(2008.2.3 前編)
この日は1日が長かった。
日付が変わった夜中の1:35。バスが停車し、乗客が次々と自分の荷物を持って降りていく。
寝ていたぼくは、何事かとあたりを見渡すとバスの前方にスペイン語と併記でINSPECTION AREAとある。辞書でINSPECTIONを調べると審査とかそういう意味だったので、荷物のチェックかと察し、ぼくもバスを降りる。そして、バスの近くにいた制服を着た人に、 "baggage?"と聞くと、その人はうなづきスペイン語でなにやら言いながらあごであっちに持っていけというような仕草をする。
荷物をかつぎ電灯がついているタイル張りの建物の中へ。
同じバスに乗っていた人が、制服を着た人になにやら言われながら荷物を見せている。ぼくもリュックを担いで制服を着ているおじさんの近くまで行くと"A donde va?(あ どんで ば?)"と
聞かれる。一瞬わからなくて、なんて言ったんだと考えていると、今度は"Where are you going?"と聞かれる。"A donde va?"は"どこに行く?"ということで、事前に覚えていたのに聞かれた瞬間はわからなかった。それで、グアダラハラというと、荷物の中身はチェックすることなく、あごで"行け"という仕草をする。
およそ10分ほどかかってチェックは終わり、またバスは走り出す。相変わらず車内は寒い。12度くらいだった。
バスは途中高速道路の料金所で何度か止まりながら、グアダラハラに向けて走る。
そして、ぼくの時計で3:30にグアダラハラのバスターミナルに到着。時計を見て 、ええ、こんな時間に着くとけぇ? と思いながら、あわてて荷物をまとめ、バスを降りる。
宿を予約しているわけでもないので、バス会社の待合室で夜明けまで待つことにする。待合室はさすがに多少は暖かい。迎えを待っているらしき人たちも待合室でテレビを見ながら時間を過ごしている。
5時を過ぎたころ、あたりが明るくなり始めた。そして、小型のバスが動き出し、人々が道路に現れ出す。タコスなどのい店も少しずつ開店しはじめる。ずいぶん朝が早いなと思いつつ、市街地に行くバスを探す。いくつかのバスの運転手に行きたいところを告げるが、どれもそこには行かないというような素振りをされ、乗るべきバスが分からない。
そこで、ポテトチップス以来何も食べていなかったし、店で飯を食えば、店の人が丁寧に教えてくれるかなと思い
、適当にタコス屋に入る。スペイン語でいろいろ言われるが、わからないので、適当に"Si,SI"と言うと、料理が出てくる。やっとこさ、メキシコ料理にありつける。トルティージャが10枚くらいついてくる。料金は40ペソ(約500円)。けっこう高いなと思ったら、後にこれはトルティージャがたくさん付くようなメニューを頼んだからだとわかる。
食べ終わってどのバスに乗ればいいか、片言のスペイン語で聞くとなにやら言うので、手帳を出し書いてもらった。そしたら"330"という数字を書き、降りる地名も書いてくれた。
早速、バス待ちをしている人たちのところにまぎれ、330番のバスを待つ。5分程度で目的のバスが来たので乗車(6:20)。料金は一律4.5ペソ(約60円)。ロサンゼルスの交通機関もそうだったが、どこで降りても同じ値段だから安心だし、そもそも安い。
バスは住宅街の狭い一方通行の道を通り、乗客を増やしながら走る。20分ほどした時、後ろに座っていたおばさんが時計を見せてくれというようなことを言う。それで時計を見せると、違うというような素振りをする。 ぜんぜん気にしていなかったが、アメリカとメキシコでは2時間ほど時差があったようで、おばさんは8時から9時の間だというようなことを言う(数字だけ聞き取れたのです)。
ガイドブックでは30分ほどで着くとあったので、30分くらいたったときに、運転手に地図を見せながら片言スペイン語で行きたい場所を言うと、もう過ぎた、というようなことを言われ、すぐに降ろしてもらう。
降ろしてもらったところは、中心地に近いところだったので、中心街にあるツーリストインフォメーションに宿の情報をもらいに歩いて行くことにした。
気温は20度を超えたぐらいだが、重いものを背負って歩いていると一気に汗が噴き出す。中心地に近づいていくと前方に大きな大聖堂が見え、そのまわりにもヨーロッパ風の広場や建築物が見える。どの建物もレンガ色で統一されていて、この街が造られたころのままのような雰囲気。正直言えば、こんなに大きくきれいなところだとは想像していなかった。
ツーリストインフォメーションに行き、ロスの宿で一緒だった韓国人が教えてくれた宿への行き方を聞く。最初に聞いた20代くらいの女性はあまり英語が得意でない様子で、要領を得ない。するとそこへやや年配の女性が出勤してきて、その人に聞く。でも、知らないと言われ、他に泊まる候補はないのかというので、ガイドブックに載っていた宿を聞く。そしたらそこならわかると地図上に場所を記し、教えてくれた。
その宿については、ネットで調べた時には今日は空き部屋がないとなっていたので諦めていたのだが、試しに行ってみると何の問題もなく、すぐに部屋を案内してくれた。壁には何枚もの絵画があり、天窓から光が差し込んでいる。とてもアーティスティックな内装にこれまた驚く。
部屋は8人部屋で、金属製のロッカーが一人ずつある。カギは持参した物を使うスタイル。
同じ部屋には日本人のおじいさんもいて、これがまたいろいろあることになる。
つづく
2 件のコメント:
怒濤の更新ですね。スペイン語圏の英語はなんか知らないがやたらheとsheがごっちゃになっていた気がする。でも、陸路の移動だと景色の変化が激しそうですね。
どうも、主です。昨日から泊まっている宿がネットがただでそこそこ早いので、日が暮れてからアップしましたよ。メキシコの景色はそんなに変化がなくて、潅木の草原かまちかって感じで、バスが通るルートはあまり面白くないですね。
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