2008年3月22日土曜日

ハラハラのハイチ出国 前編

2008.3.17(月)

朝は6時過ぎに起きて、荷物の整理などをする。7時過ぎ、フロントに行ってタクシーを頼む。今日のフロントの人は英語が通じる。すると今、呼ぶのかと言い、そうだと言うと、なんかいらついたような表情をする。どうもすぐにはタクシーを呼べないよう。

ぼくは30分あればタクシーは来るだろうと見込んでいたのだが、これが大間違い。7時45分になってもタクシーは来ない。

サントドミンゴ行きのバスは8時半発だから、予定では7時半にタクシーに乗って、8時くらいバスターミナルに着く予定だった。それが7時半を5分すぎ、10分過ぎ、刻々と8時に近づくにつれ、焦ってくる。

ホテルの人は、すぐタクシーは来るというが、どうもしばらく来そうにない。

やっぱり朝早く出て乗り合いトラックバスに乗れば良かったかと思うも、乗ってきたときには暗くなっていたので、どこから乗ればいいかが定かではなかった。その上、行きは中心部の誰もが知っている場所が目的地だったので、誰に聞いても行き方を知っていたが、今度は普通の人はおそらく使ったことはないであろう、サントドミンゴ行き専用のバスターミナルが目的地。通りがかりの人に聞いても、住所を見せてもたぶんわからないだろうなと思い、また治安のこともあり、苦渋の決断(?)で20USDもするタクシーにしたのだが・・・。どうせなら昨日、乗り合いトラックバス(グアグア)の予行演習をしとくべきだったと後悔も少々。

いてもたってもいられなくなり、ホテルの出口の方に行く。昨日、歩いた限りでは他のまちのように”タクシー!”と声をかけてくる人がいなかったので、個人を相手にしているタクシーはなさそうだなと思っていた。だから、ホテルの前の通りで洗車をしている人と交渉して乗せて行ってもらおうかとも考えていたら、前から怪しげなおじさんが近づいてきて、タクシー?と英語で話しかけてくる。

この際は、怪しいかどうかよりも早くターミナルに着かなければならないので、おじさんにとりあえず値段を聞く。すると30USDと言う。

緊急事態だし、乗り遅れたらドミニカ行きのバスチケットはおろか、明後日のハバナ行きの航空券もその次の日のメキシコはカンクン行きの航空券もパーになってしまうから30USDで着けば安いかな、と逡巡するも、念のため値切る。30ドルに首を振ると25ドルになり、こちらが15ドルと言うとNOと言って20ドルにまで落ちる。

もっと強気で25ドル以下には下がらないだろうと見込んでいたが、あっさりと下がった。まぁ、20USDは覚悟していたからしょうがないかと思い、おじさんにOKを出す。するとタクシーを探してくると行って一旦通りに出る。あんた探しに行くってどういうこと? と思うが、ぼくはホテルの人に別のタクシーに乗ることを伝えようとホテルのフロントに向かう。

フロントに着く前にディーゼルエンジンの大きな音を立てながらおんぼろなミニバン(?)の車が駐車場に入ってくる。運転席には若い男性がおり、助手席にさっきのおじさんが座っていた。どういう組み合わせなのかよくわからないが、それがタクシーだった。

車の音を聞いて、フロントの人が出てくる。フロントの人は当然のことながら、そのおじさんと何やら言い合いをする。が、ここはごめんなさいとぼくはその車に乗り込む。ホテルで頼んだタクシーはまだ来ていなかった。

7時50分頃、ホテルを出る。バスも予定時刻の8時半ちょうどには発車しないだろうから、30分で着けばなんとか間に合うかと思うものの、本当にこのおじさんがバスターミナルを知っているかが不安だった。

車は来るときには絶対通っていない道を走る。一方通行が多いし、朝の通勤時間だから裏道を通っているのかと推測するが、なかなか来るときに通ったような道に出ない。

来るときは暗かった上、荷台で外もまともに見えなかったので、周りの景色をはっきり覚えていなかった。

今朝も国連軍のパトロールの車が走っている。ハイチ軍の軍人もところどころに立っていている。道沿いにはグアグアを待つ人だかりができているところもある。また、すでに歩道に野菜や果物を並べて売り初めている人もいる。

15分ほどすると車は登り坂で渋滞にはまり、ほとんど進まない。これは間に合わないかなと少し覚悟する。

10分近く渋滞にはまって、ようやく抜け出す。だが、メーターも動いていないおんぼろ車。坂道を勢いよく登ることはできない。体感時速20~30kmで車は頑張る。

こんなところ通ったかなと不安に思いつつもどうしようもないので、黙って座って着くのを待つ。

ホテルを出てから30分ほど、来るときにグアグアに乗った場所を通る。これでターミナルにちゃんと向かっていることを確信し、安心する。時間もまだ8時半までには10分ほどある。

ターミナル前で車は止まり、ぼくはリュックを背負って20USDを払い、メルシーと言ってターミナルの受付窓口に行く。

待合室にはすでに20人くらいが待っており、乗車も始まっていた。ぼくは受付でチケットとパスポートを見せ、預ける。”Tax”と言って28USDと50ドミニカペソを請求され、それを払うと、チケットに座席の番号を書いてくれ、さらにボーデイlングパスと言って番号の書いてあるプラスティックの長いカードを手渡される。

それを持ってバスに行く。荷物を預けようかとしたら荷物にタグを付けないといけないようで、それを取りにまた受付に戻る。荷物3つすべてにタグを付け、ようやく乗車できる。

予想通り8時半を過ぎても乗客らしき人が車で乗りつけてくる。その間、ぼくはポケットに入っていた小銭を使いきろうと、ターミナルの入り口に来ていたパン売りの人からクロワッサンを1個買う。どうも小銭だけでは足りないようだったのだが、そのパン屋のおにいさんは困った顔をしつつも売ってくれた。

バスは結局9時頃発車。車内ではすぐにパイ生地のパンが配られる。

それを食べ、しばらく外を眺めている。緊張の糸の切れたのかいつの間にか寝ており、プシューと言う声に目覚めたらすでに国境に着き、みなバスから降りているところだった。

2008.3.21 カンクンからアップ

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