2008年10月20日月曜日

[diary]エルミナへおでかけ

エルミナへおでかけ

08/08/15(金)
[Cape Coast,Elmna:Ghana]

夜中、雨の降る音がする。

長袖を着て寝ていたのに、蚊に刺される。起床後、この蚊を成敗。

空は薄暗い曇り空。雨が降りそうな天気だ。今日はここからタクシーで30分ほど行ったエルミナに行こうと思っていたのだが、デジカメの電池が切れていることに気づく。部屋にはコンセントがあるのだが、持参している各国対応のプラグをもってしても型が合わず夜の間に充電できなかった。

なので、フロントに降り、1時間ほど充電。その間、『豊かさの誕生』を再読。

9時過ぎに宿を出て、コトクラバという市場がある地帯に行く。その近くに乗合タクシー乗り場があり、そこからエルミナ行きに乗れるとのことだった。

歩いて15分ほど。途中あった学校のグランドではサッカーの試合が行われていた。10代半ばくらいの男子。小学生くらいの子らも観戦に集まっている。小さい子らの中の一人がぼくを見つけ、「チャイナ」と指さしてくる。それをきっかけにいろんな顔がこちらに向けられる。完全に見せ物状態。

やれやれと思いつつ、さっさと通り過ぎる。

ワガドゥグで買った4色ボールペンを昨日どこかで落としたようで、なくなっていた。そのため沿道にある小さな文具屋で4色を探すが、2色までしかなくここで買うのはパス。

文具屋の近くに屋台があったので、そこで朝食。授乳しながら店番をしていた女性は、ぼくが近づくと子どもを引き離して商売モードになる。例のごとくいくらぶん欲しいのかと聞かれたので1セディ(約90円)と答え盛りつけられるのを待つ。

今日の朝食は、白米に例のカレー汁と揚げ魚、それに珍しいことに生野菜(キャベツ、人参etc)のサラダ付き。大盛りのご飯に比べやはり汁の量は少ないが、何とかご飯全部に行き渡る程度の量はある。白米は炊いたご飯を冷凍して、解凍して、また冷凍して解凍したときのようにボロボロポロポロで歯ごたえがない。

ご飯の場合はフーフーなどと違ってスプーンで食べる。

腹が膨れたところでタクシー乗り場に行く。乗り場には行き先と次発車する車がわかるように、「Elmina Ready Car」と書かれた三角柱を横にしたものがその次でる車の屋根に置かれている。

ちょうど客が乗り込んでいた車があったので、ぼくが乗り込んだらすぐに出発できた。ベナンなどと違って、助手席には1人、後部座席には3人と正しい乗り方をしている。

まちを出ると、道の両サイドに椰子が立ち並ぶ通りに出る。左手には波立つ海が見え、右手には椰子の葉葺きの家々が見える。雨がぱらぱらと降ってはあがる。

エルミナには30分ちょっとで到着。海沿いの通りからはエルミナ城が見えた。

車はだんだん町中に入っていく。両脇に商店が並び、車の行き来が多くなる。

ツーリストインフォメーション近くで適当に降り、城に向かう。タクシーから降りた途端に30代くらいの男の物乞いが寄ってきて、カネをくれとつきまとう。10ペソのコインをプレゼント。

歩いていると視線がぼくに集まる。チャイナだのジャッキーだの、チンチョンチャンだのという声が聞こえる。まったくアフリカというところは、どこ行ってもこれだ。

ある穀物を売っている店の前で立ち止まる。売っている米はmade in Thailandばかり。隣の店が文具店だったのでのぞくと無くしたものと同じ4色ボールペンを売っていたので、ここで購入。お値段0.2セディ(約20円)。

片道1車線の狭い通りを城の方面に向かって歩く。両脇にはイギリス植民地時代に建てられたらしいレンガづくりの建物が目立つ。どれもぼろぼろ。廃墟のようになっているところもある。城の手前には橋があり、橋の付近から奥地に入っていく川のような水路沿いが一大マーケットになっている。水路にはセネガルのサンルイの海辺のように大量の舟が並べられていて、赤や青などでデザインされた舟の一群はなかなかの壮観。

