2008年5月26日月曜日

平日とは思えないサンティアゴ、プエルトモンへ

08/05/16(金)

・日系旅行会社
・国立歴史博物館
・大聖堂
・ポップコーン
・地下鉄
・広場の大道芸

朝6時頃、目が覚める。まだ外は暗い。どうもチリは日の出が遅い。

今日、サンティアゴを出るかどうか迷っていたが、プエルトモンからの船がどうも火曜日に出るらしいという情報とサンティアゴは宿代が高いということもあり、今日、プエルトモンに移動することにする。

7時過ぎ、フロントに降りてチェックアウト後も荷物を預けられるか訪ね、それからネットでチリのニュースなどをチェック。ネットを見ていると、もう1台のパソコンでネットをしていた人から話しかけられる。”日本人の方ですか?”と聞かれ、そうだと答えるとそのパソコンでは日本語が読めないらしい。

聞くと、彼女は昨日の夜にサンティアゴに着いたらしいが、乗ったタクシーの運転手にATMでカネをおろすように言われ、おろした瞬間にそのカネを持ち逃げされたらしい。そのショックと時差もあり、昨晩は寝られず、今日もあまり宿を出たくないと言う。

ただ、イースター島に明日行くらしく、その関係で空港行きのバス乗り場を調べたいのと、サンティアゴの新市街にある日系の旅行会社には行きたいと言う。それなら一緒に行ってみるかと伝え、あとで待ち合わせする。

朝食はパンとジャムとバターとコーヒー、牛乳、紅茶のみ。パンを6つほど食らう。大学か何かのグループなのか若い男女の中に一人だけ年輩の男性が混じり、飯を食っているグループがあった。

当初はもう1泊するつもりだったから、昨日安い300円ほどのワインを買っていたのだが、まだ半分ほど残っていた。荷物と一緒に預けるには、割れたりする危険性があるし、同部屋の人にやろうと思ったが、彼は寝ているしで、しょうがないのでとりえず飲み干す。

9時過ぎ、荷物をフロントに預け、チェックアウトし、同宿の日本人の人と外に出る。まずは長距離バスターミナルに行き、ぼくの方の用事を済ませる。いろいろな会社の窓口を聞いてまわることはしなかったが、今晩7時のバスがあるという会社でチケットを買う。12000ペソ(約3000円)。なかなか高い。

それから地下鉄で新市街の方に行く。地下鉄に乗るのは、メキシコシティ以来。かなり久しぶりだ。メキシコシティと同じく、人間がやっている発券所で1回ぶんのチケットを買う。1回380ペソ(約130円)は安くもないし高くもない。紙のチケットを受け取り、それを自動改札に入れる。チケットはそのまま回収されて手ぶらで乗り場に行く。地元の人はスイカのような電子カードを持っているらしく、ピッピッと電子を音を立てて中に入っていく。ちなみに改札の機械は日本のようなものではなく、金属のバーを回して入るタイプ。

地下鉄は人でごったがえしていてさすがに首都の感がある。車内も混んではいるが、隣の人に接触することもないので、東京を知るものにとっては混んでいるうちには入らない程度。

車内も明るく、次に停まる駅のアナウンスもある。メキシコシティでは地下鉄の車内でもCDを売り歩いている人がいたが、ここにはそうした人はいないよう。

新市街の目的の駅で降りる。ここも20階立て以上の近代的なビルが建ち並んでいて、ほ~、と思わず声が漏れる。

”南米ってちょっとバカにしていたんですけど、こんなところだなんて本当に驚きました”と彼女は言う。それはぼくも同感で、サンティアゴがここまでとはまったく想像していなかった。

目的の旅行会社が入っているビルに着き、エレベーターに乗る。8階まで乗ったのだが、エレベーターのスピードが異様に速い。各階の天井が低いのか、本当にスピードが速いのかどうちがうかはわからない。

その旅行会社に行くと、彼女は事前に連絡を取っていたらしく、打ち合わせに入る。ぼくはオフィスにあったもろもろの地図を物色。サンティアゴ市内の日本語版の地図も置いていて、それをもらっていく。日系の会社をこういうふうに使うのもありか、と今更ながら思う。

それから中心部にバスで行こうかと思い、適当にバス乗り場からバスに乗る。が、どうもさっき歩いて戻ってきた道をまた通っているよう。反対方向に向かっているように思い、隣に立っていた人に聞くと、やはり反対方向に向かうバスに乗っていた。

適当に降り、またバスにチャレンジ。今度は、中心部に行くバスかバス停で待っているおじさんに聞いてから乗ることにする。しかし、そのおじさん、親切にもバスの方向だけでなく、バスの乗り方まで教えてくれる。バスに乗るためのカードは持っているかと聞いてきて、持っていないと言うと、それでは乗ることができないから地下鉄に乗るよう勧める。ここでそのカードが買えないか聞いてみたが、近くでは買うことができないらしい。

昨日と同じように乗り方がわからないふりして(昨日は実際に知らなかったが)、バスに乗ろうかと思っていたのに、ここまで教えてくれてはバスに乗れない。地下鉄は外の景色を見ることができないから乗りたくなかったのだが・・・。

それにしてもなぜサンティアゴはこんな面倒なバスシステムを導入したのだろう。ガイドブックによれば2007年1月に個人経営によるバスを廃止し、TransSantiagoという公共交通機関に一元化し、それと同時に現金による乗車をできなくしたらしい。

