2008年10月20日月曜日

[diary]ダカール:セネガルからバマコ:マリへ(2日目)

08/07/26(土)
[Tambacounda:Senegal→Mali]

・真夜中の乗り換え
・雨のマリ国境
・久々の大型バス
・お祈りタイム
※レート
1ユーロ=655CFA

尻の痛みでときどき目覚めつつも、けっこう眠り込んでいた。

車が止まり、エンジンが切られる。みなが車から降りていく。どうも終点のTambacoundaに着いたらしい。ぼくもやや寝ぼけた状態でよろよろしながら車を降りる。

外は真っ暗。夜明けはまだずいぶん先っぽい。時計を見ると3時。はぁ~、とため息が出る。ダカールで4時間近く待たされた結果がこれ。これじゃあ、宿に泊まるにも入り口が閉まっていて泊まれない。

なんでこうなるのかがよくわからない。3時に着くってあんた・・・。せめてダカールを昼の12時に出れば夜中の12時前に着くのに。なぜ時間を指定して、その時間までに客を集めないのか? みんな時計を見ながら動く習慣がないからか? 車の主はいい気分だろう。運転は下っ端に任せているから、自分が眠気と闘いながら運転する必要はないし、車には乗れるだけの客を乗せて走るからそのぶん実入りもいい。出発予定時刻という時間に拘束されず、車に乗れるだけの客が集まるまで待つ/待たせるのだから、毎日の収入は最大限が約束されている。

もっとも毎日、自分の車が走れるかどうかというのはわからない。想像でしかないが、見ている限りではどの長距離バスもカルテルのように、すでに既得権益を持っている人々がグループを作り、それぞれ利益を得られるようにあれこれ調整しているよう。だから、もしかしたら、車を出せるのは2日に1回とか、3日に1回とかかもしれない。誰かここのバス業界の仕組みを調べた人はいないのか?

こんな時間に着きやがって、まったく、バカじゃねぇか、と思いながら、リュックを受け取る。

バスが着いた場所には外灯があって、客待ちしているタクシーが数台あった。木製のベンチにはヨーロピアンらしき若い男性が2人、明かりの下で日記を書いたりしている。おそらく彼らも夜中に着いたために、明け方までここで待つのだろう。

ぼくも朝までここで待つしかないかな、と思っていたら、若い男がマリ?と聞いてきた。ウィ(やっとSiのクセが抜けた)と答えると、マリに行くバス乗り場はここではなく、別の離れた場所にあるからタクシーに乗れと言う。

なんで同じ場所にまとめないかな、と思いつつ、どうするか思案する。当初の予定ではここに泊まって明日か明後日にマリに向かおうかと思っていたのだが、朝までここで待って、明日改めてバスを探すとなるとまた3時間待ち4時間待ちが待っている。そう思うと、当初の予定は面倒に思えてきて、ここは一気に移動した方がストレスが少なくていいかもしれないと思う。

この男が言うようにバス乗り場が別にあるのかということはわからなかったが、ぼくの他におばさんが乗っていたので、この人も一緒なら嘘ではないかもしれないと、あまり深く詮索せずにタクシーに乗ることにする。料金を聞くと500と言った後にバガージュが500CFAと言ってくる。トータルいくらだと言ったら1000CFAと言う。どうせ荷物代はぼったくり分だろうと思い、すでにタクシーに乗っていたおばさんに運賃を訪ねると500CFAと言った。車の荷台にはおばさんの荷物もあった。

ほんとにモロッコに入って以降、タクシーの運転手は外国人と見ればカネづるとしか思っていない。もちろん中南米でもどこでもタクシーの運転手はそういう奴が多いが、それでもここまでの割合でぼったくってくる国は少ないように思う。エクアドルやペルーでもタクシーに乗ったが、感覚としてはだいたい半々。つまり5割はぼったくってくるが、5割はローカルプライスだったように思う。まぁ、これも今から思えばという感覚なので当てにならないが、少なくともここでは今のところほぼ100%の確率でぼってくる。

モロッコ以降、たちが悪いのが長距離バスがぼってくることだ。これは中南米ではボリビアをのぞき、なかった。どこもほとんど料金が決まっていて、みな同じ値段。まぁ、それはどこも会社という組織で動かしているから、そのようになっているのだろうから、そもそも会社になっていないこちらとは比べられないのかもしれない。

そんなことを眠い頭で思いつつ、タクシーに乗る。10分もせずにもう1つのバス乗り場に到着。ここもターミナルというかただの駐車場という感じで、確かにダカールから乗ってきたものと同じようなミニバス(ぼろぼろの大型ワゴン)がたくさん駐車している。ただ人気はなし。

タクシーはその駐車場で停車。停車したところには男が2人おり、照明があるものの薄暗い中、おしゃべりしていた。

タクシーを降りるとその男たちが声をかけてきてこっちに来いという。男たちは椅子に座っていたものの、その隣には30人くらいは座れる広いゴザを敷いていた。そこに座るよう促され、どこに行くのかと聞いてくる。国境の方だと言うと、ここで待つように言う。

ゴザに横になる。蚊が心配だったのでリュックの中から蚊取り線香を取り出し火をつける。思ったほど蚊はいない。寝ころんでいると男が話しかけてきて、14000CFA(約3000円)で今すぐ車に乗せて国境まで連れていくがどうだと聞いてくる。高いので却下。

