2008年10月29日水曜日

[diary]キンバリーでダイアモンドざんまい?

キンバリーでダイアモンドざんまい?

08/08/25(月) 晴れ
[Kimberly→Cape Town:South Africa]

7時頃起床。やはり高級な宿は寝心地が違う、なんてことはない。やっぱりこの部屋は見るだけにして、ドミにすれば良かったなどと考える。

電気ポットに水をいれ、沸かす。ティーバッグを入れたカップにそのお湯を注ぐ。もしや朝飯付きだったりしてなどと突然思って、台所に行ったが、誰もいないし、そんな用意もされていない。昨日は宿で朝にスープを食い、電車の中でみかん2つとジャガイモ3個ほどを食っただけだったから腹が減ってきた。西アフリカではその辺の露店で飯が食えたから食い物には困らなかったのに、こっちに来てからは飯を食うにもスーパーに行ったりしないといけないから面倒だ。

さて、今日はケープタウン行きのバスをまず調べて、それから市内散策となる。ケープタウン行きのバスで今晩発のがあれば1泊ぶん浮くのでベストなのだが、あまり期待できない。

宿の人が起きてくるのを待って、部屋替えを頼む。ネットでドミがあるとみたので、もう1泊する可能性が高いため、そちらに部屋を変えたい旨を告げる。すると彼は、ドミは掃除されていないからすぐには移れないが、荷物は部屋から出してほしいと言う。なので、荷物を廊下に出すと別の部屋に荷物を置くよう案内された。

そうしてから9時頃宿を出る。宿で市内観光のパンフをもらい、それに地図が付いていたので、それを見ながらバスの予約ができるというインフォメーションに向かう。半袖シャツの上に長袖のシャツを1枚という格好で外に出てみると、けっこうひんやりしている。月曜なのに車の通りは少ない。かすかに風がふいていて、そのせいかだんだんと手が冷たくなってくる。

商店からはパンやリンゴを数個買った人が出てくる。ぼくもパンを買おうかと思い、その商店に入るが気に入るものがなく、別を探すことにする。なお、その商店の雑誌コーナーには『Farmer's Weekly』という雑誌があった。

インフォメーションまでは30分ほど。中心部ではないとは言え、予想に反しその間パン屋は一軒もなかった。途中、通った病院の前ではホットドッグを売っていたが、どうせ偽物ソーセージだから食べる気にならない。

えーっと思うような立派なCollege(大学?、中にいたのは中学生くらいだった)の敷地前を通る。建物はレンガ造りのどでかい教会のよう。敷地もサッカー場くらいはある。

歩いている歩道は舗装されていないものの幅が10mほどある。1階立ての平屋の家が並んでおり、どこも柵は低いし、有刺鉄線も防犯用の電流が流れている鉄線も張られていない。これらからするとやはりここは安全なまちのようだ。

教会がいくつかあり、Buptistだったりユダヤ教のものだったりする。

目的の通りに出るとインフォメーションはすぐにわかった。「i」と大きな文字が表の看板にある。建物はけっこう大きく小さな道の駅並。建物内に入ってみると、国内各地の観光パンフレットがそれぞれ地域別に並んでいる。インフォメーションの屋根続きでバスのチケットを扱っているエージェントがあり、そこで国内の主要なバス会社のチケットが買える。

窓口の若いでかい男性にケープタウン行きのチケットを聞くと、幸いなことに今晩発のバスがあった。値段は450ランド(約6500円)。電車であれば200ランド程度らしいからやっぱりバスは高い。しかし、それを頼む。男性が手続きをしている間に、もしやこれは高級なバスのチケットかもしれないと思い、それが一番やすいものか尋ねる。すると男性は一番安いのがいいのかと確認してくる。そうだと言って、安いのを頼むと、今度は350ランド(約4500円)のチケットが出てきた。それでも高いが、これが最安ならしょうがない。そのチケットを買う。チケット自体は330ランドほどだが、差額を手数料で取られる。

チケットは印刷機から出てくるのではなく、決まった用紙に窓口の人が必要事項を書き込むタイプ。この点は、地理やアルゼンチン、ブラジルの方が機械化が進んでいる。男性はチケットをぼくに見せながら、バス会社の名前と発射場所(インフォメーションの駐車場)、発車時刻、到着場所と到着時刻、運賃などを読み上げ確認する。非常に丁寧。

予感に反して今晩のチケットが取れたので、チェックアウトするために宿に戻る。歩くこと30分。途中、インフォメーションに行く途中に下見した商店で半斤の食パンを買う。4.2ランド(約60円)。パンは安い。

宿に戻ってチェックアウト。もしやドミトリーの掃除の最中ではないかと心配したが、朝食の後かたづけをしているところだった。男性にチェックアウトする旨を告げると、イヤな顔もせずそうかそうかと精算の手続きに入る。宿代1泊分350ランドとネット2時間分40ランドの合計390(約5000円)。バス代とあわせあっと言う間に1万円が消えていったのであった。

