2008.3.7(金)
2008.3.7(金)
今朝は早起きしてポートアントニオに向かう。ポートアントニオはジャマイカのバナナの積み荷港として栄えたまちということで、どんなところか見に行くことにしたのだ。
ポートアントニオは島の北東部。キングストンからは山を越えて島の反対側になる。2つ目の宿で聞いたところ、ハーフウェイツリーのバスターミナル沿いのバーガーキング前からミニバスが出ており、速ければ2時間半ほどで行けるらしい。
3時間と見ても7時くらいに行けば10時過ぎには現地に着くだろうと見込み、宿を7時前に出る。
ミニバスもすぐ見つかり、7時過ぎには乗り込む。が、しばらく座席が埋まりそうにない。お菓子を売り歩いている人が、窓越しに”Banana chips,coco ???(クッキー)”と言ってお菓子を売り込んでくる。朝飯代わりにバナナチップとココナッツクッキーを買う。それぞれ50ジャマイカドルと25ジャマイカドル。
バスの中でまつこと1時間。こんなこともあろうと待ち時間のための本を持参し、さらに新聞を買ってきていた。新聞を見ると、またもやスパニッシュタウンでの銃による殺人事件があったと伝えている。記事を読むと白昼に健康診査(みたい)の会場に2人の男が乗り込んできて19歳と20歳の男を銃で殺し、逃げていったという。会場には他にも人がいたが、その人たちには被害はなかったよう。
外務省の安全情報にスパニッシュタウンの一部の地域で銃撃事件が起きてるので注意とあったが、真っ昼間からやっているとは。
8時過ぎに満席になったところで、ようやくバスは出発。左となりにはスーツを着たビジネスマンふうの人がいるほかは、みんなラフな格好の人ばかり。
椅子はすべているのに、途中でまた乗客をひろい、バスの入り口のステップのところに立たせる。ハーフウェイツリーから北に向かう。地図を見ると道路の中では一番いいAクラスの道路のよう。くねくねと曲がりくねった道をバスは走る。しばらくすると道路沿いに川が見え、河川敷で洗濯をしている人が2人ほど見える。運転手は知っている人が見えるとクラクションを鳴らし、指で合図をする。
昨日、行ったブルーマウンテンよりも山に緑は多い。特に目立つのが竹。道路沿いや山の斜面に竹藪がごろごろある。
いくつもの村を通り、1時間半ほどでようやく遠くまで見通せる景色になったところで海が近いことがわかる。道路の両脇には突然バナナ農園が現れ、バナナ畑を歩くツアーの看板も見える。
バナナ畑は広大で、どのくらいの広さがあるかもよくわからないくらい。10haや20haといった程度の規模ではない。
バナナ農園を抜けるとバスはすぐに海辺の道に出る。舗装されている道路の左側は砂浜で、白い波が打ち寄せている。幸いなことに天気がいいから、海の色もいい。
Annotto BayやBuff Bay、Hope Bayといった小さなまち・集落を抜け、11時過ぎにポートアントニオに到着。観光案内所もあるまちといういことで、これまで通ってきたまちの中では一番大きい。旅行客も何人か見える。
大きいと言っても市街地は500m四方ほどで3時間もあれば中心部はほとんどみれるくらいの大きさ。バスをおりて政府の観光案内所に行き、まちの地図をもらう。
ふらふらと歩いていたら建物の2階にベジタリアン料理の文字が見えたので、そこで昼飯を食うことにする。Chilliと書いてあった240ジャマイカドル(約400円)の料理を頼む。客はぼくの他に1人のみ。出てきたのは、ご飯と豆を煮込みみたいなもの。それから冷たい水も出してくれる。他と同じように飯の量が多い。
食べていると女性用の下着などを抱えたお兄さんが、店員にそれらを売り込みに来る。が、不発だったよう。早々に店から出ていく。
店を後にしてまた外を歩く。マーケットがあったので、そこに入る。ここもブルーシートを屋根代わりにした店が多い。野菜の品ぞろえはキングストンと同じくらい。黄色の大きなバナナがあったので、おやつ代わりに買おうとしたが、これは炊いて食べるものだからすぐには食べられないよ、と店のおばさんが教えてくれる。結局、マーケットでは何も買わず。
また中心街に戻る。ジャークチキンとジャークポークを売っているところがあったので、ポークの方を買う。焼いている金網の上では赤身よりも内臓の方が多く焼かれている。店の若いにいちゃんは、適当にミックスしてくれ、アルミホイルに包んでくれる。それで値段を聞くと800ジャマイカドルなどと言う。見た目は300~400gくらい。でも、店で飯を食べるのに200~300なのに800なんてあるか、と思うが、ちょっと怖そうなお兄さんだったので、多すぎるから400ジャマイカドルぶんにしてくれと頼む。するとお兄さんは3切れほど網に戻す。はっきり言ってあまり量は変わっていない。やっぱり相当ふっかけてきていたよう。
近くのケンタッキーの店の外にテーブルと椅子があったので、そこでそれを食う。めちゃくちゃ塩辛い。味見をしていないのか、こうした味なのかわからないが、3切れも食べるときつくなる。が、もったいないので完食。
お陰でのどが乾き、またふらふら歩き始める。歩いていたらちょうど椰子の実屋さんがリヤカーを止めていたので、そこで椰子の実を1個を注文。50ジャマイカドル(約80円)。鉈でうまく皮を削って飲み口を作ってくれる。通りがかった車の中から白人のおばちゃんがこちらにカメラを向けて写真を撮っていく。
