2008年3月9日日曜日

宿の移動、両替と本屋、ダウンタウンを少々

2008.3.4(火)

昨晩はわりと早くに寝たので5時には起きる。しばらく日記などの整理。

昨日、一緒に行動した人が朝一で両替に行くというので、一緒に行く。宿から歩くこと15分ほど。中心街のショッピングセンター内にある両替所に行く。9時すぎなのにすでに行列ができている。

行列が消えるまで他の店を見てまわる。ナイキやリーボック、プーマなどブランドシューズを扱う店や服屋、貴金属店、インターネットのプロバイダー業者、パソコン屋、本屋などがある。

本屋の前を通るとショーウィンドーにはジャマイカに関する本がまず並べられている。奴隷貿易の話やジャマイカに生きてきた人の抵抗の話、マーカスガーベイ(黒人奴隷解放運動の先駆者)、マーチン・ルーサーキングやマルコムXなどの本がずらり。さっそく店内に入ると入り口に近いところにジャマイカに関する棚があり、そこに奴隷貿易や砂糖プランテーションに関する専門書などがある。値段を見ると2000ジャマイカドル代(約3000円)。あまり日本と変わらない。もっともほとんどがアメリカなどで出版されたものを輸入してるよう。

また、キューバのフィデル・カストロのインタビュー本もある。これはロスの古本屋で40ドルで売っていたものと同じ。買うかどうか迷う。3~4cmくらいあり重そうなので、とりあえず最終日まで判断は保留。辞書はオックスフォードばかり。その他学校で使う教科書やノートもある。

しばらく本屋を見て、本題の両替。キューバではIDのいらない両替所ばかり使っていたので、ここでも同じ感覚でパスポートを持たずにやってきたが、両替するにはIDが必要だと言われる。

今は持っていないと言うと、しょうがないなぁ、というような顔をして、白紙の紙をこちらによこし、名前と滞在先を書いてと言われる。ぼくが泊まっている宿の名前を窓口の人は知っていて、その影響力もあってか今回は両替してくれる。

両替のレートは1USD=70.10JMD(ジャマイカンドル)。昨日替えた空港でのレートは1USD=63.3JMDだったから断然こっちの方がいい。

それから今日から2泊する宿の位置を歩いて確認しに行く。日本人宿と聞いていたので、日本人がやっているところかと思いきや日本語が多少できるジャマイカ人がやっている宿で、彼らの家の一室を民宿のように提供しているようだった。

宿の人に夕方に来ることを伝えてから、しばらくツーリストインフォメーションを探す。またミニバスに乗るが、降りたときには目的地をだいぶ過ぎていて、道を歩いていたおばさんに聞いてもだいたいの方角は教えてくれたが、わからなかった。30分ほど歩き回ってもわからなかったので(地図を持っていなかったし)、宿に戻ることにする。

チェックアウトの時間が昼の12時なので、荷物を部屋から出さないといけない。宿に戻って荷造りをして、ロビーで荷物を預かってもらう。その際、宿で売っていた『ボーン・フィ・デッド ジャマイカの裏社会を旅して』(ローリー・ガンスト著、森本幸代訳、MIGHTY MULES' BOOKSTORE、2006)を買う。1200ジャマイカドル。

午後はボブ・マーリーミュージアムに行こうかとも思っていたが、やっぱりとりあえずバスに乗ってみようと思い、バスターミナルに行く。ターミナルではレゲエ(?)がかかっている。同じ音楽が何度もかかっているので、どうもターミナルのテーマ曲のよう。

まずはダウンタウンに行ってみようとダウンタウン行きのバスを探す。柱にずらっとバスの番号と行き先、乗り場が書かれており、簡単な路線図もある。電光掲示板には発射が近いバスから順に行き先と乗り場が書いてあるので、人に聞かなくてもわかるようになっている。

それを見てダウンタウン行きのバスがわかったので、さっそくそのバス乗り場に行ってバスに乗り込む。ほとんどのバスが後ろのドアから乗って前のドアから降りるスタイル。車体にはベルギー製とある。わりとバスはきれいで外見がたまにボロなものもあるが、中は日本の普通のバスと遜色ない。

後ろのドアから乗り込むとそこで料金を払う仕組みになっている。ドアのステップを上がるとそこに乗務員がいて、みんなのチケットを見ている。ぼくはその場でカネを払えばいいのだろうと思い、チケットを持たずに乗り込んだのだが、その乗務員のおばちゃんにあそこでチケットを買ってきてといわれる。