男性はバスの時間を尋ねてくる。夜7時と伝えると、じゃあ、荷物をここにおいて1日歩いて回ると良いと言う。ここはバスに乗るインフォメーションから遠いし、インフォメーションでも荷物を預かってくれる(これは特別サービスのよう)と言っていたので、インフォメーションまで荷物を持っていくつもりだったが、せっかくの提案なのでそうすることにする。

再びまちへ。さっき買ったパンをかじりつつ、中心部に向かう。このまちに来て驚いたのは、病院が充実していること。10階立ての比較的新しく見える病院の周りにはメディケア施設や保健センターのような建物もあり、さらにはホスピスまであった。どの建物も日本ではなかなか見ないくらいきれい。病院の入り口には道ばたでスナックや果物(青と赤の小さめのりんご、洋なし、バナナ、アボカド、みかん6種類ほど)やじゃがいもを売る人あり。小袋のポテトチップを買ってみると値段は3ランド(約40円)だった。

セシルローズの銅像の前を通り、その近くにあった酒屋に行く。水を探していたのだが、ここのは1.5リットルのペットボトルが9ランド(約150円)とやや高い。のでパス。

しばらく歩くとガソリンスタンド併設の店があったので、そこで水を買う。ここでは1.5リットルが7ランド(約90円)ほど。店主はインド系。

この辺りはCity Centerとあったので、しばらくうろつく。名前からただの官庁街を想像したのだが、違った。本当に中心街だった。ショッピングセンターが固まって3つほどあり、そこより東(鉄道駅より)に個店や銀行が並ぶ商店街がある。市庁舎の近くには郵便局があり。

またその近くにはMini Pakistanと書いたファストフード店があった。パンを食べただけでは物足りなかったので、その店に入ってみるとすでに20人ほど座れる客席はいっぱい。注文をするレジにも10人くらい並んでいる。メニューがカウンター上のプラスチックボードに書かれていたが、カレー&ライス以外は馴染みのない名前ばかりで中身が想像できない。人が多いのでここで食べるのはやめ、またぶらぶらする。

Bureau de Change(両替所)となぜかフランス語の看板を出している銀行があったので、ランドを米ドルに両替しようと行ってみたが、ここでも外国人には米ドルを売れないと言われ、断念。

そこから適当に歩いているとワゴンを改造したミニバス乗り場に出た。そこはそれまで歩いてきたところと違ってゴミが散乱し、汚れている。ワゴンは何台か止まっているものの客はほとんどいない。

その敷地内にはミニ商店街があったので、そこを見て回る。サロン(美容院)やファストフード店、八百屋などがあるが、閉まっている店の方が多い。黒人のおばちゃんがやっている食堂があったので、そこで飯を食うことにする。気が付けばもう11時を過ぎていた。

何が食べられるかと聞くとチキンとパンと言う。値段を聞くと14ランド(約200円)と言う。テーブルに座り料理を待つ。店は屋内に調理場があり、その表に客用のテーブルが3つほどあるだけの小さな店。なぜかコインゲーム機があって、それを見ると画面に日本語が流れていた。警部:う~ん、におうな。これは同じ人間の仕業かもしれない。部下:俺にはわからないですね。なぜですか? みたいな文がカチャカチャと流れる。これは1度でもここの人が遊んだことがあるのか不思議に思う。

15分ほど待って出てきた料理はなかなかのものだった。食パンの端5cmほどを器代わり(ミミの部分なので器代わりになる)にして、その中に具だくさんのチキンカレーが盛られ、その上にくり貫いたパンの白身(パンの白い部分)が蓋のように被さっている。なかなか豪快。カレーは日本で食べるカレーと味は変わらない。鶏肉は首から背骨にかての部分だったため肉があまり付いていない。紅茶が付いた。

けっこう腹一杯になり、そのミニバス乗り場を後にする。それからここキンバリーに来た目的であるダイアモンドの採掘跡地に行く。そこはThe Big Holeと呼ばれており、市内各所にある観光標識に従って行けばたどり着く。

中心部からゆっくり歩いて5~10分ほどでビッグホールに着く。ぼくはただその穴とダイアモンドに関する博物館があるだけかと思っていたが、違った。

入り口を入ると当時のまちを再現した1画があり、そこには当時使われていた建物が移築され、またさまざまな道具などもそれぞれの建物に展示されていた。ダイアモンド買い取り屋の建物からタイピング屋、散髪屋、教会、喫茶店(看板にはチョコレートやティーとあった)、図書室、食器屋、洗濯道具屋、金持ちの住宅や労働者の住宅まであった。その中にはぼくが泊まった宿の家主であったGreat Batchの設計事務所もあった。その事務所の壁には設計図が張られ、各種道具や古い本などもあった。ここまでは無料なのがすばらしい。ヨハネのゴールドリーフシティよりはるかに充実している。

博物館に入るときは入り口でセキュリティチェックを受ける。金属反応を探る棒で全身をチェックされ、さらに銃は持っていないかと聞かれる。

博物館の入り口はもう1つ先のゲート。そこから入らなければお金はとられない。建物内にはカフェとアフリカの彫り物や布地、服、本などを売っている土産物屋の他にもちろんダイアモンド屋(宝石屋)があった。

