぱいという程度の幅しかない。その橋に足を踏み入れると、橋の両端に数人の人が座り込んで物乞いしているのが見えた。見ると、どの人も目が見えない人たち(男女半々くらい)。右手や左手の掌を天に向け、何やら言いながら誰かがその手にカネや物を乗せてくれるのを待っている。

その橋を抜けると今度は靴屋の露店街だった。おもしろいのはたいていの人がシートも敷かずに地面の上に商品を並べていること。マプトでもそうだったが、服なども地面に直に並べて売っていることがある。

周りからの視線を感じつつ、そこを歩いていたら警官2人の姿が目に入る。通行人を捕まえて身分証のチェックをしているようだった。目が合わないようにさっさと視線を変え、前を向いてあるいていると後ろから”Hello"との声が聞こえる。さっきの警官らしいことはわかったが、無視していたら見逃してくれるかと思い、聞こえないふりをして歩き続ける。そのうち声は聞こえなくなる。

大きな通りにでて、信号待ちのため立ち止まると、右から声をかけてくる人がいて、振り向くとさっきの警官だった。”Tudo Bem?(直訳するとすべてうまくいっているかというような意味:スペルが違うような?)"と聞いて来るので"Sim,bem,bem"と答える。すると彼はOKと言って回れ右をするように来た道の方向へ体の向きを変える。それを見て、なんだ声をかけただけで終わりかと思って、信号の方にぼくも向き直すと、また後ろから声がかかる。そして、彼は手招きして一緒に来いという仕草をする。

やれやれと思いながら彼と一緒に歩く。彼はさっきぼくが彼らを発見した場所まで戻り、そこで身分証をチェックしていた彼の上司らしい女性の警官に何事かを告げる。その女性はぼくを見て、身分証を出すように言う。ポルトガル語はできるかと聞くので、できないというと拙い英語に切り替わる。パスポートを見せ、どこに行こうとしているのか、ビジネスで来ているのかなどを聞かれる。男の方の警官は、女性よりも英語ができないようだった。その彼は、なぜかビールを飲んだりするかというような話を振ってくる。

5分ほどで解放され、またまち中心部に向かって歩く。マプトと同じく、ここも建物がぼろぼろになっているものが多い。モザンビーク第二の都市とガイドブックにあったので、けっこう大きいのかと想像していたが、そうでもない。人通りもたいして多くなく、また商店街のようなところも少なく、閑散としている印象を受ける。

ここに来たのは少なくなったメティカシュに両替するためということもあり、まずは両替屋を探す。ぶらぶらしていると銀行が4つほど固まってあるところに出て、その1角に両替屋が1軒あった。レートを見ると1米ドル=24.7メティカシュ、1ユーロ=35メティカシュ。他にも見つかるかと思い、とりあえずレートを確認しただけでまた歩き出す。

半分壊れかけた5階立てのビルやどうすればこんなふうに壊れるのだろうと思ってしまう建物の間を歩く。内戦時に破壊されたままの建物が残っていると『旅行人』にはあったが、どれがそうなのかは今一判然としない。

歩いていたら海辺の方に出た。近くにはポルトガル・モザンビークなんとか学校と書かれた学校があり、子どもたちが小さな校庭で遊んでいた。

防波堤のようなものが見えたので、そちらに向かって歩く。防波堤沿いにはパラパラと10人くらい男たちがいて、それぞれ何をするともなく、海を眺めていたり、防波堤にもたれて座り込んでいたりする。

海を眺めると正面に沈没した船の上部が海上に見える。右手は貨物船の港になっているようで、大型船が何隻か止まっていて、左手遠くには砂浜とマングローブの林が見える。砂浜に人だかりが見えたので、取ってきた魚の取引でもしているのかと思ったが、遠くて確認できない。

人々が集まっているところに浜づたいに行こうかと防波堤の下をのぞき込むが、途中がマングローブの沼地のようになっていたので、浜沿いではなく、町の中をいったん通って向こう側の浜に行くことにする。

適当に町の中を通り、浜の方に向かっているとだんだんと道が砂地になり、その先に露店街が現れた。木材で簡単な骨組みを作り、ビニールなどを屋根に張った簡単な店が幅3mほどの砂道を挟んで両脇に並んでいる。売られているものは服が多い。

