2008年3月2日日曜日

初めての雨、停電

サンティアゴ・デ・キューバ2日目

2008.2.27(水)
夜明けとともに起きる。時間は6時半くらい。半袖でちょうどいいくらいの気温。

見たかったものは昨日、見てしまったので朝は日記の整理などをする。

11時頃、宿を出てバスターミナルを目指す。。明日、乗るバスの乗り場までの予行演習だ。

昨日は通らなかった道には野菜を売っている人たちが10人ほどいる。トマトやきゅうり、みかん、バナナなどが多い。

途中でbatido(バティード)という果物と氷のシェイクを飲む。2ペソ。キューバで氷入りの飲み物は何度も飲んでいるが腹に問題ない。

読んだ本によれば水道施設はよく整備されており、ここサンティアゴ・デ・キューバでは塩素消毒もされているらしい。基本的には緩速濾過をしているらしいが、この辺りは水が少なくタンクに溜めてから使うため、念のため塩素消毒をしているらしい。ぼくの腹に問題がないのも、こうした水道整備のおかげのよう。

歩いていたら飛ぶように売れているピザの屋台があったので、朝飯がわりに食べる。具はチーズだけ。例によって生地はパンだから腹が膨れる。5ペソ(25円)。

バスターミナルまでの道順を確認し、せっかくなので、適当に路線バスに乗る。1ペソ。最初に乗ったバスは韓国で使われていたバスのおさがりのようで、車体にも車内にもハングルが書かれてある。

バスに乗ると運転手がそれらのハングルを指さし、わかるかと聞いてくるので、わからないと言うと、周りの人もわからないんだぁ、って感じの反応をする。

乗ったはいいが、すぐに終点のターミナルだった。賞味200mくらいしか移動していない。ターミナルの隣の広場には、昨日は見なかった野菜市場があったので、そこを見学。売られている野菜は変わらないが、サトウキビジュースを売っているのは初めてみた。

人力の圧搾機を使ってサトウキビからジュースを絞り出している。飲みたかったが、明日が移動日であることが頭をよぎり、ここはやめる。その代わり、batido(バティード)をまた飲む。2ペソ。

それからもう1度バスに乗り、終点まで行く。まちの様子を見るために乗ったのに、またもや寝る。キューバはどうも寝心地がいいようだ。

気づいたら終点。また折り返し乗る。乗車賃を払おうとしたが、運転手がいらないという仕草をする。どうもバス代は1ペソよりももっと安いよう。

ここの終点付近は団地になっていて、4階建てくらいのアパートが見える範囲でも10棟くらい建っている。それほどぼろくはなさそうだが、それにしても古そうではある。

バスはそうしたアパート街を走り、10分ほどで中心市街地に着く。そこで降りて、また電話局にネットをしに行く。4台のパソコンは埋まっていてしばらく待つ。

外はさっきからぽつぽつ降っていた雨が本降りになり、どしゃ降りの様相を呈している。雨宿りするために何人かが店内に入ってくる。

これだけ本格的な雨はこの旅では初めて。なんて思っていると、次の瞬間ストンと電気が消えた。パソコンも画面が消え、メールを書いていたフランス人らしきおじさんは、クソッみたいなことを両手を天に向けて言う。

10分ほどして電気は復旧したが、それから20分した頃、再び停電。またおじさんはクソッみたいなことを言う。

今度は20分ほどして復旧。外は大雨。

メールをチェックしたところ、予定していたジャマイカの宿からは空き室がないとの返事。別の宿にまた予約のメールを送る。

雨があがったのを見て宿に戻る。空にはまだ黒い雲がただよっているので、今日はもう宿にいることにする。

宿で持ってきた吉田太郎著『スローライフ大国キューバ・リポート 1000万人が反グローバリズムで自給・自立できるわけ』を読む。

興味深い話がいっぱい。キューバに来てみたいと思ったのも2000年に国を挙げて有機農業に取り組んでいるという話を聞いたことがきっかけだった。しかもその話を聞いたのは、この本の著者が恩師と呼んでいる人と同じ人から。

君子による独裁か、半分以上が投票にも行かない、利益団体に左右される空洞化した民主主義か。政策転換の早さで言えば、圧倒的にキューバの方が日本やアメリカより早いのではないか(特に産業面で規制が必要な時などの場合)。

いろいろ失敗しつつも、時代や世界、地球環境の現状をみながら、よりよい世界になるようにさまざまな取り組みをしているキューバ(政府)はなかなかすごい。

まちに物はたいしてないし、車も建物もおんぼろだけど、自分の国のみならず世界の状況を見渡した上で、どんな世界にしたいかを明示し、そのために政策をうつ。こうした政治が実際に行われていること自体が、日本の現状から見ると驚きだ。

確かに日本の政治は国民の生活をある面では豊かにしただろうが、はたしてカストロが言っているような世界観を持って世界と接してきたのかは、大いに疑問。

ときおり引用されているカストロの演説を読むと、日本の政治家とのスケールの違いを知らされる。そりゃ、カストロは革命家だからそこらへんの政治屋さんとは比べ物にならないだろうけど。

こんな人が独裁(といってもけっこう分権はされているようだが)するなら世襲が幅を利かせているどこぞの民主主義よりもよほどましだろうなと思ったりもする。

ただ、カストロ1人がすごくても国を治めることはできないだろうから、政府内部がどのように動いているのかが気になるところ。

19日にカストロが引退を表明したが、この後も安定した政情のまま、理想を変えずにどう資本主義化やアメリカの言うような民主化の圧力とつきあっていくのかが、今後の問題だろう。

宿では2度ほど停電がある。いずれも10分ほどで復旧するが小型ライトが役立つ。

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