博物館の入り口で入場料を払い中に入る。料金60ランド(約900円)はちと高い。13時からガイドがビッグホールや坑道を案内してまわるというので、それまでは中の展示を見る。展示はダイアモンドが店に並ぶまでの過程を地球の活動の歴史から鉱脈(?)の探査、発掘の技術、研磨などあらゆることを紹介している。知らなかったのが、けっこう河口や海沿いでもダイヤがとれること。どこで見た地図だったか、ナミビアの南の海沿いがダイアモンド地区で立ち入り禁止となっていたのは、たぶんそのためなのだろう。

展示はもちろんキンバリーの歴史もある。またある壁には南アフリカとそれに関係するヨーロッパを中心とした世界の歴史が年表形式で紹介されている。

もちろん本物のダイアモンドの展示もあり、巨大な金庫のような中にキンバリーや各地の鉱山で取れたさまざまなダイアモンドが展示されている。掘り出されたときのままの岩石の1角となっているものもあれば、きれいにカットされたものもある。当然、警備員の見張り付き。ぼくは知らなかったが、ダイアモンドには茶色や緑、青、ピンク、オレンジ、黄色、たまに赤といったいろんな色があり、それぞれの色のダイヤも展示されている。ピンクは白とほとんど見分けが付かない。

ダイアモンドのかけらを見ているとどうしても角砂糖、あるいは金平糖(こんぺいとう)あるいはまた飴玉のかけらに見えて仕方がない。テーブルの上にこれが転がっていたらおそらく口に入れてしまうだろう。プラスチックのなかった当時ならダイアモンドは珍しいものだったかもしれないが、きれいな飴玉やプラスチックでダイアモンドもどきを作れる今となっては、それと言われなければダイアモンドなど素人には見分けが付かないだろう。そんなものが紛争の原因だったり、その資金源だったりになってしまっているのが、なんともアホらしい。

ダイアモンドの歴史ではインドで古くから王様が好んでいたことが意外だった。また、現代のダイアモンド産業が盛んな地域としてタイがあげられていたことも意外だった。また、ロスチャイルドがセシル・ローズに融資していたらしい記述もあり。あとティファニーというのがダイアモンドの名前、ひいてはそのダイアモンドを買い取った人の名前だったとは初めて知った。

13時からのツアーの参加者は、ぼくの他に白人の年輩夫婦2組のみ。まずダイアモンド発見から一大産業になるまでの過程を描いた映画を見る。驚いたのはスクリーンの大きさ。東京のミニシアターがかなわないのはもちろん、普通の映画館よりも大きい感じがした。真ん中あたりに座ったのだが、画面が大き過ぎてクラクラする。

映画で印象的だったのは地元のズールー族(だったと思う)の王もダイアモンド鉱山で働いて、作業中の事故から何人もの人を救い出したことがあったとあったこと。ただ、もちろん王だからといって特別扱いではなく、他の労働者と同じ扱いだったらしい。

その後、ビッグホールを見学。見学用のデッキというか通路から眺める。でかい! 30mほど下の水面の上をツバメに似た鳥が飛び回っている。

その後、エレベーターで10mほど潜った坑道に行く。中身はゴールドシティと似たようなものであまり新発見はなし。

最後にさっき見ていた展示コーナーに行って解散。

※The Big Hole,Kimberley
http://www.thebighole.co.za/index.html

ビッグホールを後にして、また街に行く。さっきは素通りしたショッピングセンターをそれぞれ見学。客はどこも多い。物はあふれている。茄子はしおれている。ショッピングセンターの一角には携帯電話屋、電化製品屋、スポーツ用品店などがあり、本屋もあったので見学。雑誌『Focus on Africa』というBBCが出している薄い雑誌を購入。27.95ランド(約400円)。表題は”Oil Boom-What's in it for you"だった。

それからぶらぶらしていたら古本屋があったので、そこも立ち寄る。英語とアフリカーン語それぞれの本がある。ここは見ただけ。

それからショッピングセンターの近くに図書館があったので、そこも見学。ワンフロアのみで児童用こーなーもあり。ここも英語とアフリカーン語の2言語の本が置かれている。CDやDVDの貸し出し、視聴もできる。高校生などが勉強するコーナーもあり、数人が勉強していた。

そんなこんなしているうちに17時に近くなったので宿に荷物を取りに行く。18時前にはインフォメーションに行き、そこで荷物を預けて、水を買いにスーパーに行く。18時を過ぎるともう暗くなる。その後はインフォメーション内のベンチでバスがくる時間を待つ。

バスは19時半過ぎに駐車場に入る。座席の指定は特になく、けっこう空いていたので二人ぶんの座席を確保。脚は伸ばせないものの、そこまで窮屈ではない。心配した暖房もちゃんときいていてボリビアのように寒い思いをすることはなかった。

まちなかを抜け、窓から空を見上げると文字通り満天の星。しかし、ガソリンスタンドに入ったときにバスから降りて見上げたときには車内から見えたほどは見えず。ガソリンスタンド程度の光でこれだけ見えなくなるとはと感心する。

ケツの痛みで目覚めつつもこつこつ寝る。

Fin

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