乗務員のおばちゃんがあそこと指さした先にはチケットの窓口があって、人がずらっと並んでいる。その様子はバスに乗る前にも見ていて、あそこでチケットを買うのだろうなと思ってはいたが、待ち時間が長そうなので先に乗り込んでみたんだけど、結局、こうなった。

これじゃあ、何本かバスを逃すなと思っていたところ、最初はなにをしているかわからなかった人たちがバス専用のプリペイドカードを売っていることに気づく。

チケットの窓口がある通路の横に長机を出して、レジが3台とそれぞれにパソコンとスタッフが1人ずつついている。なにやらカードを売っているなというのはターミナルに入ったときにわかったのだが、クレジットカードのキャンペーンかと思っていた。

それがよく見るとバス専用のプリペイドカードで、カードの価格の10%ぶんがサービスされるとある。ただし、購入金額は300ジャマイカドル(約500円)から。午前中にインフォメーションを探すときに道ばたのバス停から一度バスに乗っていたので、バス代が1回50ジャマイカドルというのはわかっていた。

300とすると6回ぶんなので、それくらいは乗るかとこちらを買うことにする。レジの人に300ジャマイカドルぶんくださいというと、名前と電話番号を紙に書いてと言われる。名前は書いたが、電話番号はないというと、それはそれで大丈夫だった。

新品のカードを機械の上に載せ、その機械とつながっているパソコンを使い、カードに情報を入力する。手続きはスムーズで5分もかからずに完成。テレフォンカードと同じ大きさだが、分厚い。表には"Smart Card"と書かれ、カードの下部には失くしたり、盗まれたしたときの連絡先も書かれている。

これをもって、さっきのバスに行く。幸いまだバスは出ていない。これを乗務員に渡すと、読みとり機械の上にカードを乗せ(日本のように差し込んで読みとるタイプではない。日本の仕組みと比べると、いわゆる”改札でつまる”ことがないぶんこっちの方がシンプルなように思う。ただ数秒余計にかかるけど)、乗務員がなにやらボタンをピッポッパと押す。そしたらレシートのようなチケットが出てくる。長い。20cm以上ある。

バスは時間通りに発車。大きな通りをバスは南=海に向かって進む。繁華街以外はやはり人通りは少ない。

30分ほどでダウンタウンに着く。これまでいたアップタウンとはまた違う雰囲気。バスを降りたところの一帯がマーケットになっているようで、雑多に商品を並べた、と言うよりも積み上げた店がずらっと並んでいる。そして人がいっぱいいる。

昨日、今日とアップタウンしか見ておらず、人が少ないなという印象だったが、ここに人がいた。

バスを降りて店が集まっている通りに向かう。道路をわたろうとしたらPoliceと書いたワゴンが、目の前を走っていく。そのワゴンを見て、路上にスリッパなどの商品を並べていた人たちが商品を撤収して引き上げようとする。だが、ワゴンは止まることなく、過ぎていったので、また商品を並べなおして商売を再開している。

しばらく付近をふらつく。服屋や薬屋、生活用品などの店が多い。ここも量は豊富。

道ばたにはごみがずらっと落ちている。あちこちから大音量のレゲエやラップのような音楽が聞こえてくる。

しばらく歩くと野菜市場の一画に出る。でかいカボチャにキャベツ、いんげん、じゃがいも2種類、人参、豆類など日本でもおなじみのものからヤムイモやアキーと呼ばれる見た目は果物(だが、炒めて食べる)のようなもの、それからサトウキビや椰子の実なども売られている。

歩いていると”ジャパニー”とか”チャイナマン”とかと声をかけられ、野菜を買ってかないかと言われる。みんなブルーシートを屋根代わりにした簡易店舗。メキシコのように建物の中にはない。直線にすると200mくらいにわたって店が並んでいるが、どこの店も品ぞろえはほぼ同じ。

その野菜の市の隣に大きな建物があるが、魚市場なのかすでに片づけられて、人影もない。

歩いているとたくさん店が並んでいる通りに武装した警官(軍?)を発見。3~4人だがでかい銃を抱え、ヘルメットに防弾チョッキといつでも戦闘ができるような格好をしている。メキシコシティでも武装した軍人らしき人が車に乗ってパトロールしていたが、こんなに人がたくさんいるところに、こうして武装している人がうろうろしているのを見るのは初めて。

人と店でごった返している一画を離れて屋根のあるアーケードの通りを歩く。貴金属兼電気店が10軒近く点々とある。日本でも電気屋で時計を売っていたりするが、この組み合わせが面白い。店に入ってみると、ショーケースの中は時計やアクセサリーが展示されており、壁沿いの棚に電化製品が並べられている。