椰子の実ジュースは今回の旅では初めて。前回飲んだのは98年に行ったインドネシア以来だから10年ぶり。ぼくの味覚からすると、うまいとも何とも言えない相変わらずの味。しかし、量はけっこうある。一口では飲みきれかったので、400mlくらいは入っていた感じ。
内側についている果肉も食べようかと思って、おじさんに言うと真っ二つに切ってくれるが、まだ若い実だったのか果肉はほとんどなく、スプーンで一口程度しか食えず。
腹はいっぱいだったものの、通りがかった店で地元の人が食べているスープが気になって、その店でスープを頼む。スープは大きいのと小さいのがあって、大きいのは1リットルくらいある。
ぼくは小さいスープを頼む。120ジャマイカドル(約200円)。豆を煮込んだような薄小豆色のとろみのついたスープが出てくる。スプーンでかき混ぜると中から豆の他に、キャッサバの固まりと大分県の団子汁に入っているような団子、牛スジらしき肉などが出てくる。店内には5人ほどのお客が飯を食っており、このスープだけ食べている人も3人ほどいる。その中にはデカい方のスープを食べている人もいるが、ボールみたいな皿で食っている。体は細身なのによくあれだけ食べられるな、と感心する。
ポートアントニオを歩いていて思うのが、イギリス系の人との混血らしき人が多いなということ。ボブ・マーリーもそうだが、細面でスラッとした顔の人が目に付く。スープ屋のおばさんたちもそうだった。
まちの中には中国系の人がやっている食堂もあり、そこは満杯だった。
マーケットの裏側の海に面したところはヨットハーバー兼公園として整備されており、カリブ海をクルージングしていると思われるヨットが5艇ほど停まっていた。いずれも持ち主らしき人はヨーロッパ系の人。
その公園を歩いてると制服を着た地元の子らが学校の帰りか10人くらいで固まっておしゃべりしており、その脇を通りがかったときに声をかけられる。
女の子が10人くらいと男の子が2人。聞くとみな16歳だと言う。女の子はだいたい160cmくらいあったので、そのくらいかと思ったが、男の子は小さかったのでまだ12歳くらいかと思っていた。
そのグループのボスらしき女の子がどこから来たのか、名前は何というのか、持っているカバンの中には何が入っているのか、電話番号は? といったことを聞いてくる。ただ、周りの子たちもなんだかんだと一斉に聞いてくるからうまく聞き取れないこともしばしば。
ぼくのカメラを見つけて、写した写真を見せてくれと言うので見せる。
男の子の方は、明らかに下ネタらしきことをこちらに言ってきて、それに乗って女の子もお互いにこの子は50ドルとかこの子は10ドルなどと言う。そして、この中の誰かと付き合わないかなんてことも。ふざけていることは、その様子からわかるが、16歳でそんなふうなことを言うんだと内心驚く。
20分ほどしゃべって、彼女らもバスの時間があるからと別れる。
公園内にキングストンで衝撃を受けたデボンハウスのアイス屋があったので、そこでアイスを買う。こっちの方が安く、ダブルコーンが190ジャマイカドル(約300円)。キングストンのは250ジャマイカドルだったので、1ドル近く安いが、味は変わらずうまい。
14時をまっていたので、帰りのバスを探しにバスターミナルに行く。ここもターミナルというよりも、ただごちゃごちゃとミニバスやタクシーが停まっているだけのところ。乗り場周辺は学校帰りの子ども達でいっぱい。バスが到着すると子ども達は我先にと乗り込んでいく。
運転手らしき人に適当に聞いて回ると、なんとかというまちまでこのミニバスで行って、そこからキングストン行きのバスに乗り換えろと言う。だが、それは面倒だし、カネも余計にかかりそうなので、ジャマイカに直で行くバスに乗りたいというと、指さしあっちの方で探せというようなことを言う。
バス乗り場付近には小さな露天が並んでおり、お菓子やジュースを売っている。バスはしばらく出そうになかったので、500mlの紙パックのジュースを買って飲んでいたら、サングラスをかけたおにいさんが話しかけてくる。
その人は、ジャマイカに何を見に来たのかとか、どれくらい滞在するのかといったことを聞いてくる。とりあえずボブ・マーリーの博物館に行くことが目的だと言うと、3曲くらいボブ・マーリーの歌を歌ってくれる(サビの部分だけ)。そして、自分はDJをしていてバハマかどっかのカリブ海の国にコンサートをしに行ったりするのだと言う。そして、ジャマイカのDJで知っている人はいるかと聞いてくる。
その他ポートアントニオは海がきれいで、自然も多く、他の観光地のようにカネ、カネ言う人もいない良いところだ、と言う。
たしかにそれはそのとおりっぽい。3時間くらいしかいないが、まちの雰囲気はいい。
14時半ごろ、キングストン行きのバスに乗り込む。例のごとく、満席になるまで出発はしない。
15時すぎにバスは発車。ドアが閉まらないほど人を乗せ、バスは走り出す。
行きと同じ道をバスは走る。山に入る前に乗客はだいぶ減り、ゆったり座れるようになる。
キングストンには6時過ぎに到着。ショッピングセンターで晩飯を食って宿に帰る。
おわり
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