2008年3月21日金曜日

宿代え、マーケット、野球

2008.3.14(金)

9時頃、銀行にお金をおろしに行く。

11時前、荷物を背負ってチャックアウト。メインストリートを通り、新しい宿に向かう。

途中、ベンチに4人で座って話していた10代半ばくらいの男の子たちの前を通り過ぎようとしたとき、一人の男の子が、”チーノ”とか”ジャッキーチェン”と言って囃すので、わざと睨みつけるような顔をして突然立ち止まり、その子の方をふち返る。すると、その男の子は慌ててベンチを立ってぼくから離れる。自分が人を怒らせるようなことをしているという自覚はあるよう。キューバなどではチーノと言われても、たいてい言うのはおじさんか小さな子ども、たまにおばあさん、おじいさんで商売でもしてない限り若い人が声をかけてくることはなかった。それも、声をかけてきても、たいていの人がただ手を振ったりするだけで、あからさまにバカにするようなことは表面上はなかった(ぼくの経験した範囲では)。が、どうもここは違うらしい。

その男の子らを通り過ぎたら、今度は社会科の見学なのか小学校高学年から中学生くらいの集団とすれ違う。そのとき、”チノ”がどうということを一人のガキが言ったので、振り返って声がした方を見ると、言ったと思われるガキは目をそらして知らぬ存ぜぬという顔をする。こちらも確信犯のよう。

メインストリートには中華料理屋もあるし、中国系らしき若い男の人がネイル屋をやっていたりもするから、チーノはわりと身近であるはずなのだが、バカにする対象になっているよう。

新しい宿にチェックインし、前払いで4泊ぶん1800ペソを払う。

部屋に荷物を起き、ツーリストインフォメーションに行く。サントドミンゴは小さなまちで、きれいに道路も整備されており、治安もいいのでこの時点ですでに退屈してしまった。

ツーリストインフォメーションで田舎に行くバスターミナルを教えてもらう。対応は丁寧で親切。地図も3種類くれ、長距離バスの時刻表のコピーもくれる。英語可。

Caribe Toursというところがハイチよりの西側の地域に行くバスのターミナルになっているらしく、とりあえずそこに行ってみることにする。

地図を見ると途中にメルカドがあるようなので、そこを通ることにする。観光スポットとなっている歴史的な街並みが残っているゾーンから400mほど北のAv. Mellaという通りに出ると、そこは商店街になっており、文具店や安売りの服屋、電化製品店、ホームセンターなどが立ち並んでいる。歩道はせまく、片道1車線の通りをボロボロのワゴンのルートバスが走っていく。

乗用車はみな日本並み(ジャマイカ同様日本車が多い)にきれいなのだが、ことこのワゴンのルートバスとなるとすさまじいほどおんぼろ。さびているのは当然として、フロントガラスが割れてへこんでいるものや車両のドアがないもの(取り外している?)、ライトが壊れていたり、フロントがへこんでいたり。キューバのおんぼろさは、さびて古くなったという感じだが、ここのおんぼろさはあちこちにぶつけまくって壊れかけているようなおんぼろさ。運転はジャマイカ並みに荒い。

やがて『ロンリープラネット』にもあるメルカド(市場)についたのだが、ここもメキシコのカンクンと同じ土産物専門のメルカド。絵と民芸品ばかり。客はヨーロッパ系の観光客が少々。がっくり。

だが、付近に農産物市場を発見。市場と言っても通りに簡易な造りの露天が並んでいるだけだが。規模はとても小さい。たぶん200mくらいしかない。野菜は他と同じくじゃがいも、小さな人参、キャッサバ、キャベツなど。

同じ地帯は倉庫街になっているようで、大型のトラックが道ばたに停まっており、トラックの下の日陰で雇われているらしい人たちが寝そべって休んでいる。

ぼくはその1角で弁当を売っていたおばちゃんから昼飯を買う(80ペソ:約300円)。4種類の鍋があり、それぞれ肉や魚が入っている。ぼくは魚の方を頼む。ご飯に魚、キャベツの千切りのサラダが発泡スチロールの弁当箱に詰められる。

その辺で食べようとしたが、路上が汚く、水たまりもあって蠅がうようよ。倉庫らしきところの入り口のブロックに座って食べていたら、おにいさんが電話帳3冊を持ってきて、この上に座れと日陰のところにその三冊をどさっと置き、どっか行く。ありがたくそこに座ったものの、目の前に水たまりがあり、蠅がぶんぶん飛んでいる。

ので、移動。狭い歩道にはなかなか適当なところが見つからず、かといって公園もなさそうなので、適当に水たまりのないところで食う。

それからまたCaribe Toursを目指す。Av.Mexicoという片側2車線のきれいに舗装された通りに出る。道路沿いには新築らしき5階建てのきれいなマンションが並んでいる。大型の路線バスが通り過ぎていったので、試しに乗ることにする。当たりを見回しバス停を発見。ベンチも日除けもあるきれいなバス停。

そこに行く途中。路上生活者らしいおじさんとすれ違う。ズボンが尻辺りまでずれ落ち、後ろから見るとハンケツ状態。髪の毛も髭も伸び放題で、異臭がするので、だいぶこの生活が長いよう。すれ違うときにこちらを見てパッと手を出されるが、反射的に避けてしまう。

