08/05/17(土)
・遅い夜明け
・牧草地、牛
・木造家屋
・曇り、そして雨
・スーパー
・船便調べ
・市場へーアホ、薫製、ウニ、かき
・豪勢な昼飯
・雨漏り
目が覚めたのは5時頃だった。昨日、バスに乗ってからさっさと寝てしまい、途中、ケツが痛くて、また車内が暑くて目が覚めることもあったが、基本的には寝てばかりだった。
なので、5時にもなると目がパチリ。もっともほんとにパチリだったかというと怪しいのだが、右後ろに座っていたバスの添乗員のいびきがやかましくて、再び寝るのが難しかったことは背景にあったことも確か。ただ、目を開けていても車内は真っ暗だし、外も暗くてうっすらとした木の影とたまに出ている街灯の光しか見えない。
車内が暑く感じたので、温度計を取り出し、気温を計ってみると26~28℃ほどあった。エアコンがついているのかどうかはよくわからないが、そもそも厚着をしているから、これだけの温度があると暑い。ただ、他の客はみんなコートなどを着込んだまま寝込んでいる。
ペットボトルの水を飲む。窓辺がひんやりして気持ちいいので、窓側による。空には星は見えない。路面は濡れている。
そのうち、雨粒が窓ガラスを流れ始める。どうもこちらは天気が悪いよう。
6時もすぎれば明るくなるだろうと思っていたが、そんなことはなかった。6時になっても、6時半になっても、間もなく7時になろうという時間になっても外は一向に明るくならない。
外が明るくなる前に、7時前、車内の電灯がつく。もう着くらしい。ぼくは一昨日、サンティアゴの市場で買い込んだ果物を朝飯代わりに食べる。小型の夏みかんみたいなものと大型のネーブルのような柑橘2種類と柿。小型の柑橘はパサパサしてジューシーさが足りない。大型ネーブルはまずまずうまい。柿はかちこちに固くて、甘みもほとんどない。まだ食べごろではないよう。
食べているとバスのスタッフが朝食のつもりの箱が配られる。アントファガスタからサンティアゴに行くバスの中でも出たやつ。中も同じで紙パックのジュースと飴玉1個、あとはクッキーのような菓子が1個。どうせならペルーのようにサンドイッチくらい出せよなと思うのだが、チリではそこまではできないようだ。
7時過ぎ、まちに入る。木造の家が目立つ。歩いている人はいない。バスターミナルに着き、客の何人かが降りる。どうも目的地のPuerto Monttではないらしい。
バスはそのターミナルに10分ほど停まってまた走り出す。ようやく外は明るくなったが、空は一面分厚い雲に覆われ、小雨も降っているから、明るさも夕暮れ程度。朝が来たぞーって感じではない。
沿道にはときおりホルスタインらしい牛が見える。牧草地らしく草地にぽつぽつ木が生えている。畑などはほとんど見られない。
8時30分、バスは料金所のようなところで一時停車。料金所らしきところにはPuerto Monttという文字が見える。
空は相変わらず曇り空だが、海に近いから若干青みを帯びているように見える。坂を上り、下りにはいると目の前に小さな湾が見える。9時にはバスターミナルに到着。幸い雨は上がっていた。
ターミナルは人でいっぱい。荷物を背負って、バスターミナルを出る。ここではタクシーの客引きも宿の客引きもいない。噴火の件で、みんなばたばたしていないかと思っていたが、雰囲気は落ち着いている。
近くに宿がないかふらふら探すが見あたらない。しょうがないので、ガイドブックを開き、安いらしい宿に行く。1軒目は空いていないと言われ、もう1軒のResidencialと看板が出ていたところは大丈夫だった。宿代5000ペソ(約1200円)は、予定よりも高いけど、どうもこれ以上安いのはなさそうだから、それでお願いする。部屋はプレハブの6畳部屋。テレビ付き、コンセント付きは素晴らしい。トイレとシャワーは共同。最近、増設したばかりなのかとてもきれい。
荷物を置くと、船の下調べとまちをふらふら。
商店街らしき通りをまず行くが、ようやく店が開き始めたというところのよう。時間は10時頃。ネット屋があったので、そこでしばらくネット。1時間400ペソ(約90円)。
それからPlaza Italiaという店で、チリの国民食らしいComplatoというのを買って食べてみる。名前は違うが、要はホットドッグで、細長いコッペパンを軽く焼いて半分に切れ目を入れ、そこにソーセージとトマトのみじん切りが入り、その上からこれでもかというくらいマヨネーズやケチャップが塗られる。ぼくの前にも5人ほど並んでいた。
代金は700ペソ(約200円)だから安くはない。もちろんもっと安い店もあるが。食べてみるとマヨネーズとケチャップだけを食っているような感じ。ソーセージはあの工場で作られたらしい歯ごたえもない人工的な味のやつでうまくもない。こんなものを好んで食べているのかと思いつつ、食べる。しっかりとしたソーセージを作っているんだからそれを使えばいいのにと思うのだが、やはりこの方が安いのだろう。口ひげにケチャップやマヨネーズがくっつく。またちょっと刈り込まなければいけない。
