2008年3月22日土曜日

ポルトープランスでぶらぶら

2008.3.16(日)

部屋の蒸し暑さで目が覚める。昨晩からつけっぱなしにしていたはずの扇風機は、スイッチが入ったまま止まっている。コンセントを差し替えたりしたが、ファンは回らない。節電なのか、停電なのかどうも電気が通っていないよう。

ホテルの朝食は別料金で5ドルくらいすると言われたので、朝食は外でとろうと思い、8時前に散歩がてらに外に出る。

シャンマッの広場では、昨晩、コンサートで会ったMenleyが言っていたように、サッカーの練習をしている。ランニングをしている人やストレッチ体操をしている人などもおり、けっこう本格的な練習のよう。格好もサッカーだな、と人目でわかるような格好をしている。地面はコンクリートだからサッカーシューズを履いている人はいないが。

見学をしながら広場を横切る。広場で練習しているチームは10チームほどあり、それぞれ広場の一画を練習場にしている。広場は一面平らというわけでなく、段差があったりして、それらが隣のチームとの境になっている。もちろん練習するスペースはそれぞれまちまちで、一番大きくてもフットサルのコートくらいの広さ。狭いところでは5m×20m程度のスペースで練習している。練習している人の人数は、200人くらいだろうか。年齢は20歳前後くらいの人が多い印象。

ホテルの近くでは、この時間に食事ができそうなところは見当たらない。まだまだ時間が早いのかと思って、適当に歩く。


坂道を歩いていたらラスタのヘアスタイルをしたおじさんが、こっちをみてにこにこしながら何か言っている。"You Rasta?"とぼくが言うと”イエス”と言う。

ジャマイカにはラスタのヘアスタイルをした人が、そこら中にいるがドミニカ、ハイチとも1人みかけたくらい。

通りのところどころには給水ポイントならぬ水道ポイント(井戸ではなかった)があって、みんな大きなバケツを持って、そこへ水を取りに来ている。もっぱら水を運んでいるのは、女性(お母さん)と子ども。子どももそれなりの小さなバケツを両手に持って水を運んでいる。

コピー屋さんが集まっている通りや教会の前などを通り、両替をしようと銀行の前に来る。

もう9時を過ぎていたので開くだろうと思っていたら、開いていない。銀行の入り口下の階段には、5cmくらいの札束を持った男の人が3人ほどおり、英語で話しかけてくる。両替屋さんのようで、こうして銀行の前で客待ちしているよう。

昨日、ホテルで両替した5ドル分のハイチのお金ももうわずかになっていたので、両替する。USドルはもったいないので、あまりそうなドミニカペソを両替してもらう。ドル換算で言うと10ドル相当の300ドミニカペソが、250ハイシャングーに。相場はわからなかったが、ドミニカとハイチを比べてハイチの方が強いということはあり得ないだろうと思い、250を300にしてもらう。

昨日のホテルでの両替が5ドルで約200ハイシャングーだったから、ドル換算でいえば400あってもいいのだが、あいにくドミニカペソはホテルでは両替してくれないので、300でいいことにする。

しかし、この人たちは、元手はどうしたのだろう。何かの商売で外貨を稼いでから、この商売に転じたのか。それとも誰かに借金して元手を作ったのか。外国人観光客がほとんどいないこの状態で、食えるほどに客がいるのか。気になる。

ポルトープランスは、湾を有しているまちとあって、坂道が多い。適当に坂道を上っていくと、左に曲がったとおりが市のようになっているを発見。

路上にびっしりと露天が並んでいる。路面は舗装されてなく、しかもどこから流れてきてるのか、水たまりがあちこちにできていて、そのためところどころ路面がぬかるみ滑りやすくなっている。さらに人でいっぱいのその道をRVの車が時折通る。

外国人、特に東洋人自体が来るのが珍しいのだろう、多くの人がこちらを見て、子どもはぼくを発見すると親に報告するように何か言っている。並んでいるのは農産物、肉、魚がメイン。農産物はじゃがいもや人参、3cmほどの小さなオクラ、キャッサバ、バナナなど。肉は鶏肉が多い。

すぐに食べられそうなものを探すが、あまりない。加えて、どうも腹の具合がよろしくない。

一通り見て、その通りを後にする。今度は、海を見に行こうと海に向けて歩く。『ロンリープラネット』によれば、海岸沿いはスラムができていて、行くべきではないとあった。だが、車が頻繁に行き来している大きな通りは比較的安全だろうと思い、大きいとおりに従って海を目指す。

途中、ジャッキーチェンやジャッキーリー(ブルースリーのことらしい)などと言って声をかけてくる人が少々。声がする方を見ると、こっちと目を合わせてにこっとしたりするから、どうもキューバと同じ感じのよう。小さい子どもの中には何度もこっちを振り返って見る子もいる。

