2008.3.6(木)
2008.3.6(木)
日が射し始めた6時前に目が覚める。宿を出る準備をする。外では庭掃除に来ているおじいさんが、レゲエの歌を歌いながら葉っぱをかき集めている。
7時半過ぎに寝ている家の人を起こし、宿を出る。ここは安いから泊まるのはいいが、朝早く出ていこうと思うと家の人を起こしたりしないといけないので、気を使う。なので、ポートアントニオに行くことことにして、今日、宿を替えることにした。
荷物を背負ってハーフウェイツリーのバス乗り場に行く。宿の近くまでバスで行こうと思ったが、あいにくこの時間は通学・通勤時間のようで、宿の方面に行くバスはステップのところまで満杯。
しょうがないので、途中まで歩いていくが、宿まで5km近くあるので、途中のバス停でバス待ちをする。タクシーでもいいかとタクシーも探すがどれもいっぱい。20分ほど待って、普通のバスより豪華なバス(日本で言えば長距離バスのようなバス)が来て、それは乗れそうだったので、それに乗る。
宿に近いバス停でおり、歩く。バス停から新しい宿までは1~2kmほど。人気のない道ぞいを歩き、20分ほどで新たなホテルに到着。
昨日、予約していたのでその旨を伝える。キーデポジット代500ジャマイカドル、と宿泊費1泊ぶんの2000ジャマイカドル(約3500円)を払う。飯はついていないが、施設はとてもきれいでプールもあり(ぼくは使わないけど)、部屋にはテレビもある。ぼくからすれば高級ホテルに入る部類が30USD程度だから安い。
ここには白人系の旅行者が多い。まちではぜんぜん見ないので何をしているのか謎だ。
荷物を置き、外に出る。今日はあまり天気がよくない。
予定では今日、ポートアントニオに行く予定だったが、すでに9時を過ぎていたので、これから行くには遅すぎると思い、予定を変更。ブルーマウンテンに行く交通機関の下見に行くことに。
ロンリープラネットに載っていたとおりに、ハーフウェイツリーからPapineというところまでは路線バスで行く(50ジャマイカドル)。そこでブルーマウンテンの村々に行くミニバスを探す。停まっているミニバス(15人乗りのトヨタのワゴン)に乗っているおばさんにコーヒー工場に行きたいというと、このワゴンで行けるという。今日は、交通機関の確認だけと思っていたが、ここまで来たのでコーヒー工場まで行くことにする。
ワゴンに乗り込み、発車を待つ。
30分ほど待って、客がいっぱいになったところで車は発車。すぐに曲がりくねった山道に入る。窓から外を見ると山の斜面に張り付くように家が建っているのが見える。ブルーマウンテンとは言うものの、思ったほど森は深くなく、山肌がすっかり見えてしまっている山もある。
1時間ほど登り続け、そして下りの道に変わる。ポツンポツンと家が数軒。道の両サイドは山で谷間を車を走る。家が立っているところの斜面には何か作物が植えられている。ほんとに人里離れた山奥の地域という感じ。
1時間ほどするとCoffee Factoryという看板を道沿いに発見。一緒に乗っていたおばちゃんが1人降りたので、ぼくもそこで降りる。料金は70ジャマイカドル。1時間以上乗ってこの値段とは安い。そのおばちゃんはコーヒー工場の看板にある矢印のほうに歩いていく。
ぼくは周りの景色を少し見て、おばさんが歩いていった道をたどる。その道を歩いていくと香ばしい香りがして、正面に小さな工場が見えてきた。
ちょうど12時すぎで、お昼時だったので働いている人たちは手に弁当などを持ち、昼ご飯を食べようとしているところだった。工場の門の入り口には工場に勤めている人を狙って飲み物などを売りに来ているおばさんが1人いる。
入り口の門をくぐって、適当に中をみれるか聞くとあっちの事務所の方に行ってと言われる。ツアー客用のショップ兼待合室みたいなところがあり、そこにいた女の人に聞くと、中は見れるがこれから昼飯なので、食事が終わるまで待っていてと言われる。
そのショップ兼待合室には、この工場の創設者について書かれたポスターや商品ができるまでの行程を写真入りで説明したポスターがある。そして、ここで作っている商品の見本も。また日本語で書かれたUCCの商品の見本もある。
喉が乾いたので、何か飲み物がないかと聞くと、コーヒーでいいならここで出せると言われる。せっかく工場に来たのでコーヒーを一杯いただく。ツアーに参加するなら料金はいらないとのこと。コーヒーの味はわからないので、何とも言えないが苦みは少なく、うまいことはうまい。
30分ほど待って、案内してくれるおばさんがやってくる。そのおばさんは同じミニバスに乗って来た人だった。ツアーの値段を聞くと1000ジャマイカドル(約1500円)と言う。ボブ・マーリーでも500ジャマイカドルだったので、その程度を想定していたのだが、予想外の料金。しかも今日、持ってきた現金は2000程度。
お金が足りるかわからないと有り金を手元に出すと、おばさんはぼくの手元から800ジャマイカドルほどとって、これでいいからと案内を始めた。
工場で働いている人は女の人が多かった。年齢は20代くらいの人から50代位の人までいる。工場と言っても建物は倉庫みたいに簡単なものばかり。
まずは豆を選別している人たちのところで、選別作業を見せてくれる。みんな手作業で豆の選別をしている30%ほどがボツになるらしい。
それから豆を地面に広げて乾燥しているところとどでかい乾燥機を見せてくれる。また、ツアー客用に植えているコーヒーの木も見せてくれる。ベトナムで見た木よりも小さく、雑木かと見間違えるほど。
その後、豆を麻袋に入れて保管しているところやコーヒーを煎って、粉にしているところを見せてくれる。