橋の手前でスイカの切り身を売っていたので購入。0.2セディ(約20円)。やはり切り売りだとしおれている感じになっていてうまくない。歩いている間中、こちらに視線が集まり、じろじろ、なかにはにやにやしている輩もいる。

城がある敷地の入り口を入り、城につながる橋がある右手の少し高くなっている駐車場への坂を上る。駐車場でビニール袋入りの水を売っている少年(7歳)くらいが、「チャイナ」と言う。振り向くと水を買わないかというような仕草をする。一方でその坂道に彫り物のような土産物を並べ売っていた男性(20代?)が、おかしな日本語で「コンニチハ」と声をかけてくる。これも適当に答えて相手にはせず。

城へは堀を渡す橋を渡って入る。中に入ると左手に受付があり、そこで入場料7セディ(約700円)を払う。受付の女性は年輩の男性を呼び、ぼくを案内するように言う。その男性は、ぼくに一人で回るかガイドが必要かと聞いてくるので、一人で回ると答え、すらすらと中を見て回る。

規模はこちらの方が大きいが、中にある見所は基本的にはケープコーストにある城と同じ。奴隷が入れられていた部屋やcellと書かれた監獄、取引用の部屋など。展示物はほとんどなく、それぞれの部屋に説明板も何もないから、ガイドなしではそれぞれが本当になんなのかはよくわからない。しかし、ガイドと一緒にまわると時間がかかるし、だいたい人によって英語の発音が違うし、ぼくの英語もダメだから聞いてもほとんどわからない。

実際、どこかのグループなのか学生なのか同じシャツを着た20人くらいのグループや昨日ケープコーストで見たイギリス人団体客らしい一団がいたので、ちらっと混ざってみたりしたのだが、それが英語なのかいっとき聞かないとわからなかったりした。

ここでも地元の絵描きらしい人が書いた絵やその人がデザインしたTシャツが売られていた。

また、このエルミナ城はぼろぼろになっていたものをオランダだかイギリスの支援を受けて、ここまできれいにしたらしい。そのプロジェクトに関するパネルが20ほどあって、修繕前と修繕後の写真やプロジェクトの目標年である2015年までのプロジェクトの概要などが書かれてあった。プロジェクトの名前はElmina Heritage Projectというらしい。200万ユーロだかのお金をかけて取り組んでいるらしい。

ここでも思うが、ガイドはいらないから解説板を付けるか解説した冊子を配布なりしてほしいものだ。

城を出てからマーケットになっている一帯を見に行く。城を出ればすぐそこからマーケットになっている。まずは椰子で喉を潤し(0.5セディ:約50円)、それから見て回る。

魚はさばやあじのような魚から、赤鯛が小さくなったようなもの、太刀魚やヒラメのようなものもある。見て回っている中にどでかいアワビのようなものがあったので、その露店の女の子にこれは何かと聞くとSea snakeだという。海蛇? 形からすると貝類のように見えるのだが・・・。

市場は舗装されている道路と水路の間のスペースにあったのだが、とりあえず舗装された道路沿いを西にふらふら歩く。通り沿いにはポツポツと雑貨屋があり、しばらく歩くと船を造っている一帯が現れ、その隣に魚の薫製を作っている一帯が現れた。

薫製は土で作った窯と金属製の網(枠は木製)を使って作られていた。釜は巨大な四角い七輪のようなもので、土壁(レンガ色)で一片が1.2mほど、高さ80cmほどの四角い枠を作り、その上に網を乗せ、その網の上に魚を並べる。また網は幾重かになっている。土台となっている土づくりの釜には通気口があるので、そこから炭をくべたり、火の調整をしているようだった。

もくもくと白い煙をあげている釜もあれば、ちょうど魚を並べている釜もある。作業をしているのは女性ばかり。中には10代をちょっと過ぎたくらいの女の子もいた。

母親が仕事をしている傍らで遊んでいる3歳前後の子どもたちは、ぼくを見ると地元の言葉で何やら言いながら手を振る。ここでは英語ではないなんとかという言葉が一般に話されているので、子どもらがなんと言っているかは不明だが、ベナンと同じように白人を意味するようなことを言っているのだろう。

