2008年3月2日日曜日

バラコアからグアンタナモへ

2008.2.29(金)
くもり時々晴れ

鶏の鳴き声で目覚める。

期せずして閏年に旅行することになったことに気がつき、1日ぶん得した気分になる。

今日はグアンタナモに移動。昨日、ここに着いたときに宿の人には2泊して明後日(3/1)サンティアゴ・デ・キューバに移動すればいいじゃないと言われたのだが、今日、移動することにする。

昨日、午後だけだがまちをふらついた感じではもう1泊してもよかったが、明後日事前に予約していたサンティアゴ・デ・キューバ(以下、サンティアゴと略)からハバナに行くバスは16時前のバス。ここを出る外国人用のバス(Viazul社)は14時過ぎ発なので間に合わない。

ハバナ行きは夕方発のもあるので、昨日、このまちにある旅行社(Cubatur)に予約の変更ができるか聞いたが、向こう3日ほどは予約がいっぱいで、乗りたいなら今朝したような感じで、直接サンティアゴのバスターミナルに行ってという。

しかし、乗れなかった場合、ジャマイカに行く飛行機に乗れなくなるため安全を見て、今日、グアンタナモに行くことにした。グアンタナモはサンティアゴから2時間とかからないところで、地元の人用のバス(トラックの荷台を改造したもの。以下、便宜的にトラックバスと呼ぶ)がけっこう走っていることはサンティアゴにいるときに確認済み。

なので、今日、グアンタナモまで行って、明日午前中にグアンタナモからサンティアゴに行くことにしたのだ。ただ今日のバラコアからグアンタナモに行く外国人用のバスも14時過ぎで、予約でいっぱい。

そこで地元の人用のトラックバスで行ってみることにした。このトラックバスと外国人用のバスなどいわゆるバス(長距離)が出るターミナルは別々にあり、昨日、トラックバスのターミナルを見つけ、グアンタナモ行きがあることも確認してた。

8時半頃、朝食。昨晩と比べて非常に簡単。スライスしたフランスパンが6枚ほどと目玉焼き2個。フルーツやサラダはなし。パイナップルジュースとコーヒーは出る。あとパンにつけるものとして蜂蜜が出る。キューバで蜂蜜は初めて。目玉焼きは塩気きつすぎ。塩を食っているみたい。でも、味からするといわゆる純化した塩化ナトリウムではなく、自然塩のよう。

9時頃、宿を出て葉書を出しがてら、しばらくまちをぶらぶら。今朝は快晴とはいかないが青空も見えている。やはり空が青いと海も青い。海の色が昨日とは全然違う。波が高く、道路にいてもしぶきのかけらがかかる。

トラックバスのターミナルに行き、グアンタナモ行きが何時にでるか聞くが、なんだかいろいろ言われてわからない。仕草からすると時間は決まっておらず、向こうからこちらにトラックが到着する時間次第のよう。

帰り道、一段高いところに造られているホテルまであがる。ここからはまちが一望できる。雲が出て少し陰っていたので、絶景ではなかったが、なかなかの眺め。海と山に挟まれ、景観も豊かだ。

宿に戻り、荷物の支度をする。宿代15cucと夕食代6cuc、朝食代3cucのしめて24cucを払って宿を出る。今までの所、この宿がキューバではベストだった。宿主も明るくて気持ちいい。

バスターミナルに行くとみんなの視線を感じる。やはり外国人が乗るのは珍しそう。チケット売場みたいなのはあるが、チケットは売っておらず、各トラックに乗り込んでから払うよう。

ターミナルに着いたのは10時過ぎ。グアンタナモ行きのトラックバスはターミナル内にはない。待合室には50人ほどの人が待っている。なんだか蒸し暑い。持ち歩いている温度計は32度をさし、湿度も70%を越えている。

10分ほど待ったところでトラックが入ってくる。トラック主らしき人が出てきて"A Guantanamo(ア グアンタナモ=グアンタナモ行き)"と大声で言う。

待ってましたとばかりに一斉に荷物を持った人がトラックに駆け寄る。我先にと乗り込む。ぼくは最後に並んでいたら、トラック主がぼくを見つけ、どこに行くのかと聞いてくる。グアンタナモと言うと、ちょっと待てと言われる。

