2008年2月26日火曜日

ラム工場、街角の音楽、ジャマイカのチケット

2008.2.22(金)快晴
ハバナ3日目

午前中はネット、日記の整理。ジャマイカ行きの件と予算の調整。

昼前、11時頃に宿を出る。ジャマイカ行きのチケットを買うために両替をしに行く。途中、地元の人が使っている食堂があったので、先にそこで食事。アフリカ系の女性が、壁に掛けてあるメニューを指さし、どれがいいか聞いてくる。するとそこへ、やはりアフリカ系の白髪交じりのおじさんが、早口で何やら言ってきて、ちょっとこっちに来いと合図する。

案内されたのは厨房で、鍋に入った黄色いスープとフライパンみたいな鍋に入っていた炒め料理を見せてくれる。これとこれと指さすと、わかったというようにうなづく。

テーブルに座る。蠅が気になる。メキシコでは蠅が気になることはまったくなかったが、キューバに来てからは野菜売場やこうした簡易食堂などでは、気になるほど蠅が多い。

食堂の内部は工事中なのか、ただの物置として使われているのか、50cm四方程度のコンクリートのタイルが店内の奥の方に何十枚も立てかけられている。

まずジュースが出てくる。オレンジジュースのような味がするが、薄めてあるのかあまりうまくはない。

料理を待っていると、隣のテーブルに座ったアフリカ系のグループの中の一人の女の人が声をかけてくる。そして、写真を撮ってくれというので、写真を撮る。写したのを見せてというので、見せると、写真を撮らせてあげたんだけど、いくらくれるの、というようなことを言う(単語と口振りから)。

同じグループの人はそれを聞きながら笑っているので、冗談のようだったから、わからないふりで首をかしげたりする。すると、店のおばさんがその人たちに何やら言って、気にするなというようにこっちを見て、首を横に振る。

そんなことをしているうちに、料理は出てくる。料理は二皿さっきの黄色いスープと大盛りの白飯にフライパンに入っていた炒め物が出てくる。

スープは塩加減も良くうまい。ひよこ豆に鶏肉などが入っている。炒め物の方は塩気がきつく、食べた感じはシーチキンのような感じ。塩辛いのでご飯と混ぜて食べる。

食事後、代金を支払う。CUC払いで2CUC(240円)。ご飯の量が多いので満腹になる。

それから、Havana Vieja(ハバナビエハ)地区にあるラム酒の博物館(Museo de Ron=ムゼオ・デ・ロン)に行く。ちなみにキューバではラム酒のことをロンと呼ぶ。

工場に着こうかというところで、道ばたで遊んでいるふうの女の子が声をかけてきて、写真を撮ってくれというようなことを言う。言いよ、と言うと、一緒にいた10歳くらいの女の子と2人で写真に収まる。そしたら、その小さい子が「Un peso(1ペソちょうだい)」と言い出したので、おいおい、そういうことかよ、と思いながらも博物館のすぐ入り口まで来ていたので、無視して博物館に入る。

入場料は6cuc(720円)。高い。受付でスペイン語と英語とどちらのガイドがいいかと言われたので、英語でお願いする。

博物館を入るとすぐに喫茶コーナーがあり、そこで試しにラム酒のオレンジジュース割を飲む。2cuc(240円)。やっぱりラムはきつい。

10分ほど待っていたら館の人が呼びに来てくれ、ガイドの人を紹介してくれる。ぼくの他にイギリス人夫婦も一緒だった。

イギリス人夫婦は60代にはなっているだろうという年輩の夫婦。どこから来たのかとか、ラムはよく飲むかなど、何度か話しかけてくる。イギリス英語は聞きやすいので、大変よろしい。

ラムの説明は、まずコロンブスと奴隷貿易の話から始まった。展示物にもコロンブスの肖像画とアフリカ奴隷の様子を描いた絵がある。

ラムの原料であるサトウキビは、コロンブスがカリブ海にもってきた。そして、大規模プランテーションが作られ、キューバでは一大産業となる。

スペインを中心としたヨーロッパからの入植者(侵略者)は、カリブ海の島々に住んでいた先住民をほぼ絶滅させたため、労働力を確保するためにアフリカから奴隷を連れてきた。

こうして連れてこられた人の子孫が、現在、カリブ海に暮らすアフリカ系の人々だ。キューバ音楽をはじめ、カリブ海の音楽にアフリカの影響が色濃くあるのは、そうした背景があってのことだ。