どうやらこの一帯は市場になっているようで、メインの服屋の通りの裏側にもう1本細い道ができていて、そっちでは野菜などが売られていた。露店沿いに200mほど歩いていき、右手に曲がり海に出る。広い砂浜の1角に100人くらいの人が集まって何かしているので、そこをのぞきに行くと、やっていたのはトマトの売買だった。トマトをいっぱいに詰めた木箱を持っている人が何人もいて、なにやら取引をしている。浜に近い海上にはモーター付きの木造船が止まっていて、船内には大量の荷物が積み込まれているのが見える。海を挟んで左手や右手には島らしい陸地が見えるので、どうもそこをつないでいる船のよう。

てっきり魚が見れると思って来たのにトマトだったので、ややがっくり。

また露店が並ぶ一帯に戻る。蛇行している通りに沿ってとりあえず端の方まで行ってみる。魚を干している場所や網を修理している場所などがあり、端の人は人家のようだった。人家はユニークな作りになっていて、壁は竹らしき材で格子状に編み、それを内側の壁と外側の壁の2重にして2枚の間(数cm)には不定形の石を詰め込んでいる。コンクリートの建物にたとえて言うなら、編んだ格子状のものが型枠で石がコンクリートの役割をしているような感じ。海辺なのでもしろん足下は砂。

端まで行った後、また戻る。服屋などが並ぶメインの通りまで戻ってから、野菜屋や食堂が集まっていた一角に行く。その中の1軒の食堂で昼食とする。ここはコンクリート作りの6畳ほどの小さな建物で大きな窓がない上、電気もないので中は暗い。

腹が膨れてからその市場の一帯から出て町中に行く。市場の賑やかさからすると町中はちと寂しい。店もいくらかあるが、ぽつんぽつんとあって凝縮性が足りない。路上には工具やカシューナッツやジュースなどを売る人たち。人通り自体が少ないからあまり儲かってなさそう。それから両替屋も少ない。

適当にふらついていると、またもや警察に声をかけられ、パスポートの提示を求められる。パスポートを見せればそれで終わり。

それから適当に歩いていると、今度は市場として作られた一角にたどり着く。こっちの市場は売場や通路などがコンクリートで作られているからいわゆる公設市場のよう。果物や野菜、お菓子、服などがいっぱい。あたりにはごみもいっぱい。

そこから近いところにスーパーがあるのが見えたのでそちらに行ってみる。さすがにスーパーは市場と比べるとやや高い。が、お客はけっこう入っている。白人も黒人もいる。

スーパーの駐車場ではストレートチルドレンらしき男の子たちが3人ほど、店から出てきた客などにあれこれと物をねだっている。そこへ警備員がやってきて、あっちに行けと駐車場の外へと追いやろうとする。一人だけはそれを適当にかわし、駐車場を一度出てはまた入りを繰り返す。

もう15時を過ぎようとしていたので、暗くならないうちに帰りつこうとバス乗り場までてくてく歩いていく。

しばらく待てばバスが出るというので、窓辺の席を確保して、水を買ったりしてしばらく出発を待つ。

15時半にバスは出発。車体はいわゆるマイクロバス。着た道と同じ道を走る。

ときどきスピードを落とさせるために凸が作られているポイントがあるのだが、そういうところにさしかかると待ちかまえていた物売りの人たちが窓越しにカシューナッツやジュースなどを売り込んでくる。が、買う人は稀。

今回は乗り換えなしでシモイオまで行く。18時半過ぎに日は暮れ、シモイオのバス乗り場に着いたのは19時過ぎ。昼間は賑やかな市場あたりもすでに商売を終え、人通りは少なくなっている。それに変わってというか、近くの通りには鶏の串焼きを売る人が数人現れた。

宿に戻ると宿主のドイツ人女性が遅いから心配していたと言う。この辺でも夜はあまり治安が良くないらしい。

ベイラに行くときに立ち寄った村で買ったオクラを茹でて食べる。小指程度の大きさの物はなかなかうまいが、それより大きくなると繊維が固くなり過ぎていて食べられない。

夜は明日のジンバブエ行きに備えて荷物の準備などをしておしまい。

Fin

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