寝たら蚊に刺されそうなので、目は開けたまま仰向けになって待つ。空は曇っていて星は少ない。

1時間ほどたった4時頃、夜明けまであと3時間かぁ・・・、などと思っていたところへ1台のミニバスが駐車場に入ってくる。すると椅子に座った男が、声をかけてきてあれだと言ってくる。あわてて線香の火を消し、荷物を持って車の方に行く。

値段を聞くと5000CFA(約800円)。地図で見た距離からするとそんなもんだろう。

助手席に座らされる。助手席は後ろの座席と違ってゆったりしているから楽だ。

車はすぐに走り出す。真っ暗な外灯もない道をひたすら走る。道は舗装されているからまったく快適。うつらうつらしながら到着を待つ。

夜が明けてから1時間ほどたった7時半頃、マリ側の国境近くに到着。てっきり国境まで行ってくれると思っていたのに、バスは道ばたの空き地のような駐車場に止まる。そこで雨が降り出す。

慌てて近くにあった軒下に行き、そこでリュックカバーなどをかけ、雨対策をする。

駐車場にはミニバスの客を狙ったタクシーが来ていて、ぼくにも声をかけてくる。国境まで行くというので、それに乗る。運賃1000CFA(約200円)。

雨は土砂降りの一歩手前くらい。けっこう強い。バスを降りたところから15分ほどでセネガルの国境に着く。タクシーの運転手が指さし、仕草でスタンプをあそこでもらうよう言う。

タクシーを降りて警察の建物に行く。特に質問もなく、けっこうすんなり終わる。

またタクシーに乗って10分ほど行くと、左手に注射している大型バスが見えた。タクシーはそこで止まる。これがマリのバマコに行くバスらしい。

バスが止まっている奥にはぼろぼろの蔵のような建物があり、そこにたくさんの旅行用バックがあった。またその建物の中にはマットレスをしいて寝ている人も。

その建物の表でバスのチケットの販売をしているのだが、屋根のトタンはあちこちに穴が空いていて、足下にもどんどん水たまりができている。

バマコまで行きたいというとチケットを切ってくれる。値段は12500CFA(約3000円)。けっこう高い。

ここまで来たはいいもののまだ入国手続きをしていない。雨があがったところでちょっとあたりをふらふらしてみる。バマコへ続く一本道を挟むようにいくつかの商店が並んでおり、その裏側には住宅が建ち並んでいた。

商店で水を買ったついでに警察がどこにあるのか聞く。1kmくらい離れていると言われたが、とりあえず教えてもらった方向に行ってみる。が、それらしき建物は見えない。他に国境を渡って来た人たちもいるだろうから、バスが警察前に止まるかと思い、バスの所に戻り、チケット売りのおじさんに片言フランス語で警察に行くか聞くと行くという。

タクシーでここに着いてから2時間たった10時頃、バスのエンジンがかかる。リュックを持って荷台のところに行くが、ここからが長かった。

バス会社のスタッフが客の荷物に白いテープを貼って、それぞれのチケットの番号などをそのテープにマジックで書いていくのだが、それをこれから乗るというときになって始めたものだから、なかなか終わらない。この2時間の間に、というか、チケットを売った直後にその作業をしていれば、すぐに発車できたろうに、なんでこう要領が悪いのかとやや遠目に見ながら思う。

結局、乗客全員の荷物をさばくのに1時間かかり、発車したのは11時過ぎ。その間、ずっとエンジンはつけっぱなし。

走り出して15分ほどでバスは停車。荷物のチェックをする警察の前で止まる。そこからちょっとだけ移動し、今度が入国手続き。なぜかみな1000CFAを審査官に払っているので、賄賂の請求でもあるのかと思っていたら、そういうことはなく、質問も仕事と行き先を聞かれただけで無事入国できた。

マリに入ってもセネガル同様緑が多い。土で塗られた家家がなかなかきれい。

それにしても大型バスは楽だ。ただ、ぼくの座席は背もたれが壊れていて、勝手に後ろに倒れる。後ろのおばちゃんはなかなかの体格で、かつ前の座席との間は狭いから、背もたれに背を預けていると後ろから突き上げるようなことをする。そんなことされても壊れているからしょうがない。それに長距離バスで背もたれを使わずにいるなんて至難の業だし、金払った意味がない。目が冴えているときはおばさんに気を使って背もたれは使わずにいたが、眠くなるとそんなことお構いなく寝る。

マリ側に入ると頻繁にバスは止まる。警察のチェックが3度ほどあり。そのチェックポイントには露店が出ているから、そこで食い物などは買える。炭火で羊か何かの肉を豪快に焼いている屋台もあり、うまそうだったが、まだ先は長いので我慢。

14時くらいにも道ばたにバスが止まる。乗客の7割くらいが降り、なかにはmyゴザor my絨毯を持って出ていった人が居たので何かと見ていたら、みな適当に道の脇の草むらに場所をとり、お祈りを始めた。今回の停車はそのためだけの停車だったよう。

17時頃、また警察チェックで停車。そこでこらえきれず、肉を食う。牛なのか、羊なのか、ヤギなのかわからなかったが、500CFA(約120円)ぶん頼むと300g程度の肉を30kgの米袋の茶色い紙のような紙に包んでくれる。塩気もちょうどよくうまい。2軒の店でそれぞれ500CFAずつ買ってしまった。

夜はぼつぼつ寝る。セネガルの車が狭苦しかったから、今日はけっこうゆっくり眠れる。

Fin

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