2008年5月8日木曜日

リマで一日

08/04/23(水)

・リマのタマーレ
•ブラジル大使館でビザ申請
•旧市街をぶらぶら
•メルカドセントラル

6時頃起きる。部屋はちょうどいい具合の温度。

昨日の感じからすると、1時間あればブラジル大使館に着くだろうと、8時前に宿を出る。そして、昨日と同じバス乗り場でミラフローレスに行くバスを探す。

バス乗り場付近にはマテ茶や新聞売りに混じってタマーレ(トウキビの粉をトウキビの葉で包んで蒸したもの)を売っているおばさんがいた。

タマーレはメキシコやグアテマラ、それからキューバにもあった。行くとこ行くとこで買って食べ比べている。なので、ここでもおばちゃんから1つ買う。形は長方体の両端を閉じたような格好。要はあくまきの形と一緒。だが、大きさは10cm×3cm×1cm程度と小さい。

食べてみて驚いたのだが、ここのタマーレはかなりパンに近かった。つまり、トウキビよりも小麦の方が勝っている。トウキビの味はほとんどしない。その代わりというか、パウンドケーキのようなうっすらとした甘さがある。昔からこうして作るのか、それとも最近、こうした作り方が開発されたのか。

ちなみにこれまで食べたタマーレでもっともトウキビの味がしたのは、ハバナで食べたものだった。本当にトウキビの粒を食べているような味がした。一方、メキシコのサンクリストバルで食べたタマーレはトウキビだけで作っていることは、その見た目からわかったが、トウキビの味はほとんどしなかった。トウキビの種類が違うのかなんなのか、その理由はよくわからない。一つの想像としては、サンクリストバルで食べたものは、もしかするとアメリカから輸入したトウキビ粉かもしれないということだ。

そのように想像するのは、トルティージャの味が変わってしまったと一部のメキシコ人が嘆いている、というようなことを書いた記事を読んだから。それによれば、アメリカからの安い輸入トウキビが増えたことで、トルティージャを作る業者がそちらを使うようになり、その味が変わってしまったということが書かれてあった。

ただ、市場のおばちゃんから買ったものなので、わざわざ輸入トウキビを買うか、という疑問もある。

ともかくリマで買ったタマーレはほとんどパンであった。そのおばさんは殻を剥いたゆで卵も売っていたから、それも買う。

バスは昨日同様なかなか現れない。20分ほどバスを探して、ようやく乗り込む。料金1ソル。車内は、それほど混んでいない。が、道は大混雑。進み方はいらいらするほど遅い。

昨日と同じルートを走るバスかと思っていたら、途中でいらぬ方向に曲がってしまった。しかし、それでも大使館がある方角からはそれほど外れていないので、もう少し乗ったままでいる。

しばらくして、これはだいぶ外れるなと思ったところでバスを降りる。代わりのバスを探すが見あたらない。歩いてみるが、またもや自分の位置がよくわからない。30分ほどふらついて、見つからないのでタクシーを拾う。良心的な値段で、きっちりブラジル大使館前に付けてくれた。

大使館にはいるときにパスポートチェックなどがあるかと思ったが、そういうものはほとんどなく、するっと中に入れた。中では同じようにビザの取得に来たらしい観光客が二人ほど。

領事部の窓口で対応してくれた人は、昨日話した人とは違う人だった。昨日の人は往復チケットがないとダメと言ったが、もしかしたらこの人だと大丈夫と言ってくれるかも、などという甘い期待を持っていたのだが、あえなく破れる。他の必要なものはそろえていると現物を見せたのだが、往復のチケットがないとダメと言い、翻ることはなかった。

予想していたとおりの展開。出入国の手続きなどは担当者によって対応が変わることがあるので昨日のことがあったものの試してみたが、結果的には時間を無駄にする形になってしまった。

旧市街でまだ見ていないところがあるので、旧市街に戻ることにする。昨日は帰りのバスを捕まえるのにさんざん苦労したおかげで、帰りのバスやコレクティボの乗り場がだいたいわかった。おかげで、今回はスムーズに帰りの車に乗ることができる。

リマのコレクティボ(乗り合いワゴンルートタクシー)も運転手と客引き&料金徴収係の2人体制。ワゴンは4列ある15人乗り。だが、立ち客も乗せるので20人くらい乗せたりする。料金はバスと変わらず1ソル一律。