パソコンはあまり見ないが、コンポなど音楽を聴くための製品が多い。1つの店にはiPodクラシックもあった。値段は600ドルほど。あとデジタルオーディオはMP4プレイヤーがhとんど。USBのメモリスティックなども売っている。

歩いていたら前方に海が見えたので、海まで行く。海岸沿いには10階はある近代的なビルが建っている。

近くにあるクラフトマーケットに行ってみる。どんなところかと思っていったら、平屋のコンクリートの建物の中にたくさんのお土産屋が入っているところで、ぼくがその建物の中に入ったときは他に誰も客はいなかった。ボブ・マーリーなどジャマイカらしい柄のTシャツやカバン、小物などの他少しだけ竹製らしいかごなども売っている。

他に客がいないからぼくにみんなの視線が集まり、次々と店を見ていけというような声がかかる。特に買いたいようなもののなかったし、どこかの店に寄ったら買うまで話してくれないだろうなと思い、すらっと歩き抜ける。あまりめぼしい物はなし。

新しい宿に明るいうちに歩いて移動したかったので、16時頃にはダウンタウンを出る。またバスに乗り、ハーフウェイツリーに移動。そこから荷物を置いている宿まで歩き、荷物をピックアップ。

それを背負って新しい宿に向かう。

午前中確認したところ、歩いて20分ほどだったが、見事に道を間違う。だんだんと日が傾き、薄暗くなってくる。完全に日が落ちたらわからなくなるだろうなと思い、焦る。しかも、全財産を持っての移動なので狙われたら一発でアウト。

マズイマズイと思いながら、表にいた人がいる家で道を聞く。だいたいの方向はその身振りなどからわかるのだが、はっきりとどこをどうと言っているのかがわからない。

とりあえずわかった範囲で動き、そこでまた人に聞くが、歩いている人は、ぼくが行きたい通りの名前を知らない。どうしようかと思っていると、事務所のようなところがあり、そこに門番みたいな人がいたので、その男性に聞く。するとだいぶ近くまでは来ていたようで、まっすぐ行けばその道と交差するという。

そんなこんなでやっとこさ宿に到着。日が落ちた6時半くらいだった。

公式の宿ではないのか、普通の宿であれば必ずあるチェックインの手続きはなし。部屋を案内され、南京錠を渡される。

その部屋はどうもここに住んでいる家族の子どもが使っている部屋のようで、部屋にはいるとその男の子が来てここは触ってはダメとタンスを指さす。かまって欲しいのか、その子は部屋の中をうろちょろして、いろいろ質問してきたりする。ぼくの時計を見て、日本人が来ると自分はいつも時計を見せてもらってるという。

彼はパトワ語を使い話すので、自分をさす一人称が"I"ではなくすべて"Mi"。話しているときに何か用事をおもいだしたのか、親がいる部屋に行くときには"Mi soon come(ミ スーン コム"と言って出ていったりする。ちなみにこちらでは”来る”のcomeを”カム”とは発音せず”コム”と発音する。

部屋は8畳くらいで広い。ベッドが1つにソファがあり、別の部屋から扇風機が持ち込まれる。扇風機はカバーが外れていて羽が向きだし。首を振らせて使うのはあまりよくないと言われる。

だいぶ汗をかいたのでシャワーを浴びる。彼らの部屋を横切り奥に行ったところにシャワーはある。昨晩泊まった宿では問題なくお湯が出たが、ここは水量が少なく、ぼたぼたって感じでシャワーからお湯のような水が出る。普通の家はこの程度なのか。

シャワーを浴びて部屋に戻る。すると男の子がいて、ぼくの時計を手首に巻いている。シャワーに行く前に貸してというので渡していたのだが、彼には大きくて手首にうまく巻けなかったのが、今、見てみるときちんと巻けている。どうやって巻いているのか聞くと、勝手に„自分の手首に合うようにバンドに穴を開けて巻いていた。

明日の朝には返すから借りていてもいいかと聞くので、OKする。しばらく彼は部屋にいる。それで今日、買った地図を見せて、あちこち行ったことがあるか聞いたが、キングストン近郊のまちにも行ったことはないよう。

年齢は9歳(だったと思う)。給食を食べて、14時半には学校が終わるらしいが、15時すぎには帰っていないと母親から怒られるという。彼の兄弟はほとんどがカナダにいるというので、なぜか聞くと自分はカナダ人だという。なぜカナダ人なのかは聞かなかったが、何がどうなっているのか不思議だ。

そのうち親に呼ばれて彼は部屋を出ていく。ぼくは部屋で買った本を読む。

蚊に数カ所くわれる。ジャマイカでは去年だったかにマラリアが久しぶりに発生したらしいので、それでなければいいのだが。

おわり

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