2008年3月9日日曜日

ボブ・マーリィ語録集から

2008.3.8(土)

イアン・マッカン編『ボブ・マーリィ語録集』1995、アップリンク発行

24
「誰もがルーツに根ざし続けなければならない。アストン・バレットやカールトン・バレットみたいにな。ルーツに戻るんじゃなく、ルーツそのものになるんだ。葉っぱになってもいつか根っこ(ルーツ)に戻れると思ってる奴がいるが、葉っぱが枯れておちたら、一体どうやって戻るんだ? 俺たちはルーツそのものでなけりゃならない。」

38
「いったいいつまで同じことを訴え続けなければならないんだ? ずっと"Get Up,Stand Up"と歌い続けているのに、人々はいまだに立ち上がらない。俺はこれから先まだ’Get Up,Stand Up’を歌い続けなければならいないのか? もう同じ歌はこれ以上歌いたくはない・・・・・・この歌に縛られる囚人にはなりたくないんだ。俺は人々が苦しむのを見たくない。そして、人々が苦しむのを見ながら喜んでいるかのように歌い、そうすることによって報酬を受け取ることに耐えられない。俺は人々に豊かに満ち足りた人生を生きて欲しいんだ。」

47
「レゲエは政治的である必要も、恐れる音楽じゃなきゃだめだということもない。どんなことを歌ってもいんだ。この世には、歌にするだけの価値のあるものが多くあるんだからね。」

52
「好きなのは、スティーヴィ・ワンダー、カーティス・メイフィールド、マーヴィン、ゲイ・・・・・・」

68
「俺の音楽は、人の生き様と死に様にまで指図するシステムに闘いを挑んでいる。」

69
「子供たちは大きくなって、父親が仕事に出かけ、苦しみながら死んでいくのを見守る。母親はデカい腹を抱えて病院に行き、手術を受ける。彼らの家族構成は崩れ、みんなで何とか立て直しを計ろうとする。子供たちがそれをやり遂げなければならないのだ。家族の苦しみを本当に知りつくしているのは彼らなのだから。」

81
「教会の連中が唯一語るのは死についてさーー奴らはきまって言う、この全ての苦しみの後は誰もが死んで天国に行くってね。そんなことのためにこんな苦しい思いをしなきゃならないのかい! それじゃまるで病気になったから医者に行くようなもんじゃないか。そういうことじゃない。何よりも大切なのは生きることだ。」

92
「偏見というやつは鎖のようなものだ。そいつにずっと縛られるからな。もし、おまえが偏見を持っていたとしたら、ずっと何年も動けなくなるんだ。それがある限り、どこにも道はないからな。」

108
「俺は一時アメリカに居たことがある。お袋が住んでいたからな。だが、生活のペースが速すぎる。物事が敏速に進んでいくんだ。アメリカでは物事を成し遂げられるが、ジャマイカは気分がゆったりとしていろいろな物質欲を捨てられるところが違う。アメリカじゃ何でも手に入れなきゃならない、何でも買わされるからな。だからアメリカ人たちが俺たちの国にやって来ると、連中に助言してやるのさ、「そんなにあわてるな、よく聞けよ、頼むからそんなにあせらないでくれ」ってな。アメリカじゃ、すべてがパチン!とこの調子だ。若い娘が言うには、「何てことなの! ジャマイカには電話線が1本しかないんですって! 私の家には電話が20台もあるというのに、ジャマイカには電話線がたったの1本ですって!」

115
「ジャマイカっていう国は、簡単に競争意識の生まれるところだ。この国の人々は、おまえが俺に闘いを仕掛けるなら、俺もおまえに闘いを挑んでやるって、誰もがそんな気持ちでいるのさ。学校教育を受けたことがない奴が、俺が教育を受けていたというだけの理由で、歌を歌って払いのけようとしたり、あるいは俺も同じようにするべきだと思う奴もいる。それは、ねたみ、疑い、怒り、貧困、競争心によって起こるんだ。俺たちは、みんなで心をひとつにして音楽をつくり上げていかなきゃならないのに、とにかくみんな貧しすぎてボロボロになっているんだ。」

142
「多くの人間は、金持ちになると引退してばかになっちまうらしい。金は俺を豊かにはしない。俺の考える豊かさとは、この地球上を生きて、はだしで自由に歩き回ることさ。」

155
「人々は、自分たちの知性を活かすような余裕すらない。時々、俺はもっとも知性的な人々は、もっとも貧しい連中じゃないかと思うことがある--食べること以外は望まないから。」

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