店が途切れるところもまで行って、引き返す。

途中、水路沿いの市場を見るために舟を作っている一帯を通り抜ける。舟はみなお手製で、釘やとんかち、カンナのような道具を使って組み立てている。舟の型自体は素人目からするとどこにでもある一般的な舟のように見える。

水路沿いに出ると人でごったがえしていた。魚を売る人の間にできた通路は、よけながらでしか歩けないほど狭く、しばしば何かにぶつかる。ここで驚いたのは、売られている魚はすべて冷凍されたものだったことといろんな魚がごっちゃにされていたこと。長方形の箱にでも入れて冷凍していたらしく、いろんな魚がごちゃごちゃにひっついて凍っていて全体では直方体の形をしている。そして、その直方体の個体を売り買いしていた。ちなみに直方体はだいたい縦30cm、横100cm、高さ10cmほど。両手でかかえないともてない。もっともこちらの人は頭に乗せているけど。

買い付けに来ている人は、その凍っている直方体を何体も買い、ライトバンの荷台にそのまま積み込んでいたりしていた。

そこからさらに橋(城)寄りでは今日あがったばかりらしい生の魚が売られていた。小さな子どもが水浴びできるくらいの盥(たらい)に鰺(あじ)のような魚が山盛りにされている。さっきも売っているのを見た細長い魚や平べったい魚もある。

そこへ海から舟が一双水路に帰ってきた。水路はすねくらいまでしかなく浅いのだが、数人がそこに入り、バケツを舟の人に渡し、魚を入れるよう頼んでいる。舟の人と陸の人の間で魚がどのように売り買いされているのかは、よくわからない。陸の方には同じようにバケツを持って準備している魚売りのおばさんあり。

たいして動きがなかったので、舟から目を離し、魚を売っているところをうろうろしていると、背後から怒号が聞こえる。振り向くと小さな鯖のような魚を一尾持った男を怒りでパンパンになった形相で追いかけている男が二人。魚を持っている男を捕まえると腕をはたき、魚を取り返す。どうも勝手に男が魚を持っていこうとしたらしい。しばらくあたりは騒然。周りにいた人が集まってきて、ああだこうだと怒鳴り声をあげ、言い合いをしている。

こうしたちょっとした喧嘩はアフリカに入って以降、しばしば見る。どの国に行っても乗合タクシーやバス乗り場、市場など人が多いところに行けば、怒鳴り合いの喧嘩は漏れなく見れる。

ぼくは最後までまで見届けることなく、市場を出る。途中、沖縄のサータアンダギーに似たボール型のドーナツを1個購入(0.2セディ:約20円)。これがなかなかうまいんだな。

ツーリストインフォメーションに行き、郵便局の位置を教えてもらう。スタッフの女性がその道をまっすぐと教えてくれる。で、その道を歩いていたのだが5分ほど歩いても見あたらないので、本屋の女の子に道を尋ねる。すると彼女は来た方向を指さし、ずっとまっすぐと言う。おかしいなと思いつつ、来た方向にはなかったからと、一本だけ右に入る大きな道があったので、そこを曲がる。

しかし、見えるのは民家のような建物ばかり。適当なところ
まで歩くと、パイナップル屋があったので、そこで丸ごと1個のパインを剥いてもらう(0.5セディ:約50円)。そして、郵便局の場所を教えてもらう。

そこから歩くこと20分ほどで郵便局に到着。結局、インフォメーションの人が教えてくれたのが正しく、本屋の女の子が教えてくれたのはまったく反対方向だった。

郵便局で城で買った葉書を買く。また郵便局のベンチでちょっと昼寝。寝ていたらおかしな英語が聞こえてくるので目を開けると中国人らしいおじさんがいた。ぼくがこれまで聞いた範囲で言うと中国人の英語は中国語なまりで音程があるから、すぐに中国人らしいということがわかる。反対にぼくの英語も中国人等には日本語なまりと聞こえているのだろうか。

