2008年2月6日水曜日
アメリカへ行く機内にて(2008.1.30 その1)
グアダラハラ三日目です。メキシコでの事をかくまえにこの間の事を何度かに分けてアップします。
「ミート オア チキン?」
ぼくの耳にはそう聞こえたが、まさかそんなことをフライトアテンダントが聞くわけがない。肉がいいか鶏肉がいいか、なんてね。
とりあえずぼくは、隣に座っていたアメリカ人とおぼしきおばちゃんに習って、「チキン」と答えておいたが、果たして次の人への同じ問いかけを注意深く聞いてみると、今度は「ビーフ
オア チキン?」と聞こえた。
ことほど左様にぼくは英語が聞き取れない。文章にして書いてくれれば、おおよそは分かるのだが、口頭ではからっきしだめだ。特にアメリカ英語はさっぱり。
そんなことは前から自覚していたのだから、旅の前にちょっとは聞く訓練をしていればいいものを、同じ英語でもイギリス英語の方がいくらか聞き取れて気分がいいものだから、ネット上でBBCラジオを聞いて悦に浸っていた。
そして、予想通りアメリカ英語はわからなかったのである。
2008年1月30日の夕方、飛び立ったロサンゼルス直行便は、ほぼ満席。飛行機の前方部分は例のごとくファーストクラスの座席で二つの通路の脇と間に2座席ずつ個室のような仕立ての座席になっていた。座っているのは圧倒的にアメリカ人とおぼしき人たちだが、なかに20代と見える日本人っぽい人もいた。ふっ、それがどうした・・・とぼくはつぶやく。
エコノミーの座席に入ると、おいおいすし詰めじゃねぇかと言いたくなるほど、人の顔だらけ。両脇に2席と通路の間に4席だから座席の数だけ数えれば、たいしてファーストクラスと変わらないような気もするのだが、実際に見ればやはり縦に横に圧縮されている。
離陸して1時間もしたところで先の意味不明の言葉事件が起きるのだが、出された料理はうまくはなく、とりたててまずくもなく、完食。ただ、鮨が二つ(エビの握りといなり寿司)に、マカロニ(ギザギザのでかいやつ)の鶏グラタンに、パンまでつける献立はいかがなものかと思う。
エコノミーとは言っても、さすがは国際線で、前の座席の背に各々画面が着いており、タッチパネル方式で、映画やテレビドラマ、音楽、はてはテトリスなどのゲームもできるようになっている。右手の肘掛けにはリモコンが埋め込まれているので、それを取り出せば、それがゲームのコントローラーとなる仕掛けになっている。
ただし、そこはアメリカの会社の飛行機ですから、使い方の案内までは日本語もあるが、番組となるとほとんど英語オンリー。日本語でやっている番組は「ためしてがってん」。ってどういうセンスじゃ!
加えてこの機会はいまいち出来が悪かった。番組は勝手に進んでいるから、自分が選んだときにはすでに始まっていたりする。番組を選ぶときには途中からでも見るか、それとも何分後の再開を待つかという二つの選択肢のボタンが出てくるのだが、再開を待つボタンはどうもまったく機能していなかった。ボタンを押しても、ちょっと待って、という画面が出たまま動かなくなってしまう。
右となりのおばちゃんは、この罠にひっかかり、自分の画面で番組が始まらないのを、もしやお金が必要なのかと思ったらしく、ぼくにそれらしきことを聞いてくる。聞かれても、はっきりとはなんて言っているかわからないから、勝手におばちゃんの画面を操作して、適当に番組を選択して、途中からでも番組を見るというボタンをはれて画面が切り替わった。その瞬間おばちゃんは「ワオ!」と言ったようだった。
左隣に座っていたのは20代とおぼしき韓国人の女性二人組。ハングルで何やら言っているのは、テレビの使い方の案内に韓国語がないことにケチをつけているようだった。しばらくテトリスをしていたようだったが、すぐに寝てしまっていた。
ぼくもここ数日の睡眠不足に満腹感が重なり、いつの間にか眠りに落ちていた。
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