2008.2.21(木)快晴
ハバナ2日目
朝は6時半に目が覚める。夜は明け、トラックの走る音が聞こえる。昨日は夜景しか見ることができなかったが、こうして明るくなって窓からまちを見ると、想像以上に建物のボロさが目立つ。ほとんど壊れかけと言っていいような建物があちこちにある。地震がないからもっているのだろうが、これは地震があれば全壊だろう。
7時半頃、宿の人がドアをノックし、朝ご飯と教えてくれる。朝ご飯も簡単なものだ。
9時すぎに宿を出て、まずオビスポ通りというメインストリートにある両替所に行く。そこで日本円を両替。1cucが約120円。ドルは1cuc=0.8ドルくらい。
ペソクバーナでアイスを買う。1ぺソクバーナ(以下、ペソと省略)。安い。外国人が一般に使うcucとのレートは1cuc=24ペソ=120円だから、1ペソだと5円。
ペソクバーナは基本的に外国人は使えず、両替所でも観光客が多い地域にあるところでは両替してもらえない。メキシコのカンクンで、キューバに行った人の話では空港で替えられると言っていたが、昨日、空港の両替所で聞いたら断れ、入手できなかった。
しかし、同宿の人で両替した人がいたので、宿で替えてもらった。その人の話では、空港の2階にある両替所では両替できるらしい。
さて、両替も済んだところで早速、革命博物館に行く。宮殿みたいな建物で入場料は5cuc。
入り口を入ってすぐ右には売店があり、先にそちらを見る。ゲバラやカストロに関する本が20種類ほどあり、しかも英語版もあった。どれか買おうかと値段を聞くがどれも15cuc(1800円)以上。キューバでの予算はけっこうぎりぎりで予定しているので、キューバ最後の日にカネがあれば買うことにする。
本の中にはCIAがキューバに仕掛けたもろもろの工作に関する本もあり、中を見ると一部黒塗りにされている。店の人に聞くと(店の人は英語ができる)、たぶん秘密にしたい情報が載っているところだろうという。
さすがに観光に力に入れているだけあって、メキシコと違って、展示物には英語での説明が逐一ついている。
1959年のカストロたちによる革命だけでなく、それ以前の独立のための運動やホセ・マルティらの運動も紹介されている。展示物は写真や当時使われていた物、新聞記事など。
建物の中には、重要人物の彫像もあり、シモン・ボリバール、ホセ・マルティなどと並んで、なぜかアメリカのリンカーンの彫像もあった。
外国からの観光客もパラパラいて、新入りの警官なのか、あるいは徴兵訓練中の人なのか、白い制服を着た若い男性グループ(30人ほど)が解説を聞きながら展示物に見入っている姿もある。
1時間ほど見てから海岸沿いに出る。クバーナ航空を目指して歩く。メキシコのカンクンでは1日あれば簡単に日焼けをするくらいの日差しだったが、ここはそんなに強くない。
海岸沿いは幹線道路になっており、防波堤ではカップルが座っておしゃべりしていたり、釣りをしてる人の姿もある。
40分ほど歩いてクバーナ航空に到着。セキュリティの人がドアを開けてくれる。クバーナ航空のオフィスがある一角にはすべての航空会社が入っていて、メキシカン航空やエアジャマイカなどもここのビルに入っている。
しばらく待って券売窓口に行く。どうもここは先に座った者勝ちのようで、何人かぼくより後に来た人に先を越された。
この女性(40歳くらいでヨーロッパ系)は、英語を解す。まずキューバからカンクンに戻るチケットの変更を頼む。当初、ドミニカからジャマイカに行こうと思っていたが、ドミニカからジャマイカにはどうも飛行機がないようだし、チケット代も高くなると聞いたので変更することにしたのだ。
変更手数料は25cuc。なかなか高い。1泊ぶんだ。それからジャマイカ行きのチケットについて聞く。値段は360cucくらい(約4万5千円)。値段だけ聞いて帰る。
それからまた歩いて宿に戻る。途中、行列ができている店があり、除くとジュースを売っていたので、そこで買う。ハバナにはコップでジュースで売っている店が多々ある。牛乳スタンドのように、その場で飲んでコップは店に返す。たいていのコップは、1センチ近くあるガラスでできておりしかも飲み口はスパッと切ってあるだけで、普通のコップのように加工されていない。だから、下手したら唇を切るんじゃないかと思うようなコップもある。
ただ、そうしたジュースは安く、1杯150ccくらいで1ペソ。10杯飲んでも10ペソなので、1cuc=24ペソするペットボトルの水を買うより安上がりだ。
ただ氷が入っているので、それが気になったのだが、その後、何もなく終わっているので、どうも安全な氷のよう。もっともこれは人によるだろうが。
適当に歩いていたら野菜の販売所を見つけた。ハバナにはメキシコにあったような巨大な市場はないようで、街角に小さな店があるのしか見ない。
野菜や果物の種類も少なく、人参、米、なす、トマト、キャッサバ、パパイヤ、みかん、バナナなどせいぜい10数種類しかない。また、メキシコでは欠かせいトウモロコシをほとんど見ない。魚も売られているのを見ることはなく、豚や鶏肉を見るのみ。
道ばたにはいろんな物売りの人もいるが、持っているのがライター10本とか、ボールペン4本とか、ピーナッツが入った小さな紙筒20本とか、新聞とか物量としてはほんとに少量。針を1本ずつ売ってたり、糸一巻ずつ売ってたりする。
また、車椅子に乗っている人が、CDやDVDを売っているのも見た。政府からの証明書みたいなものを首から下げているので、障害者にはそういう仕事があてがわれているのかもしれない。ちなみに値段は35ペソと45ペソと書かれている。多分、前者がCDの値段で後者がDVDだろう。
野菜売場でバナナを買ったところ1kgが5ペソだったので、CDが一枚売れれば、3日ぶんくらいの野菜は買えそう。
