2008年2月20日水曜日

テネハパ

2008.2.15(金) サンクリストバル・デ・ラスカサス2日目

目が覚めたのは7時前。
けたたましい犬の声で目覚める。同時に何匹もが吠えており、やかましいわ、と言いたくなるほど。しかも、ずっと吠え続けている。

犬がいる敷地とは3mほどの壁で隔てられているので、何匹いるか確認できず。ちなみにその隔ててる壁の突端にはガラス瓶を割った破片が建築用の接着材のようなものを使って並べられている。もちろん鋭い方が上を向いている状態になっており、道路に面した壁にもこのような細工がされている。たぶん有刺鉄線よりも安いのだろう。

朝起きて、また昨日と同じスープを作る。ここは朝飯が出ないこともあり、また野菜を食ってしまわなければいけないこともあってね。

さすがに朝から1リットルも食べる気はせず、テーブルにいた男1名、女1名にお裾分け。いりこだしのスープは超久しぶりなんて言いながら食べてくれる。

男の人の方とはちょっとしゃべって、昨日、グアテマラから着いたらしい。見た目30は越えていそう。女の人とはあまりしゃべらずどんな旅をしているかわからず。一人で旅をしているのは確かのよう。見た目20代。

さて、今日も近辺の村に行こうと壁に貼られているサンクリストバル周辺の地図を見る。

土日には各村で市がたつようで、それがおすすめとあるが、残念ながら今日は金曜日。サパティスタの自治区に行くことも考えるが、あまりに事前学習が足りないのでパス。

とりあえず今日はテネハパというところに行くことにする。

またメルカドに行き、あたりでテネハパ行きの乗り場を探す。最初の人に教えられた場所にはタクシーしかなく、タクシーじゃ高いしなと思って、昨日と同じコレクティボを探すが、見あたらない。別の人にコレクティボで行きたいんだがと聞くと、タクシーコレクティボと行って、最初にきいた人と同じ場所をおしえてくれる。

それでしょうがないので、一度は素通りしたところに行く。さっきと同じように客待ちをしている運転手たちが「テネハパ?」と聞いてくる。「Si」と答えていくらか聞くと20ペソとのこと。そんなに安いんかと思い、タクシーに乗ると運転手は乗り込んでこない。

しばらくして、2人連れの人が乗り込んできて、これで座席が埋まったから発車するかと思いきや、まだ運転手は外で客を待っている。

やはり待つこと15分ほど。助手席に1人、後部座席に3人乗った状態で発車。ぼくは後部座席の左側に座る。

運転は荒くないが、カーブでもそんなにスピードを落とさないので、体が流される。日本でのくせで窓の上についている手すりをつかもうとすると、それがない。車内を見渡すと運転席にも助手席にも反対側のドアの方にも付いていなかった。

よって、足で踏ん張る。

ちなみにこうした乗り合いタクシーに使われている車は日産のものがほとんど(それ以外はここでは見ていない)。後部にNISSANとあり、車の名前が通常書かれている部分には"TSURU"とある。なんかアルファベットで"TSURU"と
書かれていると間が抜けているようで気持ち悪い。

このときも外からの暖かい日差しにやられ、寝てしまう。

1時間とちょっとで目的地のテネハパに到着。やはりここにも教会があり、その前は広場になっている。その広場には民族衣装を着た人たちがずらっと10mほど列をなしておいた。

何事かと思い、あとから列の先頭にあった建物を見たら病院(というか日本で言うと診療所程度)だった。

ここの広場は昨日行ったララインサールよりも広い。ララインサールの方は15mラ15mほどだったが、ここは30mラ30mくらいはありそう。教会の建物もでかい。

またふらふらと歩く。

ここも山に囲まれた村だが、中心部は3本ほど平行に道路が整備されており、そのうちの1本が市場と化していた。

先にあたりをふらつく。奥の方は山の間を道路が通ってるだけで一見した限りでは人家は見あたらない。

10分ほどその道路沿いを歩いてまた広場に戻る。
途中、すれ違った男の人に「ケチュン(と聞こえた)」と挨拶される。

ここチアパス州には5つ以上の民族がおり、それぞれがそれぞれの言葉をしゃべるから、先の言葉はそのうちのどれかの一つかもしれない。それともただのスペイン語?