歩道には鍋を炭にかけ、スープを売っているおばさんや、炭そのものを売っている人もいる。店としては一番目に付くのがLOTOなどの文字が入り口に書かれている店。宝くじ屋のようだが、定かではない。人の出入りもあまりなさそうだし。

それから散髪屋・美容室は表にそれとわかる絵(人の顔)が書かれており目立つ。それから、ときおりCyber Cafeと書かれた電話屋兼ネット屋(日曜とあってかどこも閉まっている)もある。全体的には、店舗(建物)をもって商売している人は少なく、歩道や路上の脇に、シートなどを敷いて商品を並べて売っている人が多い。

そうして歩いていると比較的大きな通りとの交差点に着く。その通りを右に曲がってみると驚いた。ずっと露天が続いていて、かるく500mはありそう。その通りを歩いてみると、今度はその通りと交差している別の通りもずらっと露天が並んでいる。(Rue Miracles,Rue Bonne Foi,Grand Rue,Rue du Magasin de I'Etat,Rue du Quaiなどの通り)

売っている物は農産物(米、豆、キャベツほかいろいろ)や肉、魚(メキシコでも見た干し魚あり)、香辛料、お菓子(スナック菓子など)など食料品はもちろん、服や化粧品、石鹸、シャンプー、香水、ウィスキーなどの酒、文房具、南京錠や工具類などなど。電化製品は見なかったが、一通りの生活用品はすべてある。

さらにボロボロの建物が市場となっていて、その中でやはり服や米、さらに竹かご、箕なども売っている。

歩いていると”ムッシュ”と声をかけてくる店の人もいる。

その通りも、どっかで水道管から吹き出しているのか、水浸しになっているところがある。地元の女の人の中にはサンダル履きだからか気にせず、水の中を歩いている人もいる。

露天がある通りをひたすら歩く。歩いた感じだと両サイドに露天が並んでいる状態で全長2kmはありそう。店舗(露天)数にすると、ほとんどの人が両腕を広げた位のスペースで商売をしているから1000はありそう。

それにしてもここまで大規模な市があるとは想像していなかった。メキシコシティには勝てないが、その他の地域にはこれほどの市はなかった。きっと店舗による商売がまだそれほど広まっていないということも1つの要因かもしれないし、店舗を持たずとも商売ができる環境があるからかもしれない。あるいは、もしかしたらこの日が特別な日だっただけかもしれない。

ぼくは夏みかんのような柑橘系の果物を買う。4つで20ハイシャングー。

それから海に向かう。海に向かってまっすぐ伸びている幅10mはある通りを歩いていくとT字路にぶつかり、右か左かに曲がらなければならなくなる。

正面にはこれまた使われていないような建物があり、その下で30代~40代くらいの男の人たちが4人ほどで麻雀らしきことをしている。その建物の敷地は、一応金網と金網のドアで区切られていたものの、向こう側に行く近道として通りぬけできそうだった。向こう側には広い広場と、けっこう豪勢な建物が見え、その向こうに海が見える。

おじさんたちに絡まれないといいなと思いつつ、開いているところから敷地に入る。すると予想通り、麻雀らしきことをやっているおじさんたちのうちの1人が野太い声で”You!"と声をかけてくる。声の主を見るとごつい。

こっちに来いと手招きしているが、あまり人相がよろしくない。人は見かけで判断してはいけないと思うが、ちょっと嫌な予感がしたので、海の方を指さしあっちに行くんだという仕草をし、そそくさと通る。おじさんはあっさりと諦めてくれたみたいで、それ以上は何もなかった。

広場はPlace de Nations Uniesというところで、50カ国くらいの国旗が掲げられ、中央にはよくわからないモニュメントがあった。ベンチに座ってる人は数人。

その隣にある豪勢な建物だなと思ってたものはアメリカの大使館だった。

そのアメリカの大使館と海岸の間には片道1車線の道路があり、それを渡るとあまり手入れがされていない公園がある。そしてその向こうがすぐ海(Baie de Port-au-Prince)になっている。公園には、そこに住んでいる人っぽい人が数人と何をするというわけでもなく、友達とおしゃべりをしている人が数人。

そのおしゃべりをする人のうち一人が大きな声で話しかけてくる。開いてとの距離は20mほど。当然、言葉がわからないので何を言っているかわからない。その声があまりフレンドリーではなかったこともあり、声の主の方を見て、かるく手を振っただけで素通りし、海まで行く。

右手には貿易船なのか、巨大な貨物船らしき船が10隻ほど見え、その手前では子どもたちが海で遊んでいる。湾ということもあり、並みもなく穏やか。水も一応、底が見えるくらいには透き通っている。

