2008年3月30日日曜日

プンタゴルダ(ベリーズ)からプエルトバリオス(グアテマラ)へ

08/03/26(水)
前編

1米ドル=7.5ケツァール

7時前に起床。扇風機をつけて寝ていたが、朝になると寒く感じ、扇風機を止める。気温は20度前半くらいか。そもそも扇風機の「1」の風力が強いから、一番弱い風にしていても狭い部屋では十分すぎるくらいに躰の熱を飛ばすことができる。

昨日会った協力隊員の人が、朝は海岸沿いの通りに市がたつと言っていたので、朝飯がてら出かける。公園のまわりにはバスを待っているらしい人たちが30人ほど。海沿いの通りには言っていた通りに市がたっていた。野菜や果物が中心。直線距離で言うと100mほどなので、規模は小さい。

宿の方から行くとその通りは突き当たってT字路になっている。そのT字路にたどり着いたとき、左手からはスクールバスと書かれたバスが市の前を通り過ぎようとしていて、バスの向こう側ではなんだか騒々しい声と物音がした。

バスが通り過ぎてから、そちらを見ると生卵が大量に道路に崩れ落ち、割れている。右手に視線をやるとおじさんが椰子の実を頭上にふりあげ、誰かを追いかけており、その誰かは人混みの中に走り込んでいるよう。走り込まれた人混みの中の人々は、椰子の実をふりあげて走ってきたおじさんを見て、一斉に逃げ出す。ひょろっとしたおじさんだったので、椰子の実をそんなに強く投げられるとは思わなかったが、しかしあんな硬いものをぶつけられてはひとたまりもない。

おじさんは誰かに向け、椰子の実を放り投げたが、当たったかどうかはぼくの視角からは見えなかった。そちらに気を取られていたら、すぐ目の前で若い女の人が二人「ファック」と言って、卵を踏みつぶしている。

何がどうしたのかはさっぱりわからないが、大人が喧嘩しているのを見たのは、この旅行で2~3回目だ。

カメラの電池が切れたので、一旦宿に帰り、また出直す。船着き場に行ってみると、イミグレの入り口にマヤ系の男の人が二人座っていて、声をかけられる。二人はグアテマラのプエルトバリオスに行くチケットを売っていて、今日の9時半に出ると言う。

昨日、ここで確認したときには別のおじさんが今日は舟が3便あって、9時半、14時、17時だと言っていた。だから、午前中はここでのんびりして、午後の舟で出ようと思っていた。

が、チケットを売っている人が言うに、午後の便はいずれも料金が高いと言う。それを聞いて予定を変更。9時半の舟に乗ることにする。料金は40ベリーズドル(20米ドル)。バスが8時間乗って10ドルちょっとだったから、舟もそれくらいだろうと思っていたが、そうではないらしい。高い。

市を一通り見て回る。小降りのバナナがあったので、それを買う。小さいが一房10本ほどついて1ベリーズドル(約60円)は安い。味も大きいバナナと違ってさわやかな甘さでなかなかよろし。ただどうも粉っぽい。

それから人気のないところで隠していた米ドルを取り出し、さっきのチケット売りの人のところに行き、チケットを買う。ベリーズドルはないので米ドル払い。20米ドル。チケットを買うときにはパスポートを見せる。彼はそれを見ながら名前などを書き写す。

チケットを買い終わってから飯を食いに行く。

市が出ている道沿いの海側には長屋風のコンクリートづくりの建物があって、そこも商店となっている。店は道路側だけでなく、海側にもあってそっちには食堂が4~5軒並んでいた。メニューも何もないが、地元の人がそこで食事をしている。昨日、協力隊の人におすすめの店を紹介してもらったのだが、けっこう人がいっぱいだったのと、きれいなのでヤメにし、こちらで食事をすることにした。

ぼくは一番南側の見せで朝飯を食べることにする。出てきた料理は、大盛りの赤飯に煮込んだ鶏モモとキャベツのサラダ。ご飯には鶏を煮込んだカレー味のスープがかかっている。ご飯大すぎ。たぶん日本の旅館で出る茶碗5杯分はある。どうもこれはぼくが6ベリーズドルくらいで、と最初に料理を頼んだのがまずかったよう。普通は4ベリーズドル(2米ドル)らしい。