市場となっている通りを歩くとジャガイモやトマト、ピーナッツ、柑橘系の果物などのほか、ボールペンや爪切り、服、鍋、鉄板など生活用品がさまざま売られてる。

昼も近かったので、ここで食事をしようかと思ったが、カフェは見つかるものの、食事できそうなところが見つからない。みんなゆでたトウモロコシとか例のマヤ伝来のものとかを食っている

。ぼくは前にサンクリストバルの市場でも買った笹団子のトウキビ版だけ2つ買う。1つ1ペソ。ちょっと安すぎると思うんだけど。それを売っていたおばちゃんに2つくださいと言うと、はぁ、2つだけ?みたいな顔をされる。そりゃ2ペソじゃ、たいして儲からないでしょとは思うものの大量に食べられるものではないし。

あと地元の人が集まっていたところで柑橘系の果物(夏みかんに似ているが、あまりすっぱみはない)を買う。道ばたにトラックを止め、荷台に積んだそのみかんを袋詰めしている。

10ペソ(約100円)ぶんで20個。これまた買い過ぎかな。と、あとで後悔。

道ばたでそれらを食う。

見ていると、ここは男の人でも民族衣装を着ている人が多い。赤を基調にした服で、なかなか格好いい。

それからコーラを飲んでいる人がやたらと多い。
この日の晩に読んだ本によれば、どこかの村では炭酸飲料を飲んで出るゲップが、悪霊が出ていっているものと信じられているそうで、教会の祭壇にもコーラが捧げられているところもあるという。

もしかしたらここの人たちもそういうことで飲んでいるのかもしれない。あるいはただのコーラ好きなのか。

ここも1時間半ほどふらついて帰る。

サンクリストバルに着いて一度、宿に戻り、みかんを置く。

それからまだ行ってなかった中心部をまわる。
歩行者天国となっているところはほとんど観光化されていて、英語でメニューを書いている店もある。

観光客はほとんどがヨーロッパ系で、英語やドイツ語、フランス語がときおり聞こえる。若いバックパッカーの人もいるが、白髪交じりのかなり年輩の人もいる。

ここは安全そうなので、ATMでカネをおろす。無事キャッシュカードが使えた。

ここは小さいまちということもあってか、インターネット屋が多い。中心部だけで30軒はありそう。

料金も1時間5~6ペソ(60~70円)とこれまでのまちの半額。安い。

まちの店先ではサパティスタ民族解放軍のポストカードなども売っている。

サパティスタ民族解放軍のグッズを専門に扱っている店やキューバの本やグッズを扱った店もある。キューバの店の中はゲバラグッズがいっぱい。

そのほか映画館もあり、そこではチアパスを題材にしたドキュメンタリー映画を見ることもできる。毎月上映するものは違うようだが、この日はちょうどサパティスタ民族解放軍の映画を19時からやるようだったので、夜に行くことにする。

歩行者天国の椅子に座って休んでいると、鮮やかなストラップなどを売り歩いている女の子のターゲットになる。一人の子と目があったら、ストラップ1本25ペソと寄ってきて、もう一人同じように売っていた女の子も寄ってくる。さらに7歳ぐらいの女の子も寄ってきて、あれこれ勧められるが、はっきり言って使わないし、すぐに日本に帰るならともかく、1年もカバンの中に入れていてもなと思って、しばらく断り続けてもずっと勧めてくるので、椅子から離れる。

中心部には何軒か本屋があったので立ち寄るとアニメの雑誌や一部の本屋にはマンガもあった。

雑誌が40ペソ(500円くらい)で、マンガは浦沢直樹のモンスターが55ペソ(600円)、デスノートが65ペソ(700円)。もちろんスペイン語版。当然のことながら高い。また、マンガの帯には18歳以上対象と書かれてあった。

新聞はスペイン語の新聞が6紙ほどあり、チアパスで出されているローカル紙もあるようだった。グアダラハラにもメキシコシティにもメキシコの英字新聞があったが、ここでは見あたらない。

また、宿に戻り、夜の映画に備えてサパティスタに関する本をざっと読む。

19時より、映画館で"A Place called Chiapas"というドキュメンタリー映画を見る。25ペソ(300円)。アメリカ人が撮ったようで、当然ながら英語がよく聞き取れない。ただ、サパティスタ民族解放軍の武装蜂起など、一連の出来事を映像を見られたので、どんなものだったかはわかる。

映画が終わったのは20時半頃。
宿まで15分ほど歩く。歩行者天国となっている通りの店はまだまだ開いていて、店からはいろんな音楽が聞こえてくる。

ストラップを売っていた女の子たちもまだいる。

夜空には星はあまり見えない。まちが明るすぎるからか。

おわり

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