乾燥機の担当らしき人など、2人くらいは椅子に座って完全に寝ていたのだが、案内しているおばさんも何も言わず、そのまま。また、選別作業をしている人たちもおしゃべりしながらの作業。けっこうのんびりしている。
ここでパック詰めされたコーヒーの7割ほどは日本に行き、残りはアメリカやヨーロッパに行くらしい。
ツアーは1時間もかからず終了。帰りにもう1杯コーヒーを飲んで帰る。
しばらく山道をキングストンの方面に向けて歩く。かなり不便なところなのに、けっこうな豪邸が建っていたりもする。谷間には川が流れており、風景はとてもいい。
適当に通りがかったミニバスを停めてPapineに戻る。PapineからIrish townと行き先を書いたミニバスがあり、それがどんなところか気になったのでIrish town行きのバスに乗り込む。
これも30分ほど待って客がいっぱいになったところで出発。
こちらもすぐに登りの山道に入る。40分ほどするとキングストンのまちと湾を一望できる道に出る。また、こちらにもコーヒー工場があり、アイリッシュタウンに入ったところで、コーヒー工場の看板の前を通り過ぎる。こっちは地球の歩き方にも出ているUCCの工場のよう。さっき行ったところよりも入り口が立派だ。
とりあえずミニバスの終点まで行く。終点は道端に小さなお店が3軒ほど並んでいるところで、斜面にコーヒーやバナナなどが植わっており、家も斜面に数軒建っている。
バスを降りると、その店の前でおしゃべりしていた人たちがこちらに注目する。そして、ラスタの格好をしたおじさんが、親しげに話しかけてきて握手をしてくる。なにやらおじさんは言うのだが、やはり発音がよくわからず聞き取れない。2~3度握手を繰り返し、ようやくおじさんは解放してくれる。
店のうち1軒では野菜を売っていたので、それを撮影。隣に立っていた若いお兄さんに農業に興味があるんだというと、それならと道ばたに植わっていたバナナやココナッツ、コーヒーの木などを案内してくれ、写真を撮ったらどうだとすすめてくれる。
キングストンのまちが一望できたポイントまで歩いて下ることにする。途中、10代後半から20台前半くらいのにいちゃんたち6人ほどが道ばたでおしゃべりしており、何人かはマリファナを吸っているようで、それらしきにおいがする。
ぼくを見つけ、”チャイナマン?””ジャパニ?”と聞いてくる。ジャパニーズと答えると空手はやっているかと、聞いてくる。メキシコやキューバでは空手については聞かれなかったが、どうもここでは空手はけっこう広まっているよう。
にいちゃんのうち1人が空手のまねしてアチョーなどと言っている。最初は、変にからんでくるかと思ったが、杞憂だった。
20分ほど歩くと、例のUCCのコーヒー園の入り口に着く。入り口のところがバス停になっていることもあり、5人くらいの男の人がバス待ちをしていた。ぼくを見つけるとまたもや1人の人が声をかけてきて、どこに行くのかと聞いてくる。それでまちが一望できるところまで歩いて行っているというと、ここはUCCのコーヒー園だが、知っているかと聞いてくる。そして、中を見たいかと聞いてくるので、遠回しに看板に予約しないと入れないと書いてあるし、16時まで(この時点で15時50分だった)とあるからいいよ、と言うと、自分が案内するから大丈夫と言われる。
ただ、日が暮れる前に一望できるポイントに行きたかったので、また時計に目をやると、その様子から察してか、別のおじさんが彼(=ぼく)は、まちが見えるポイントに早く行きたいようだというようなことを、コーヒー園に誘ってくれた人に言ってくれる。
そのおじさんの助け船にのっかり、ぼくはおじさんたちと別れ、また歩き出す。
雲が多い空だったため、まちを一望できるポイントに来てもそれほどきれいには見えなかったが、まぁ、しょうがない。
適当なところでバスに乗り、キングストンに帰る。
宿に戻る前にデボンハウスで今日もダブルコーンのアイスを食べる。
暗くなっていたので、宿で飯を頼むが、これが500ジャマイカドル(約900円)もした。普通の食堂で食えば半値なのに。この晩は魚の料理を頼むと、ぶっとい骨付きの魚の唐揚げが出てくる。やっぱりまちで食べた方がいいと反省。
夜は、テレビを見る。7時過ぎからはニュースをやっている。昨日行ったスパニッシュタウンで警察に8ヶ月の子どもが撃たれて死亡したというニュースが流れる。なんでも無許可らしいタクシーを警察が追っかけていて、そのときに発砲した弾が子どもに当たったよう。テレビには泣き崩れる親と段ボールに"Police is baby killer"などと書いて抗議している人たちの様子が映し出されている。タクシーを追っかけるくらいで発砲してしまうその感覚にキングストンの歴史を感じる。
スポーツのコーナーでは高校生のバスケットボールの決勝戦の結果やクリケット、ユースの陸上大会の結果などが流れる。キューバではあれほどあった野球についてはまったくない。
また、キングストンでは街角で野球している姿もまったく見ることはない。そもそも子どもが道ばたで遊んでいるのをあまり見ないので、まちの造りが違うといった理由だけではなく、治安の面の問題もありそう。
ニュース番組の後は、BBCのドラマみたいものを放送する。別のチャンネルではDJのコンテスト番組をやっている。これはジャマイカらしい番組だ。
ちなみに画面の右下にはRoad to Beijingというロゴがずっと映っていた。それだけ国としてオリンピックに力を入れていることか?
おわり
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