Plaza San Martinに近いCamanaという通りで降りる。コレクティボから降りて辺りを見回すと車が向かっている方向の先には赤茶色の山肌の小山が見える。中心街に泊まり、建物の多いところばかりを動いていて忘れてしまっていたが、リマは中心部から少し出れば水気のない土漠•砂漠だ。

通りを歩いていると排気ガスの臭いにたまらなくなる。煙ってはいないが、バスなどが発進する度に黒煙を上げるから車の多い通りを歩いていると、すぐに喉が痛くなる。

Plaza San Martinまで歩き、そこから左に曲がり、歩行者天国となっているJiron de la Union通りを歩く。平日の昼の時間だが、人通りは多い。観光客も多い。規制されているのか、この通りには屋台の類はほとんどなく、ときおり交差点付近で菓子などを売っている人がいるだけ。

並んでいる店はファーストフード店、洋服店、スポーツ店、カメラ屋など。基本的にはヨーロッパ調になっているのだが、看板などはあまり規制がかかっていないのか、自己主張が強い印象を受ける。ほとんど素通りするような感じで通りを通過し、一番のメイン広場であるPlaza de Armasに出る。

ここには宮殿などの建物があるが、あまりしげしげと見るような気にはならず、さっさと宿の近くのMercado Central(中央市場)に向かう。

こちら側の通りは立ち売りの人、小さな屋台のようなものを出している人が路上にあふれている。Avancayという大通りをわたって市場までは100mほどだが、その間は10mと開けず立ち売りの人が歩道にいる。

両手に革靴を持って売っている人、一輪車にぶどうを積んで売っている人、ゆがいたうずらの卵売り(これがリマには多い)、アイス売り、菓子•飲み物売りなどなど。食べ物を売っている人はともかく、靴なんか買う人がいるとかねと思うが、こうして商売をしている人がいるということは、そこそこはそれでも売れるのだろう。

市場の建物はなかなかでかかった。入り口には市場の内覧図(?)があり、各区画に番号が振られている。一番大きい番号は360番台だったから、それだけの店がこの1画に集中していることになる。

市場は野菜や肉、魚など食料品の他に服やかばん屋、ペットフードや日用品の店などもある。さすがに海に近いこともあって、魚コーナーが広い。食堂も40軒ほどあって、昼過ぎのこの時間でもにぎわっている。

セビチェという魚の酢の物(マリネ)専門の店で昼飯にする。スープ付きで5ソーレス。ご飯の代わりゆでたトウキビが一本つく。

もう1軒はしごして、宿に戻る。休憩。

それから、今度は明日乗るバスの下調べに行く。バス会社が集まっている通りがあり、そこまでコレクティボで行き、各バス会社をまわってナスカ行きのバスの料金と出発時間を聞く。

帰りは歩いて帰る。宿までは寄り道せずにまっすぐ歩けば30分ほど。ずっとお店が続いているから人と通りも多い。途中、散髪屋•美容室が固まっているところがあった。どこも店のドアなどはない。客がいない店は入り口付近にスタッフが座っていて、店の前を通る人を文字通り手招きする。散髪屋兼お菓子などの雑貨屋兼鍵屋など、一つの店舗の中に複数の業種が混ざっているような店もある。こうした店はどうなっているのか気になる。つまり、一人の店主が3つとも仕切っているのか、それとも場所を貸しているだけで、それぞれ別の経営者がいるのか。

店造りも日本とはだいぶ違うから見ていて面白い。

あと明らかにいわゆるおかま(ニューハーフ)という人がやっている散髪屋もあって、入り口にそういう人が立って客引きしていた。

手元にあるロンプラには"GAY&LESBIAN LIMA"という囲み記事がある。オカマとゲイは違うものだが、セクシュアルマイノリティーということでつなげてみる。その記事によれば、リマにはゲイの人がやっているトラベルエージェントもあるらしい。また、そういう人のためのホームページも4つほど紹介されている。こうした情報は、日本のガイドブックではまったく見られないことだ。

宿に着くまでの間、人通りが切れるようなところはなく、車の通行量も多いので、これだったら明日バスターミナルまで歩いても行けるかと考えたりする。

帰り道宿からやや離れているが、それほど遠くない中華街に行ってみるかとも思ったが、宿に着く頃には日が暮れ始めたので、そのまま夜は宿で過ごす。

リマには博物館や教会なども多いが、そういったものには結局一つも行かなかった。

Fin

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