その他、片足のない人が物乞いをしていたり、服の汚れ具合や様相からホームレスと思われる人もいる。見た範囲ではそういう人はたいてい年輩の男性。ただ、メキシコで見たように家族で路上にいるような人たちは見ない。
国の理想としては、そういう人がいないような国を目指しているのだろうが、ソ連崩壊後の90年代の厳しい時代の遺産なのか、やはり路上で生活をしている人はいるようだ(夜に確認していないのではっきりとは言えないが)。
ただ、ハバナが200万人都市ということを考えれば、非常に少ないことは確かだろう。
電化製品や服屋など、店もあるが、店内は薄暗く、外から見ると開いているのかどうかもわからないくらい。また、店内に入っても、物は少ない。選択肢も限られているが、陳列されている物自体が少ない。
店のガラスや建物の外壁にはときおり革命に関するポスターや絵が張られたり、描かれたりしていて、大きな通り沿いにはやはり革命に関する言葉が書かれたどでかい看板などがある。これは社会主義の国ならでは。ベトナムにもあったし、ロシアにもあった。その代わり、日本であふれてるような商業系の看板はまず見ない。
まちを歩いていて印象に残ったのが、とにかく年寄りが多いこと。道ばたで物売りをしている人の中にも白髪のおじいさんと見える人もいる。メキシコではとにかく子どもが多くて、若い人が多いという印象だったが、ハバナでは年寄りの方が目に付く。
杖をつきながら歩いているおばあちゃんもいるし、家の入り口で椅子に座って外をを眺めているおじいさんもいる。キューバでは医療制度が非常に整備されていることは、マイケルムーアが作ったシッコという映画でも取り上げられていたし、日本でもキューバの医療制度を取り上げた本が出版されている。
キューバでは医療費は基本的に無料で、まちの各地区に薬屋があり、かかりつけ医の普及しているらしい。その結果か、平均寿命も70歳を越えているとどっかで読んだことがある。
こうしてまちを歩いて年寄りが目に付くのも、その結果なのかもしれない。
一度、宿に戻り、変更した航空券を置き、また夜に行く野球場の道順を確認する。
ちょうど今、キューバでは野球シーズンで毎日試合はやっているらしい。試合開始は20時半からだが、早く行けば練習も見れるだろうと思い、18時前に宿を出る。
歩いて球場までは30~40分ほど。幹線道路を歩いていくと、右手に球場が見え、路地を入ると目の前にスタジアムが見えた。
球場の外にある練習場みたいなところでは大人たちが草野球をしている。
早速、チケットを買う。外国人専用の切符売り場があり、そこで買う。選択肢は1cucと3cucのふたつ。高い方がバックネット席で、安い方は内野席。迷わずバックネット席を買う。
入り口でチケットを見せると、警備官から金属反応をみる棒(?)で簡単な身体検査があった。中にはいると、見た目70歳くらいのおじいさんが、にこにこしながらスペイン語で解説してくれる。その仕草からどうもぼくの席はあの階段を昇って左の方の座席のよう。
階段を昇ると一気に視界が開け、球場全体が見渡せる。バックスクリーンには今日のチーム名が入っており、一塁側ではすでに選手が練習を始めている。
左のバックネット側に行くと係りの人にここだと言われる。真後ろではなかったので、向こうの席がいいと言うと、ダメだと言われ、その1画に座ることになる。ほかは柵などないのに、ここだけはあるので、どうも外国人専用の席のよう。後から来たカナダ人のグループも同じ1画に座っていた。
日が暮れようとしていた19時頃、パッと球場のライトがつく。さすがに国技だけあってここの電気はケチっていないよう。明るさは日本の球場と変わらない。
20時20分に試合開始。先発は両チームとも左。黄色いユニフォームの方は、左のサイドスロー。珍しい。さすがに肩は強く、送球も早い。あと打球も日本のプロ並みに早い。ただ、ピッチャーの球の速さはだいたい130km台くらいで、球種も3種類くらいしかないよう。
試合はピッチャーがあまり安定せず、遅いペースで進む。2回を終わった時点で時間は21時半を過ぎる。押し出しやホームランなどがあり、22時半の時点で4回まで終わって7対6。さすがにあまり遅くまではいられないなと思い、試合と中だったが帰る。帰りは適当にバスに乗って帰る。宿の近くの道には行きそうになかったので、適当に降りて歩いて宿に帰る。帰り着いたのは23時半頃だった。
同じ宿の人たちは、バーに酒を飲みに行っていて、そこでぼくが見ていた野球の中継もやっていたらしい。次の日、聞いたら夜中12時を過ぎてもテレビ中継をやっていたらしいから、最後まで見たら帰りは1時くらいになっていたようだ。
おわり
2 件のコメント:
キューバで野球ですか!いいですね。
私はブラジルで「ビーチサッカー」を見ました。本場の国で本場のスポーツを見るのはいいものです。しかし南米に上陸してからサッカーを見るのは危険ですから、キューバで野球を見ておいて正解だと思いますよ。
写真を撮って小遣い請求:これは途上国ではよくあること。ネパールでは文化として定着していましたね。私は「肖像権を購入した」つもりで渡していました。最小単位の硬貨を渡していた記憶があります。
kaw-kaw さま
そうですか、南米ではサッカー観戦は危ないですか。ぼくとしては草野球ならぬ草サッカーが見られればと思っているので、プロのサッカー観戦は考えていないですが。
写真を撮っておカネを請求する件は、キューバでは基本的にないことなので、無視しました。その子らはきれいな格好をしていて、生活に困っているふうでもなく、ただの小遣い稼ぎのようだったので。
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