海の淵まで歩いていったら、長い髭と長い髪のおじさんが素っ裸で水浴びをしていた。服が地面に置かれており、水に入った状態だったので、全身が見えたわけではないが。

左手の海岸沿いには家なのか倉庫なのか低い建物が並んでいる。バラックだと言われるとそうなんだと思ってしまうような建物が多い。

Port-au-Princeは低い山に囲まれている。海からぐるっと山の方を見ると、その取り囲んでいる山の7分目くらいまで家が張り付いている。コンクリートらしきもので作られた白っぽい建物が多い。何が原因なのか、少し霞んでいてはっきりと見えない。

海辺にいたのは数分ほど。あまりのんびりしていても悪い人に出会うとも限らないので、早々に引き上げる。

朝から4時間ほど歩きっぱなしだったので、宿に戻って休憩。途中、宿の前の広場でクーラーボックスに入れて飲み物を売っている人から水を買う(20ハイシャングー)。「力」と漢字で書かれた飲み物があり、気になったのだが、高そうだったのでやめる。

宿に戻って水の入っていないプールサイドで本を読んだりする。隣の椅子にはインドから来たという30~40代の男の人。ヒンディー語の小さな本を読んでいる。彼が話しかけてきて、少しだけ話す。

彼はインド生まれで、今はパナマに住んでいるらしい。パナマには10数年住んでおり、無関税(デューティーフリー)商品を扱う仕事をしているという。ハイチはこれで4回目。ハイチには仕事で来ており、5日ほど滞在しているらしい。ここでは仕入れた中国製の服を販売業者に卸していると言う。

暑さがやわらいだ16時頃、さっきとは逆の方向の地域に行ってみる。ロンプラによれば、こっちにもネット屋があるよう。

さっき行ったところは人通りの多い、いわば繁華街だったが、こちらはどちらかというと住宅街。人通りが少ない分、やや緊張する。

歩いていると右手にCyber Cafeの文字を発見。散髪屋と一体化しているようで、散髪屋のドアを開けると中に2人の若い男性がおり、180cm以上ありそうなドレッドの人の方が店主だった。店内にはレゲエの大コンサートのポスターが貼ってある。

ただ、「インターネット」と言うと、うなづき右奥にある今使っていたらしいパソコンを空けてくれる。30分ほどで10ハイシャングーだったか。スピードはかなり遅い。

それからしばらく散歩。家の玄関前に座っていた10歳くらいの女の子がこっちをじっと見ているので、”ボンジュール”と言うと挨拶を返してくれ、どこから来たのかというようなことを聞いてくる。”ジャポネ”と言うと、にこっと2~3度うなづく。

またぶらぶら歩く。店も人も少ない。Collegeと書かれた大学らしきところを通る。街角には迷彩服にマシンガンを持って武装したハイチの軍人が立ってパトロールしている。これはキングストンと同じ。

今度は30分ほど歩いただけで宿に戻る。お金が余っていたし、腹も良くなってきたので、ホテルの周りで食い物を探す。宿近くにファーストフードっぽい店づくりの食堂があり、地元の料理らしい写真が貼ってあったので、行ってみる。入り口では、ストリートチルドレンらしき10歳にもいってなさそうな一人の男の子がカネを乞う。小銭がないので、ノンと手を振りながら通り過ぎる。

店でショーケースに並んでいる料理を指さし、いくらか聞くと240というので、断念。高すぎる。

それで少し先の通りに行くと、揚げ物を売っているおばさんがいたので、そこで買うことにする。鶏モモの唐揚げや魚の唐揚げ、バナナやキャッサバらしいものの揚げ物など7種類ほどある。肉、魚は食べる気がしなかったので、バナナなどを頼む。発泡スチロールの弁当箱にそれぞれ数枚手づかみで入れてくれ、最後にキャベツの”マリネ(と聞こえたような)”の汁を全体にかけ、キャベツも上に乗っけてくれる。これで70ほど。

さっきの食堂の前をとおり宿に戻る。途中、またあの男の子がこっちを見て、乞うてくるので20ハイシャングーをプレゼント。ただ、この物価高では何を食べられるのか?

部屋に戻り、飛行機の機内で手に入れたプラスチックのフォークを取り出し、さっそく食べる。冷めているので、もさもさして食べにくいが、味はいける。腹の調子が良ければ道ばたで売っているスープが食べたかったのだが、明日また長距離の移動ということもあり、自制し、これだけ。これは心残り。

夜はまた昨日とは違う人がコンサートをしていた。今日は、ラスタの格好をした人たちのグループが演奏する。ジャンベ(だったっけ?)とかいう太鼓がリズムを刻み、ボーカルのおじさんはアコースティックギターを弾きながら歌う。音楽が昨日よりカリブ海っぽいし、アフリカっぽい。レゲエという感じではなかった。

演奏を見ていると昨日と同じようにストリートチルドレンらしき子が腹が空いているという仕草をして手を出してくる。カネはホテルに置いてきたので、首を横に振るとしばらく粘られるが、別のおじさんたちの方に行った。

今日は最後まで聞くことなく、切り上げホテルに戻る。
明日はまたドミニカへ。

2008.3.21 カンクンからアップ

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