博物館には18世紀くらいの工場のモデルや使われていた道具などが展示されている。作り方は、だいたい他の酒と一緒のよう。圧搾から発酵、寝かせるまでの説明を聞く。そして、最後は試飲をして終わり。もちろん売店もあり、安いのでは8cuc(960円)程度から高くても3000円くらいでハバナクラブのラムが買える。もちろん、ぼくは素通りしたが。

博物館を出て、両替所に行き、両替。チケットを買いにクバーナ航空に行きたいが、ここからオフィスまでは歩くと40分くらいかかるので、何かの交通機関を使うことを考える。

バスがけっこう走っているのだが、どれがどこに向けて走っているのかがわからない。それでどうしようかと思っていたときに人力三輪自転車タクシー(bicitaxi=ビシタクシィ)のお兄さんが声をかけて来たので、値段を聞いてから乗り込む。

値段は6 cuc(720円)。日本の感覚からしても高いが、けっこう遠いのと、途中、坂もあるので言い値でOKする。

車体は見るからにボロく、チェーンもちょっとゆるい感じ。お兄さんは最短距離を走るが、幹線道路じゃないので道が悪い。穴ぽこをよけながら、坂では体を左右に揺らしながら、汗をふきふき走る。

ハバナには路線バスやタクシー、乗り合いタクシーのほか、球形のココタクシー(cocotaxi)、馬車など細かく分ければ10種類くらいの交通機関がある。

そんななかで、三輪自転車がやっていけてるというのが不思議だ。地元の人がどれくらい払っているかわからないが、バスよりも高く(バスは1ペソ)、どれよりも遅いだろうに。おそらくタクシーよりも安く、目的地ぴったりには行けるので、そうした場合に使っているのだろうが。

20分ほどでクバーナ航空のオフィス前に到着。するとお兄さんは、10cucだと言い出す。そんなの日本でも高すぎるわ。それで、あなたは6cucと言いましたと言って拒否し続けると7cucに落ちる。じゃあ、おまけということで7cucに。たぶん、タクシーを使えば半額で済んだところだが、肉体労働なので、まぁ、いいかと。一度、乗ってみたかったし。

クバーナ航空でジャマイカのチケットを買う。そしたらパスポートが必要とのこと。コピーを持っていたが、それではダメというので、予約だけして帰る。

来週、ジャマイカに行こうかと思っていたが、来週の便はすでに埋まっているとのことで、さらに3月にずらす。ジャマイカはキングストンを往復する飛行機は毎日飛んでいないので、航空便の都合上1週間いることになった。

一応、今日、やらなければいけないことは終わったので、まだ歩いていないところをふらつく。海岸通沿いを歩くと、広場で子どもたちが野球の練習をしていたので、しばらく観戦。試合形式でやっていたが、バックネットがないのでキャッチャーが後ろにそらすボールが道路に転がっていってしまう。ボールは2個用意されているようで、そうして転がっていくともう1つのボールで再開し、指導者らしき大人の男性が転がっていったボールを取りに行く。バックネットをプレゼントするとけっこう喜んでもらえるんじゃないか。

それからしばらく歩く。今日は配給の日のようで、道すがら配給所らしき店を見る。中に入ってみると、みんな配給手帳のようなものを係りの人に見せて、持参した袋にあれこれ詰め込んでいる。

そうしてぶらぶらして、帰る。適当にバスに乗る。すると、途中、小さな広場でミニコンサートをしていたので、そこで降りる。スピーカーのボリュームが大きすぎて、少し音がわれているような感じがあったが、複雑なリズムでいかにもキューバという音楽。地元の人や通りがかりの人も50人くらい聞いている。立ったまま聞いている人の中には、踊っている人も。2曲ほど聞いたら、どうもそれが最後だったようで、コンサートは終わってしまった。公園にはドンキホーテらしき作りものがあった。

よくキューバの旅行案内に、街角から音楽が聞こえると描かれてあるのを見るが、基本的にあれは観光地にある店から聞こえてくるもので、そうでないところを歩いているときにはまず音楽を聴くことはない、というのが昨日、今日感じたこと。

聞くことがあるとすれば、CDかラジオを大音量でかけているとき。メキシコでは楽器を持って流しで歌って稼いでいる人もいたが、ここではそういう人は見ない。

宿に帰り、食事。夜はジャマイカ行きに合わせてキューバ国内での旅程の再設計。だが、異常に眠く、いつのまにか寝る。

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