2008年4月2日水曜日

プエルトバリオス(グアテマラ)をぶらぶら

08/03/26(水)
後編

・メキシコペソ両替
・バナナ運搬車
・人力遊園地(?)
・新しいマンゴーの食べ方

入国手続きを終え、さて次は宿探し。このまちの地図を持っていないので、歩いていてもどういうふうな作りになっているのか、よくわからない。

とりあえずバスなど車の往来が激しい通りまで歩く。船着き場からはまっすぐ100mほど。歩いて来た道とその通りがぶつかる左手の角には銀行があったので、リュックを背負ったままそこで両替することにする。店内にいた客の視線がぼくに集まる。目立つわな、こんな格好じゃ。

グアテマラならメキシコペソを両替できるだろうと思ったが、これがダメ。米ドルのみだという。

どこでできるか聞いたらBanco Aztekaでできるという。ついでに窓口の女性に安い宿はないか聞くと、そこが安いと店の左斜め前を指さし、Hotel Puerto Barriosと名前も教えてくれる。

銀行に入る際に通りを曲がった時点で、Hotel Puerto Barriosという看板が出ていたのは気がついていた。わかりやすい色合いで、でかでかとした看板だったから誰でもわかる。ただ、建物が2階建てでけっこう立派そうだったので、料金は高いだろうなと想像していた。

窓口の人が言うならと思い、宿に行って値段を聞くと1泊60ケツァール(約800円)という。なかなか安い。1階にはネットカフェもあり、1時間5ケツァールと100円もしない。この値段もすばらしい。

2泊することにして、部屋を案内してもらう。部屋は2階。階段で上がるのだが、1段だけ段差が高い段があって、それまでの感覚で足を動かしていたら思わずこけそうになる。

部屋はタイル張りの床にベッドが1つ。部屋の左手にテレビがあり、右にトイレ兼シャワールームがある。トイレットペーパーと石鹸、扇風機付き。入り口のドアは鉄製で、鍵はこちらでは家の入り口の門などで通常使われている自動施錠タイプの鍵になっている。これまでの宿の中では一番頑丈なドアだ。

部屋に荷物を置いて、両替に行く。バンコアステカを探しに行く。途中、屋台でしゃべっていた女の人(30代後半くらい)の人が呼び止めるので、何かと思い行くと、カネをくれということだった。グアテマラのカネはまだ持っていなかったので、その旨伝えるとすんなりと要求を引っ込める。というか、じゃあ両替した後に来てという雰囲気だったが、もちろんその後は近づかず。

銀行は10軒近く見つけたのだが、バンコアステカが見当たらない。道中、2人のおばさんに聞いて、Elekticaという看板を出している電気店の近くということはわかった。が、その店まで来てもよくわからない。また別の人に聞こうかと思って、周りを見渡したら電気店の入り口の左部分に両替のレートが書かれたポスターを発見。そこにバンコアステカとあった。なんてことはない、バンコアステカは電気店の店内奥にあった。

窓口でメキシコペソを両替できるか聞くと、できないと即答。やれやれ。どこでできるか聞いてもわからないと窓口の女性は言う。

しょうがないので、別の銀行に行き、また両替できるか聞くとできないと言われる。だが、ここの窓口の人は別の店を紹介してくれる。そこは銀行ではないよだったが、行ったら両替してくれた。

やっとこさ両替できたものの、予想通りレートは悪かった。300ペソ(約28ドルぶん)が150ケツァール(約20ドルぶん)。やれやれ。バカなことをしたものだ。メキシコにもう1泊して米ドルに両替した方が、宿代を考えても安かったかもしれない。

グアテマラシティに行けばもっといいレートで両替できるかと思い、まだ残っていたペソは取り置いて、米ドルを今度は両替しに行く。これは1米ドル=7.6ケツァール。多くの銀行が7.4~7.5だったので、こっちは良かった。

まだお昼時、まちを歩く。

『歩き方』によれば、このまちの人口は3万5000人。今朝までいたプンタゴルダは5000人。人口規模が違うから当然だが、プンタゴルダと比較すると、こっちは都会だ。建造物でいうと都会ではないが、その物量と選択肢の多さは、圧倒的。

ここに来て目につくのは、バイク。スズキを中心に二人乗りのスクーターや125cc(と思われる)クラスの小型のバイクがバンバン走っている。

メキシコにしてもキューバにしても、ジャマイカやドミニカにしてもこれまで行った国ではこうしたバイクがたくさん走っている光景は見ることがなかった。あえて挙げれば、ドミニカとハイチの国境くらい。

ぼくが行ったまちがたまたまそうだっただけかもしれないが、メキシコでは1日に見るバイクの台数は数えられる程度。車との比率でいえば、100対1でも甘いくらいだろう。

グアダラハラで会ったオーストラリア人は、東南アジアの人々はヨーロッパ系の人からすれば体が小さいから、スクーター程度のバイクに何人も乗ることができると言っていた。

が、ここでも2人乗りは当たり前。ときおり子どもを2~3人乗せた人も見る。子どもはもちろん小さいのだが、運転しているお母さんやお父さんはけっこうな恰幅の人もいる。身長は東南アジアの人とそう変わらないと思うが、太さで言うとこちらの方ががっちりしている。