おじさんはスルスルと車道に出ていく。あぶねぇなと思い見ていると、信号で停まった車に近づいて行き、物乞いをしている。相手にする人はいない。道路を渡って反対側のバス停にいたおばさんたちにも物乞いをしているが、何も手に入らない。おじさんは、そのバス停から10mほど離れて歩道に座り込んだ。

バスが来て、乗る。前乗りで乗車すると回転バーがあり、その横にお金を回収する女性が座っていた。その人に適当にコインを渡すをお釣りをくれる。どうも15ペソ(約180円)のよう。回転バーを教えて中に入る。

冷房付きのバスで車内もきれい。Caribe Toursに行く予定だったが、せっかくなのでしばらくバスに乗る。官庁街らしきところをぬけ、Av.Independenciaという片道2車線の大通りに出る。通り沿いにはレストランやコピー屋などが見え、さらに大型ショッピングセンターが右手に見える。その道路を挟んで反対側には野球の練習場があり、外野は混在しつつ、各4角がホームベースとなって4面で練習試合らしきことが行われている。

ぼくはそっちが気になってバスを降りる。ドミニカはアメリカを除いた国では一番メジャーリーガを輩出している国。金の卵がいるかもとグランドに行く。

4面のうち3面は小学生くらいの子たちが試合形式で練習している。みんなユニフォームにグローブ、スパイクを身につけている。これまたキューバと大違い。

1面では体格としては高校生くらい子らが試合をしていた。ぼくが行くとじろじろと見られる。が、チーノはない。

バックネット裏にいた人たちに混じって観戦。180cm近くあるピッチャーは130kmくらいの球を投げており、なかなか速い。話しかけてきたおじさんに彼等の年齢を聞くと13~15歳という。ボールは硬式ボールでバットは黒の木製バットを使っている。ペイントの剥げかけているバットで2本を使い回ししているところを見ると、そんなに道具が豊富なわけではなさそう。

どのくらいの重さなのかわからないが、この年にしてはかなりスイングスピードの速いものもいる。それからぼくが知っている中学野球と比べると肩の強さがまったく違う。こちらは日本でいうと高校野球でも強いチームなみに強い。キャッチャーは特にセカンドまで低い弾道で軽々と投げる。おそるべしドミニカ。

30~40分ほど試合の様子を見て、終わったところでぼくも切り上げる。どうもグランドの利用は時間制になっているようで、ある時間が来ると一斉に利用するチームが入れ替わっていた。

それから道路を挟んで向かいにあるショッピングセンターを見学。ここにもグローブやバットなどが売っていた。電化製品もiPodなどはないが、デジタルオーディオなどはある。

物量は豊富でアメリカのスーパーと変わらない。客も多い。

水とヨーグルト、ハガキを2枚買う。約150ペソ(600円)。ヨーグルトが高かったよう。

またバスに乗って戻る。

いつもホテル前で果物を売っているおじさんからメロン4分の1とパパイヤ4分の1を買う。100ペソ(約400円)札を渡すとお釣りがないというので、100ペソぶんということで小さなパイナップル2分の1を追加で買う。メロンはたいしたことないが、パパイヤとパインは抜群にうまい。

それから道ばたで売っていたキーぺという円錐系のメンチカツみたいなものとパナダという餃子を広く薄っぺらくしたような揚げ物を買って食う(キーぺ1個15ペソ、パナダ1個20ペソ)。

晩飯をどっかで食うつもりだったが、果物と揚げ物で腹が膨れる。

明日はドミニカの田舎の方に行こうと思い、メインストリート沿いのビルの3階にある地図専門店に行き、地図を買う。ドミニカと世界地図を買う(それぞれ200ペソ:約800円)。

店主のおじさんと若い店員がいて、二人とも気さく。店主のおじさんがけっこう話しかけてくるが、スペイン語のみなのでわからずにいると、若い店員が英語に訳してくれる。どこから来たのか、JICAの仕事で来たのか、どれくらいいるのかと聞かれる。

話ついでにハイチのことを聞く。ハイチに行きたいというと、ハイチに行くにはけっこうお金がかかるといわれる。往復で150ドルくらいらしい。また、バスは橋は結局行かなかったCaribe Toursから出ているという。危険なのかと聞くと、首をかしげ、それほど危険というわけではない、というような反応。その反応を見て、明日はハイチに行こうと決める。

宿の近くの日本語が読めるネットカフェでハイチ情報を検索。外務省の安全情報は「渡航の延期をおすすめしまう」。やっぱりそれなりに危ないよう。その他見てみると、最近、行ったという人の話も見つかり、またメキシコかどっかの宿の情報ノートにも2月上旬くらいに行ったという情報があったので、行くことに決定。

あたりはすっかり暗くなっている。今頃になってCaribe Toursに今日、行っておくべきだったと思うも、朝早く行けばなんとかなるかと思い、とりあえず明日行けることを前提に荷物を整理して、寝る。

2008.3.20 カンクンからアップ

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