郵便局から幹線道路まではすぐだったので、歩いて幹線道路まで行く。途中、道ばたでまた椰子を買う。ガーナに入って以降、椰子を買うときに「hard or soft?」と聞かれるようになった。果肉の厚さの違いを言っているものらしい。このときはソフトを頼む。すっきりしていてなかなかよろし。果肉は少ないけどプルプルしていてまたよろし。

幹線道路沿いで乗合タクシーを捕まえ、ケープコーストに帰る。朝からずっと曇っていたのに今頃晴れてきた。

ケープコーストに戻ってからSTCという会社のバスターミナルに行く。明日のバスの時間を調べようと思って行ったのだが、明日のバスは満席で、次は日曜と言われる。がーん! 窓口の人に他にバスはないか聞くと、近くの信号がある交差点に大型のバン(他でミニバスと呼ばれていたよな車)のバス乗り場があるからそこに行けばと言われる。

STCのターミナルにも乗客を当てにして物売りの人がちょろちょろいた。そこで発見したのが鮹(たこ)。揚げたものらしい。売っているおばさんに確認したところ確かにオクトパスと答える。

1セディ(約100円)ぶん頼むと手のひら位の大きさの切れ端をくれた。鮹なんて久しぶり。日本出国以後では初めてかもしれない。チリなどで売っているのは見たけども、こうして露店で売られているのは初めてだった。食べてみると確かに鮹。ただ油が悪いのかちょっとバターのような甘さがある。

歩いて教えてもらったミニバス(ガーナではトロトロと言う)乗り場に行くと、確かに看板には明日行く予定のKumasiという地名があったのだが、そこにいた人に聞くとここからは車は出ていないと言う。このように、とくにアフリカでは看板はまったく当てにならない。

なので、また乗合タクシーを拾い、ケープコーストの町中に向かう。コトクラバという市場があるところから出ているとさっき教えてもらったので、運転手にその旨伝えると、コトクラバからちょっと離れた乗り場まで連れていってくれた。

そこで聞いたところ、ようやくKumasi行きのトロトロを確認。運賃4.5セディ(約450円)。

客が集まったら発車するというスタイルなので、発車時刻は決まっていないとのこと。ここの乗り場でも鮹を売っていたのでまた鮹をちびちびやりながら、宿に向かう。

初めて通る道だったこともあるのか、やはり視線を感じる。ミシンで服を縫っている女性が「カム」と呼ぶので行ってみると、どこから来たのかなどと聞かれ、例のごとく「Do you like me?」などと聞いてくる。若い女の人(女の子)で声をかけてくるのはこの手が多い。そしていわゆる下ネタを展開する。さらにぼくの髪を触りながら「I like your hair」と言う。

横で一緒にあれこれと話しかけてくる女性は、今日はどこに行ったのかと聞いてきて、エルミナだと言うと、自分はまだ行ったことがないから連れていって、と言う。タクシー代は高くないだろ(0.6セディ:約60円、乗合タクシーの場合)、と言うが、そのお金もないという見え透いた嘘を言う。そして、明日ここに来いというようなことを言うので、明日はよそにでかけるなどと、15分ほどおしゃべりをしてバイバイと解放してくれる。

宿に戻ってから近くのネット屋に行くが、日本語が読めない上、回線が遅い最悪のパターン。1時間1セディ(約100円)。

それからアクラ行きのトロトロが出ている乗り場にある食堂でフーフー&カレースープを食べる。スプーンがなかったので、手で食う。やっぱりあまり気が進まない。途中から中に入っていた羊肉の骨を使って食う。スープにはやはり具は肉のみで何も入っていない。辛さは食べた後もちょっとひりひりするくらい。

宿に戻るとアクラの宿で一緒だったカップルがちょうど着いたところだった。男はヨーロッパ系なのだが、女の方が日本人系。そのためかアクラで合ったときは、彼女の方からHi!と声をかけられた。が、特に会話はしなかったので、日系なのかどうかはわからず。

18時過ぎには暗くなり、あとは宿で過ごす。

Fin

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