3歳くらいの子どもが母親の後ろに乗り、腰をつかんでいるのだが、見ていると落ちてしまうのではないかと心配になるような乗り方をしている親子もいる。また、金持ちの子どもだろうが、中学生くらいの子も制服を着たまま一人で乗っていたりする。

バイクの数は車より少ないからベトナムのホーチミン(サイゴン)と比べれば圧倒的に少ないのだが、今まで回った中米・カリブ諸国では一番多い。

次に印象的だったのが、ヨーロッパ系やメスティソ系の人が多いこと。アフリカ系の人もいるが、ベリーズと比べればかなり少ない。感覚としてはたまに見る程度という感じ。

言葉はスペイン語が基本だが、船着き場では当然英語が通じるし、銀行や市場などでも英語が通じる。

また、まちを歩いていてよく見るのが、トレーラー。船着き場から北の方向に貨物船の港があり、その一帯はコンテナの集積所になっている。

そこに向かう荷台が空のトレーラーと、荷物を積んだトレーラーがひっきりなしに走っている。バナナの積み荷港として栄えたという歴史を持つこのまちは、今でもその役割は大きいようで、バナナをはじめ果物会社としては世界規模の大企業であるDoleやChiquitaの名前が入ったトレーラーも何台も見る。

歩いた範囲では市場は2カ所あって、1カ所は宿から北へ100mほど行ったところにある。こちらが中央市場のようで、1辺が30mほどの建物の中に野菜や果物、肉、魚などを扱う店や食堂数件があり、建物の外面に鞄屋や服屋、CD・DVD屋、簡易食堂の店舗がある。さらにそれらの店舗と通路を挟んで向かい合って、ブルーシートを屋根代わりにしたような露店が並んでいる。

市場の南側には各地へのバス発着所があり、線路後を挟んだ向かい側には、グアテマラシティに行くLitegua社のバスターミナルがある。バスターミナルと行っても見た感じでは、道ばたに大型バスが止まっているだけという感じ。よく見るとバスと向かい合った建物の一階がチケット売場兼待合い所になっている。目立たないが5mほどの高さにTerminalと書いた看板もあるが、CocaColaがバックについているらしく、CocaColaの文字もデカデカと書かれているため、一見しただけではそれがターミナルを示す看板だとは気づかない(スペイン語を一見して読める人は違うかも知れないが)。

市場とそのバスターミナルの間を通る線路後は、コンテナの集積所まで伸びている。今では使われていないようで、完全に土に埋まっているところや家の敷地になっているところもある。

バナナリパブリックとも呼ばれた中米では、ユナイテッドフルーツ社をはじめとするアメリカ貸本の会社が、自社のバナナプランテーションから取れるバナナを輸送するために鉄道を敷設したという話をどこかで読んだが、きっとここも同じような歴史を持っているのだろう。

もう一つの市場は、バスの行き来の激しい幹線道路をグアテマラシティ方面に10分ほど歩き、どぶ川と言っていいくらいゴミが散乱している幅2mほどの小さな川にかかる橋を渡った右手にあった。こちらはそれ用の建物があるわけではなく、ある一定の敷地内にシートを屋根代わりにしたような露店が密集しているだけ。中央市場に比べれば規模は小さいが、人出はこちらも多かった。こちらにも野菜や果物を売っている店から服やアクセサリー、料理道具やコンセントなどの日用品、靴などが売られている。印象としては服屋が多かった。

こちらの市場の端っこ(中央市場・中心街より)には、バナナ労働者の像が建てられていた。緑の房のバナナを担いだモジャモジャ頭の男性の像。この像は幹線道路に面しており、遠くからだと発見しやすいが、市の中にいるとテントに隠れて見えないため、近くに行くのにやや苦労する。

こうした幹線道路沿いから側道に入り、ふらふら歩いていると、陸上競技場兼サッカー場や屋内バスケットコート、プールらしき施設が集まっているところを発見。屋内バスケットコートでは、体育の授業なのか、小学生の中学年くらいの子たちがちょうど練習しており、男の子と女の子
がコートの周りをドリブルしながら走っていた。みんなボールを見ながらドリブルしているので、まだまだ初心者のよう。

その隣の陸上競技場では何やら声がしていたが、壁に阻まれ中は見えず。プールらしき施設も2m以上ある壁が周りを囲んでおり、中は見えない。ピッピッと鳴る笛の音と子どもたちの歓声、水しぶきの音からそれらしいと推測するが、もしかしたら違うかも。

幹線道路からはずれたこの辺りは、舗装されていない砂利と土の道。そこをバイクや車が走っていく。道沿いの家の中には入り口のスペースなどにハンモックをかけ、そこで寝ている人や携帯をいじっている人がいた。

道中、パインの切り身とマンゴー1玉(?)とリンゴ1玉を買う。パイナップルはジューシーでうまい。1ケツァール(30円くらい)。リンゴは紅玉位の大きさの青リンゴ。甘みよりも酸味の方が強い。これは3ケツァール。