船の会社が今日(土曜日)は13時までとあったので、バスに乗って船会社があるところまで行く。バス代は300ペソ均一(約70円)。小型のバスで、けっこう車体は年季が入っている。
意外と近く10分ほどで着いた。雨が降っていなければ十分歩ける距離。Navimagという会社のオフィスには女性が一人いただけ。彼女にプエルトナタレス行きの船について聞く。次は火曜日の午後4時発らしい。値段は390米ドル。ガイドブックでは300ドルとあったのに値上がりしたのか、米ドルが落ちたからそうなったのか。ハイシーズンは外れたと思ったいたのだが、まだハイシーズンなのか。とにかく予定外に高いので、どうするか考えものだ。
そこのオフィスから西へ行く通りには土産物屋らしい店が並んでいる。セーターや手袋など毛織物品を売っている店もあれば、牡蠣など貝類の乾物を売っている店もある。
アンヘルモという名のこの一帯はちょうど小さな漁港になっていて、海側には小さなボートがいくつも浮いている。さらに歩いていくと道の駅のような施設があった。そこの駐車場ではイチゴやインゲンや肉、キノコ、貝類を売っている人たちがいて、周りの店舗ではチーズや毛織物などを売っている。驚いたのが、ニンニクの大きさ。一見したときはニンニクとはわからなかったほど。イチゴ並みの大きさはある。また、ニンニクをすりつぶしたようなものもパックで売られていて、それに唐辛子なども混ぜたのか、コチュジャンのようなものも売っている。
その奥に行くと、そこが市場になっていて、海産物を中心に多少の野菜なども売られていた。声をかけてきたおばさんについて、食堂に入る。食堂はこの施設の敷地内に30以上もあるよう。
食堂は2階にあって、15人も入れないようなその店に入ってから何がいいか聞かれる。何があるか聞くと、台所で鍋を見せるからというようなことを言われる。
クラントという名前の料理がうまそうだったので、それを頼む。3000ペソ(約800円)というのでかなり高い気がしたが、実際の物を見たら十分元をとれるものだった。
すぐに運ばれてきた幅広の器には、11個の大型のカラスガイ(?)に骨付きの鶏モモが1つ、でかい本格ソーセージが1本、さらに本格ハムのような肉の塊が一つ入っており、平皿にはゆがいた大きなじゃがいもが1つと、小麦を練って作っただんご状のものが1塊盛られていた。とにかく山盛り。想像以上のすごい量。味といい、量といい今回の旅の魚介料理では一番だな。まぁ、それだけの値段だけど。
その他に、このゆで汁らしいスープとパンが2個。スープもなかなか複雑な味でうまい。
後から入ってきた10代くらいの男3人組はこれを3人で2皿頼んでいたから、地元の人にとっても量が多いか、値段が高いらしい。
土曜日のお昼過ぎなのに、客は少ない。この天気が影響しているのか。
食後市場を見て回る。市場は20~30m四方と小さい。とにかく貝類が多く、牡蠣を剥いている人やウニを剥いている店の人たちがいる。魚は鮭のような赤い魚など10種類ほど。貝類のむき身やタコの切り身、カニなどがパック詰めされて2000ペソなどで売られているのだが、なにせ量が多い。一人旅の者にとってはちょっと手が出ない量。惜しい。
ぼくはチーズを100g(250ペソ)とイチゴを1かごぶん(500ペソ)買って帰る。雨が強くなりはじめたので、バスターミナルで近隣行きのバスの時刻表と値段を見て、スーパーの店内を見て回って昼過ぎに宿に戻る。
市内には歩いて20分圏内にスーパーが5軒ほどあり、喫茶店も数店、あまり冴えない洋服屋などがあった。スーパースタイルの店がすっかり定着しているようで、路上の物売りは少ない。
また、物乞いの人もいないし、子どもで働いている子もいない。人口が少ないのか、それとも曜日や天気が原因なのか、非常に閑散とした印象を受ける。晴れていたらぜんぜん印象が違うだろうなとは思うけど。
宿に戻っても雨はやむことなく、強くなったり弱くなったりを繰り返しながら降り続ける。そのうちポタポタと天井から水滴が落ちてくる。作りが簡単なプレハブのようなところだから、どこからか水が伝ってきたよう。
部屋を代えてもらい、あとは夜まで宿で過ごす。
テレビはケーブルテレビなのか40チャンネルほど見られる。うち1チャンネルは日本のアニメをずっとやっていて、ドラゴンボールやNARUTO、ワンピースなどをやっているのを見た。CNNがスペイン語版とアメリカ版の2つ。他、チリのチャンネルらしき番組が4つほどある。それからアメリカ映画のチャンネルが10ほどある。字幕がスペイン語。
チリのニュースでは噴火のニュースやコロンビアからのコカインの密輸を摘発した話、体重が200kgある女の人の話などが流れていた。
Fin
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