さっき買ったバナナをすべて食べた後だったから、後半は完食するのにやや苦労する。ベリーズドルがなかったので、米ドルで3ドル払う。

それから宿に戻り、荷物を持ってイミグレへ。チケットを買ったときに、舟の人からは9時までに来て、イミグレのスタンプをもらうよう言われていた。イミグレに着いたのは8時45分頃で、バックパッカーらしきカップルが一組すでに来ていた。あとは地元の人が数人。

建物に入って右側が手続きをするところで、そこに行くが5分待ってとごついおじさんに言われる。しばらく待っているとOKが出たようで、他の人たちも並び始める。

手続きはさっさとすすみ、自分の番がまわってくる。パスポートを見せると、たいした質問もなくすんなり終わり、最後に7.5(ベリーズ)ドルと言われる。出国税にしては安いなと思いつつ、ベリーズドルはないから20米ドル札を出すと両替してこいと言う。公共の機関で、カネを取るなら釣りぐらい用意しておけよな、と思うのだが、そんなこと言えるわけもなく・・・。

また人気のないところに行って、かばんの奥に入れていた1ドル札の束の中から3ドルぶん抜き取り、それにベリーズドルの50セントコインを付けて出す。

すると”PACT"と書かれた名刺サイズの緑色の紙をもらう。領収書かと思い、書かれてある文字を読むと、今払った7.5ベリーズドルは、ベリーズの自然資源や文化資源を守るために使われると書かれてある。PACTというのは、上のことを定めた法律の略称で、元は"Protected Areas Conservation Trust Act No.40 of 2002"と言うよう。

出国の手続きはそれで終わり。荷物のチェックもなし。

桟橋のところで舟を待つ。9時半前に舟がどこからともなく現れて桟橋に接岸する。どんな舟かと思っていたら、大型のモーターボートだった。ブルーシートの屋根付きで、20数人乗り。

舳先の方に客の荷物をまず乗せる。ぼくは一番最後に乗り込んだのだが、一番前の席しか空いてなかった。なんで後ろの席から詰まったのかよくわからなかったが、その後、先頭の方が揺れが大きく、また水しぶきもかかりやすいからという理由を体得する。

乗船すると、オレンジ色に黒のマジックで舟の名前が書かれたライフジャケットがみんなに配られる。

舟は9時45分頃、離岸。あっと言う間にトップスピードに乗る。想像していたのよりも早い。ただ、キーカーカーに行ったときの舟よりも風圧は低いので、そこまで早くはないよう。

昨日は風速10mくらいはありそうな風がびゅんびゅん吹いていたが、今日は一転して快晴で穏やか。波もない。

舟の先頭の方は例のごとく10°くらい上に傾いている。なので、一番前に座ったのに前が見えない。ときおり数十センチ浮き上がり、ストンと落ちる。身構えていないとけっこうな衝撃がくる。後ろに座っているおばさんは、浮き上がったときに、キャーともヒャーとも聞こえる声を上げる。他の人は黙って乗っている。

15分もすると右手奥には陸がうっすらと見える。雲がかかっていてあまりはっきり見えないが、近づくに連れ、海岸沿いに家が立っていることなどがわかってくる。

そのうち左手にも陸が見え、湾に入っていくことがわかる。湾の奥にはフェリーや貨物船が停泊している。また、同じようなボートがリビングストンの方面から走ってくるのも見える。

ベリーズ側を出てから約1時間後の11時前。小さな水しぶきを10回近く浴びて、舟はグアテマラのプエルトバリオスの船着き場(ドック)に到着。ボート専用の船着き場のようで、似たようなボートが数隻ある。

ボートから降り、あたりを見回すが、イミグレらしき建物が見えない。同じようにバックパックを背負ったカップルが先に歩いていたので、彼らについていく。すると船着き場から50mほど行ったところにイミグレがあった。

一応道路沿いに看板は出しているのだが、まわりの木の陰になっていて、建物のすぐ近くまで行かないと気がつかない。建物も独立した建物ではなく、商店などと並んであるので、気づきにくい。

一緒に乗ってきたボートの客がすでに中にいて、その後ろに並ぶ。自分の番になって、パスポートを出すと、英語でどこに行くのかと聞かれる。グアテマラシティと答えると、質問はそれだけで、ここも荷物のチェックもなく、入国手続き完了。

つづく

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