マンゴーは皮を剥いて串に刺さった状態で売っていた。注文すると何かをかけるかと聞くので、適当にうなづく。するとおじさんはまずリモンを絞りながら、その果汁をマンゴー全体に塗りたくる。それから薄い茶色っぽい粉をふりかけた。食べてみると茶色い粉自体はそんなに味はないが、リモンの酸味が利いている。この後、別の露店で買ったときも同じようにして渡されたので、こちらではこういうふうに食べるのが定着しているよう。茶色っぽい粉はペッパーだというのだが、味からすると日本で言う胡椒とは違う香辛料のよう。

メキシコでは果物にチリソースをかけるのが一般的だったが、こうした粉をかけるのはここが初めて。リモンを付け、粉をかけたことでうまくなっているとは思えないのだが、そのままの味に飽きた人が、新しい味として開発し、それが定着したのだろうか。それともこうした食べ方は伝統的なものなのか。ちなみにドミニカのサントドミンゴやキングストンでは何もかけずに食べるのが普通だったし、それが一番うまかったように思う。小粒だったが、このマンゴーは1ケツァール。

道ばたで売っていたアイスは2ケツァール。ちょっとキューバの味に近い。つまりはあまりうまくない。アイスクリーム専門店のはシングル8ケツァール(約150円)。こちらは日本のものと変わらない味。それなりの値段がすることもあってか、それとも平日だからか、ハバナと比べるとアイスを食べている人は少ない。

中央市場に戻り、その周囲をうろうろする。中央市場の東側(海と反対側)に小さな観覧車が見えた。遊園地かと思っていって見たが、どうも移動可能な遊具ばかり。しかもほとんど開店休業状態。一昨日まで4連休だったから、それ用に設営されたのかとも思うが、小型の回転木馬らしい遊具の持ち主はペンキで色を塗りなおしているので、常設の施設なのかもしれないとも思う。

母親と来ていた小さな女の子が回転木馬(木馬は4台くらいしかない)に乗って遊んでいた。女の子は歓声を上げて喜んでいる。その施設の持ち主らしい女性は、回転のスピードが落ちてくると、スピードが上がるよう自らの手で馬と一緒に回っている囲いを握り、左から右へ勢いをつけている。つまり、人力回転木馬だった。ほかは動いていないからわからなかったが、小型観覧車も人力で動かせそうなくらいの大きさなので、人力観覧車なのかもしれない。

施設の回転率は悪そうだが、もしすべての遊具が人力だとしたら面白い。ただ重りを上げ下げしてトレーニングをしている人たちがいるのだから、そういう人たちのトレーニング兼活躍の場として人力遊園地を開設するなんてのも、おもしろいのでは。なんてことを思いながら、遊園地沿いを歩く。

朝飯が多かったため、昼飯をとばしたが、さすがに夕方近くになると何か食べたくなった。中央市場に行き、中の食堂に行くが、どこも閉店の準備中。市場の周りにはタコスやPapas Fritte con Pollo(パパス=じゃがいも、フリート=揚げ コン=with ポージョ=鶏肉)の屋台もあったが、食堂でこれまで食べたことのないものを食べたかった。

1軒だけ、まだ客が入っているところがあって、そこで食べることにする。鍋を見せてもらいその中から選ぶ。魚が食えるかと思っていたが、肉料理と豆料理のみ。いずれもたいがい食べたことのあるものだったが、肉料理の中に内臓を使った料理があったので、それを頼む。内臓のどこかはよくわからないが、店のおばちゃんはこの鍋を見せるときに、右わき腹をポンポンと叩いて”パンサ”と言っていたので、形から想像するに腸か何かなのだろう。

ここに限らずなのだが、海辺のまちに行っても屋台では鶏肉の唐揚げばかり売っていて魚の唐揚げは売っていない。保存上の問題なのか、それとも唐揚げに適した魚がないのか、魚はあまり食べない習慣なのか。

その内臓の料理はトマトソースの味付けで、なかなかうまい。ご飯もついていたが、それに加えてトルティージャも4枚ほどつけてくれる。

店の調理場はプロパンガスがあり、ガスで料理をしていたが、店外にはトルティージャ専用らしき仕事場があり、そこでは女の人がまとめて練った粉の大きな固まりから、握り拳くらいの大きさの固まりをちぎり取り、それを数度練ってから、両手の手のひらでパンパンと音を立てながら平べったい円形に伸ばしていき、炭火の上に乗せた鉄板で焼いている。

これまでに何千枚、何万枚もそうしてトルティージャを作ってきたのだろう、手つきは素早く、あっとう言う間に1枚2枚とできていく。

食事代は15ケツァール(約300円)。けっこうするもんだ。

飯を食って満腹になったので、宿に帰る。シャワーは水のみ。蚊が4匹いて、3匹は処分したが、最後の1匹を捕まえられる。この1匹に夜の間にやられる。翌日、処分。

1 件のコメント:

履歴書の手紙 さんのコメント...

とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!