メキシコシティにも現金が使えない最新の路線バスがあったが、それではみすみす客を逃しているようなもののように思うのだが。特に、観光客のように一時的な滞在者にとってはわざわざカードを作らないと(これにもカネがかかるらしい)乗れないバスなんて、あまり使いやすい交通機関ではない。せめてカードの自動販売機をバス乗り場近くに配置するか、現金も使えるようにするかの追加対策が必要なように思う。

そんなことをぶつぶつ思いながら、地下鉄の駅に行き、地下鉄に乗る。

中心街近くの駅Universidad de Chileで降りる。大都市の中心部に大学があることもまた驚き。市場に行くために、昨日も一度通った通りを東に向かう。今日も平日の昼前というのに歩行者天国のメインストリートには人が多い。ギターやドラムなどを並べて演奏しているバンドもいるし、それに見入っている人たちもいる。これは、日本の平日昼前の通りでは見ることはできない光景だろう。

南米の中心都市にはたいていあるPlaza de Armaz(
アルマス広場)に行くと、広場の北側には昨日と同じように画家たちの屋台(?)兼青空アトリエが並んでいて、さらに占い師も数人いる。南側では男女のペアがラフな格好で、練習なのかオペラっぽいことをしている。その近くではピエロに似た格好をした大道芸人が通行人を捕まえては芸をしている。また、オペラの東では小さな机と椅子が並べられ、チェスに興じているおじさま方が20人ほど。

昨日と同じように観光地化されている中央市場を通り、それから卸市場のベガ市場に行く。

中央市場では、レストランの客引きの人が”ココ、チキュウノアルキカタ二ノッテイル”、”ウニ、アワビ、カニ アル”、"ノー タカクナイ”などと片言日本語で話かけてくる。店の間を通るたびに声をかけられるので、けっこううっとうしい。

ベガ市場近くに串焼きを売っているおじさんがいたので、購入。いわゆる焼き鳥と焼き豚(とん)の2種類が炭火で焼かれていて、1本500ペソ(約150円)。値段もけっこうするが、肉の量は日本の焼き鳥とは比較にならないほど多い。一緒に食べた彼女は小食らしいこともあって、これで腹一杯になったとか。

ベガ市場は昨日よりも買い物客が多い。相変わらず野菜や果物、魚、肉、ピクルスがあふれている。一緒に来た人は、あまりこうした市場には来ないらしく、見ているだけで、なんかもう腹がいっぱいというか、胸がいっぱいになったなどという。その感覚がぼくにはわからない。

昼飯を市場の一角の食堂で食べる。セビチェ(魚の酢の物)と白身魚のフライのセットを頼む。セビチェは味付けはメキシコやペルーと同じ。レモン味がなかなかよろし。1リットルの瓶ジュースなども含め5000ペソ。店の人は、同行者のために白身魚のフライ定食を勧めてくれたようだが、同行者はさっきの串焼きで腹が一杯だとかでほとんど食わず。

それから、またまちをふらふら。

国立歴史博物館は、なぜか今は無料で開放しているからとタダで見ることができる。館内には独立戦争時の物品から、日本で言う黒電話やタイプライターなど昭和の品々も展示されていた。タイプライターがすでに展示物になっているところに、グアテマラやボリビアなどそれらがまだまだ現役で活躍している他の中南米国との違いを感じる。

館内は僕らの他には社会の授業か何かで来ている高校生ばかり。女の子はタイツの上から分厚い靴下を履いていて、同行者の彼女はそれに驚いていた。言われてみると確かに。

アルマス広場に面したサンティアゴ大聖堂は1558年
に建てられたもので、チリ・カトリックの総本山らしい。20mくらいはありそうな天井に細かな装飾がすごい。ガイドブックによれば、ピノチェトによる軍事独裁体制下、この大聖堂前では宗教的な集まりというカモフラージュのもとで軍事独裁に反対する集会も開かれていたらしい。

両替をするが、ドルは昨日よりも下落。『地球の歩き方』でも『ロンリープラネット』でも1米ドル=520ペソで計算されているのだが、この日が1米ドル=460台。そのため米ドル換算で言うとガイドブックに載っている値段を参考にするときには、1~2割増しで考えなければいけない。

歩行者天国の通りはどこも大勢のひと、人、ヒト。チリは失業率も低く、治安もいいとあったが、こうした様子を見ていると、日本よりもずっと豊かな雰囲気が漂っている。

5時過ぎに宿に戻り、預けていたリュックを受け取る。それから地下鉄に乗って、バスターミナルに行く。バスターミナルに直結しているショッピングモールでどでかいポテトチップ(こちらでは一番メジャーなポテチ会社らしいもの)450g入りを魔が差して買う。でかいこともあるが、500円近くするのもなんかすごい。中南米に共通するが、こうしたお菓子は一般的に日本よりも2~3割高いように思う。

あと水を買って、バス乗り場で待つ。バス乗り場も人だかり。次々とバスが入ってきては出ていく。

バスは19時15分発なのだが、19時になっても19時15分になってもバスが入ってこない。Puerto Monttと行き先を書いたバスが19時頃入ってきたから、それかと思い、バスまで行ったが違う会社だった。そのバスも19時15分発だったのだが、予定より5分ほど遅れて
ターミナルを出ていった。

結局、バスは19時半頃ターミナルに入ってくる。そして20時前にバスは発車。発車するとすぐに近くの別のターミナルに入り、しばらく停車。結局サンティアゴを出るのに1時間くらいかかる。

車内はほぼ満員だが、ぼくのような外国人客はいない。外は真っ暗だし、背もたれはよく倒れるので、さっさと寝てしまう。
                                                   

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