みんなが乗り込んだ後で、2人で話をする。なにやらワーと言われる。CUCという言葉だけは聞き取れたので、値段の話をしているよう。こちらからいくらか聞くと10cucと言う。んな、アホな。外国人用のバスでサンティアゴから15cucだったのに。それで高すぎるというと、一気に5cucまで落ちる。おいおい、ふっかけすぎだ。

それで3cucにしてと頼むが、首を横に振り、5だと言って聞かない。これにしても相当高い。ただ、公的に二重経済をしき、外国人は基本的にcucを使うことになっているので、地元の人と同じ値段というのも難しい。この辺はおそらく人によるのだろう。昔のキューバ人ならみな平等と言って、地元の人と同じ値段しか請求しなかったに違いない。

このトラックバスに乗ってみたかったし、まぁ、通常よりは安くなったので、5cucでOKする。トラックに乗り込むとその人が荷物を渡せと言って、前の方の荷物置き場まで運んでくれる。それで、すぐにここでおカネを払えと言うので5cucを渡す。

そしたら、その様子を見ていた他の客がぼくが払った代金を巡っておしゃべりを始める。まず、一番近くでぼくが払うのを見ていた若い女の子に、その隣に座っていたおばさんがいくら払っていたと聞き、5cucと聞いて口を開けて高いと言う。

それを見て、ぼくがその女の子にこのバスはいくらなのか聞くと10ペソという。1cuc=24ペソなので、ぼくは12人ぶんくらいの代金を払ったわけだ。

おばさんはあきれたわ、みたいな仕草をする。そこから後は何を話しているかわからなかったが10人くらいで15分くらいその料金について話していた。年輩のおじさんも加わっていろいろしゃべっている。いくつか聞き取れた単語から推測するに、高すぎるわと言っている人がいる一方で、外国人はcucで払うことになっているというようなことを言っているよう(90%は推測だが)。

乗り合いタクシーのごとく、席が埋まるまで待っているよう。トラック内で20分ほど待つ。蒸し暑い。トラック内は左右の壁側に高さ60cmくらいのところに幅20cmくらいの板が固定されており、それが椅子代わりになる。真ん中にも背中合わせになるようなかたちで前から後ろに同じように板(座席)が固定されている。なので、都合4列椅子がある。

それぞれだいたい12人くらい座れるからこれだけで50人近く乗れる。椅子に座ると向かい合った人の膝がほぼつくくらいだから狭い。でも、席がいっぱいになっても、わずかな隙間を見つけて人を詰め込む。

ぼくは真ん中の列の右側の板に座る。なので進行方向右手をみる形で座る。子ども連れの人たちも乗っている。

10時40分頃、車は発車。工事中かというような轟音をたててトラックは走る。後部のきっちりしまらないドアや天窓の鉄板が細かな音を立てる。走り出せば風が入るので涼しい。

それにしても尻が痛い。席の区切りが2人ぶんくらいになっているのだが、明らかにその区切りがキューバ人のサイズにはなっていない。つまり、キューバ人のおばさんクラスになると2人座るには横幅がきつすぎるのだ。板は細く痛いのと横からの圧力とがあるから、とても居眠りはできない。

加えて足下も混雑しているので、トラックが曲がるときにふんばるのに都合のいい足場を確保できない。だから常に足に力が入っている状態で座っているので、ときおり停まって人を降ろすときに立ち上がると、脚がけっこう緊張していたことに気づく。

それでもなかなかこのトラックもいい。風が入るし、便所臭くないし、クーラーで寒いこともない。立ち上がって外の景色をみることもできる。

昨日乗っていたバスは通路側でなかなか外が思うように見れなかったが、この日は満喫できた。2時間もすればみんなも疲れてきたのか居眠りをしている人もいる。いかにもおしゃれしていますという若い女の人は、車酔いしたのか、突如窓から顔を出して、戻しているよう。たしかに揺れがひどいから車酔いしやすい人はきつそうだ。

つづく

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